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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ふたりの少年

2019年05月12日(Sun) 08:07:32

学校の近くに吸血鬼が棲んでいて、
下校中の少年たちを襲っては、ハイソックスを履いた脚に咬みついて、血を吸っていた。
人を殺めることはなかったので、少年たちは戸惑いながらも脚を咬まれていったし、
親たちも見て見ぬふりをしていた。
この街は、吸血鬼と平和に暮らしていた。

幼馴染のタケシとヒロシは、一日ちがいで吸血鬼に襲われた。
後からヒロシが襲われた日、ふたりが塾で顔を合わせたとき、
お互いのハイソックスに咬まれた痕と赤黒いシミが浮いているのを確かめ合って、
照れくさそうに笑いあった。

それ以来、ふたりは咬み破らせたハイソックスの数で競争するようになっていた。
「もう、3足も咬み破られちゃった」
「ぼくはきのうで4足めだよ」
吸血鬼は二人を交代で襲ったので、抜きつ抜かれつしていたけれど、
数の少ないほうの少年は差を縮めようとして、
夜になるとわざわざハイソックスを履いて、吸血鬼の潜む公園に出かけて行った。
吸血鬼は「遅いのによく来たね」と少年の頭を撫でて、
貧血になりすぎないかと身体の様子を気にかけながら、
それでもハイソックスの足許にいやらしい舌なめずりをくり返していった。
脚の線に合わせてなだらかに流れるハイソックスのリブが、じょじょに歪められ、いびつに折り曲げられて、
血に濡れながらだらしなくずり落ちてゆくのを、少年たちは面白そうに見おろしていた。

やがて、タケシのほうが一方的に、破かれたハイソックスの数を伸ばした。
なぜなら、ヒロシは血を吸いつくされて、吸血鬼になってしまったから。
自分の血が尽きてしまって、もう血を吸ってもらえなくなったのを残念がるヒロシを、タケシが慰めた。
そして、今度からはぼくの血を吸えよと、親友を誘った。

学年があがると、吸血鬼はひとつ下の子たちを狙うようになった。
自由の身になったタケシは、上級生になってもハイソックスを履き続けて、
喉をからからにして自分の血を欲しがる級友のため、
きょうもハイソックスを濡らしながら、若い血潮をあてがっていった。
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10足め。
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ちょっとご無沙汰になりました。

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