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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

前作「時空を超えた男」 かいせつ

2019年03月15日(Fri) 07:14:58

前作は、明け方布団のなかでまどろんでいるときに泛んだお話です。
さいごのオチはやや強引にみえるかもしれませんが、すでにその時点で確定していました。
強引になってしまったのは、たぶん柏木の筆力のなさですね。^^;

よく読むと、冒頭部分ではきのうきょう知り合ったような書かれ方をしているのに、
末尾になると実は子供のころからの関係になっています。
時空のねじれで微妙に状況がずれているのか、たんなる穴ぼこなのかは、描いた本人にもよくわかりません。(笑)
吸血鬼との同居を許してしまう下町というのも、いったいここはどこの村なのだろう?というくらい不思議です。
もっとも、ある時期からウグイス色の電車は、地方の近郊でも使用されるようになったので、
そこは地方の近郊で古くからある街と解釈してもいいのだと思います。

もっとも大きなツッコミどころは、(以下はネタバレになりますが)、
譲一の親が譲一自身になるところです。
現代から数十年前にタイムスリップした譲一は、そこで自分と同じ年恰好の青年と出逢います。
すでに血を吸われ始めていた譲一は、その時点ではもう立派な?吸血鬼になっていて、
助けてくれようとする青年の血を吸ってしまいます。
けれども青年は寛大にも、いっしょに住もうと言って、彼女と二人で暮らしているアパートに譲一を招き入れます。
青年の期待通り?譲一は青年の彼女である君枝さんを無理強いに襲おうとはしませんでした。

君枝さんを初めて咬んだときの状況は、たぶんにふたりの演出なのでしょう。
帰りをわざと遅らせる彼氏。譲一の習性を知りながらハイソックスの脚を見せつける彼女。
それでもふたりが一線を越えようとしないのは、彼氏さんにたいする思いやりの部分なのだと思います。
譲一の習性を知って彼女の血を吸わせるタカシ。恋人の意向を酌んでわが身を同居人の欲望にさらす彼女。
ふたりの好意を受け止め、どこまでもフェアに振る舞おうとする譲一。
お互いがお互いに安心をしているからこそ成り立つ関係です。

タカシがいっしょに暮している恋人と肉体関係を結んでいないのは、譲一に処女の血を愉しませるためだけではありませんでした。
そもそも譲一と出会う前から、そういう関係ですからね。
ふたりは実の兄妹だった・・・という伏線を、ここで張ってみました。
お互い惹かれ合いながらも、結ばれて子供を作ってしまうことには、遺伝学上のためらいがあった というわけです。
それでも子供が欲しかった二人は、譲一に子どもの父親になってもらう という選択をします。
このお話は、ただの”NTR"ではないのかもしれません。
君枝さんが大きくなった息子をふたたび連れてきて譲一に引き合わせることで、
お話はつぎのステージへと進みます。
少年の血を吸っている譲一と、母親の知人相手に自分の血を吸わせている少年とは、同一人物なのです。
それって矛盾じゃないというツッコミはとうぜんありだと思いますが、柏木はなぜか矛盾を感じません。
やがてふたりは、華恵をまえにして入れ替わっていきます。
若い譲一と入れ替わって華恵の主となる、齢を取った吸血鬼バージョンの譲一が行き着く先は、案外ふつうの人間に回帰する道なのかもしれません。
そこをさりげなく、本文のなかに入れ込んでみました。

不思議なお話でしたが、1時間半ほどかけて、一気に描き上げてしまいました。
矛盾に満ちているのに、ここまで柏木を引っ張ってくれたお話。
不思議な引力を感じています。

さいごにファッションについて。
君枝さんのファッションは、かなり具体的に描き込みましたが、80年代に爆発的に流行ったものです。
濃紺と緑のチェック柄のスカートに(もちろんほかのタイプのスカートも多々ありました)、透ける紺のハイソックス。
ひどく印象に残っています。
タカシが穿いていたストッキング地の紺のハイソックスは、いまでは絶滅危惧種ですが、当時のサラリーマンの間で流行っていました。
男もののほうがなぜか色つやが良く、ゴムの部分もしっかりとした帯のように太いタイプでした。
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三角関係。
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