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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

宵闇

2005年10月15日(Sat) 05:36:00

「待たせたね」
雑木林の奥から現われた悪友のK。
そのすぐ後ろからは、照れくさそうな妻。
ふたりの服には、たくさんの落ち葉。

親戚の婚礼のかえり道。
たまたま帰り道に出くわして。
よそ行き姿の妻にすっかり見とれてしまった彼。
「ちょっとだけ、借りられない?」
断りきれなかった・・・どころか、すすんで妻の手を握らせてしまったぼく。
イタズラっぽい笑みをちらちらとこちらに投げかけながら、闇の向こうに消えた妻。

見通せるようで見通せない、木々の重なりの彼方。
ふたりと一人をさえぎる宵の闇はうっすらと、
下草の時ならぬざわめきをぼかすように包んでいた。
服を通してしみ込んでくる冷気も忘れて、ぼくは独り路傍に佇んだ。

「縛られちゃった」
エヘヘ・・・と舌を出す妻の二の腕に、じんわりと滲む赤い血潮。
ぼくは食いつくようにして妻の傷口を唇でおおい、
よだれをすりこむようにして、すり傷をぴりぴりさせてやった。
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