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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

同病相憐れむ または 狩られた妻

2005年10月15日(Sat) 06:55:00

狩られてしまった妻を引き取りに。
吸血鬼の邸に着いた私。
そこには先客の男性がいて、よくみるとお隣のご主人だった。
―――おや、お宅もそうですか。
チラッと交し合う、意味深な苦笑い。
―――そちらはツーショット。うちのやつのほうはお二人ですよ・・・
親切にもそう教えてくれるご主人に、
―――お互い、大変ですねえ。
―――まぁ、ゆっくり待つよりないですねぇ。
嵐に遭ってずぶ濡れになった同士にありがちな、のぼせたような困惑。
寒々とした廊下に漂う、奇妙な連帯感。
お互いの目線をそれとなく逸らしあいながら、
扉の向こうにいるそれぞれの妻を想う沈黙が流れる。

やがて向こうの部屋のドアが開かれると、
猥雑に流れるにわかなざわめきが緊張を破った。
土気色になった奥さんが服をはだけて、息をはぁはぁとはずませている。
―――馳走になった。すまないね。
そういって口許を拭う吸血鬼に、ちょっとだけ悪態をついて。
抱き取るようにして奥さんを受け取ると、
「あぁ、よくがんばったね・・・」
といって、優しくねぎらっていた。
スカートからのぞいた太ももに走るストッキングの伝線と、その周囲に散らされたぬらぬらと光る白い塊から、さりげなく目を逸らした私。

ちょっと遅れて現われた妻も、肩で息をしていた。
振り乱された髪の毛がやけに色っぽい。
つかの間の恋路を愉しんだお相手に、包まれるように扶けられて。
彼の腕のなかから抜け出すときにからみ合わせた目線の妖しさに、下腹がむしょうに熱くなる。
―――だいじょうぶ?
と、蒼い顔をした妻を気遣いながらも。
はだけたえり首からのぞくセクシィなスリップや、しどけなく破れ落ちたストッキングの裂けぐあいをしぜんと点検してしまっている。
身を持たれかけてくる妻は、血を喪ったぶんだけ軽くなったようだ。
けれども。
さいなまれていたたはずの肌が愉悦の名残りにうずいて、とても淫らにつやつやとしていた。
先客のご夫婦は、とうに姿を消している。
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