淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
ある老夫婦の礼儀
2019年04月23日(Tue) 07:36:46
老夫婦が吸血鬼に襲われた。
姪の結婚式の席でのことだった。
別室に招き入れられた夫婦は、それと知らないままに吸血鬼に咬まれていった。
先に咬まれた夫は身動きできないほどの貧血になって、妻の受難を見守る羽目に――
そして、着飾った妻は衣装もろとも辱められて、
永年守り抜いて来た貞操を、スーツの裏地や裂けたストッキングもろとも濡らされていった。
いつもここに出没なさっているのですか?
後日妻を伴って結婚式場を訪れた夫が訊ねた。
そうだ、と、吸血鬼はこたえた。
妻を呼び出したのは、どいういうわけですか?血が欲しいだけですか?彼女の名誉を辱めたいのですか?
夫が訊いた。
あんたの奥さんが気に入った――吸血鬼は渋々認めた。
こんなおばあちゃんを?
夫人は明るさを取り繕って、そう訊ねた。
ご婦人の魅力は、齢でそこなわれるものではないからな。
吸血鬼はますます渋々と、認めた。
真面目な交際を望んでいる、ということだね?
夫が訊いた。まじめな顔つきに引き込まれるように、
ぜひそう願いたいものだ。
吸血鬼も真面目に答えた。
永年連れ添った家内だが、あんたの女になってしまったことはもう、取り消すことができない。
そういうことであれば、家内との交際を認めよう。
婚礼の場で犯されてしまう、お気の毒なご婦人を1人でも少なくしたいのでね。
以来夫婦は連れだって結婚式場を訪れて、
着飾った夫人が犯されるのを目の当たりにし続けた。
吸血鬼が去ったあとは、熱い抱擁が待っていた。
齢を経た夫婦が、かつての熱情を取り戻す瞬間だった。
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