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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

洗脳。

2019年02月26日(Tue) 07:56:31

空色のブラウスを赤黒い血に浸しながら、彼女はぼくの目のまえ、吸血鬼に咬まれつづけた。
それがたんなる養分の摂取から、愛情表現に変わるのに、さして時間はかからなかった。
ぼくは歯噛みをしながら、自分の恋人が吸血鬼の奴隷にされてしまうのを見守るばかり――
先に咬まれたぼくはすっかり血を抜き取られ、やめさせる力は残されていなかった。
短パンの下に履いていたライン入りのハイソックスが血に浸された足許を彼女は盗み見ると、
自分の履いている紺のハイソックスも、惜しげもなく咬ませていった。
たんなる養分の摂取が、愛情表現に塗り替わったのに気がついた彼女は、
ぼくだけに許したはずの口づけを重ねて、
ぼくにさえ許していないはずのスカートの奥にまで、逞しくむき出された腰を、受け容れてゆく――
初めての痛みに歪む口許からこぼれる歯の白さを、ぼくはきっと忘れない。

吸血鬼は、ぼくと彼女の仲を尊重してくれたので、
ぼくたちは交際を重ねて、結婚をした。
いまはもう、ぼくたちの頭のなかは、すり替えられてしまっている。
彼女はぼくのまえで彼に奪われたのを誇りに思い、
ふたりの男に愛されることを歓びとした。
ぼくは彼女の前で手本を見せるため、先に咬まれた。
大切な親友である彼に、
うら若い乙女の生き血を得させるために。
ぼくの未来の花嫁の、純潔を得させるために。


あとがき
養分の摂取から愛情表現へ。
強奪から、納得づくのプレゼントへ。
吸血鬼は人への認識を改めて、彼らを末永いパートナーに選ぶ。
そして、選ばれた人の記憶は、3人の心の平安のために、都合よく塗り替えられてゆく。
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