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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

娘を紹介される。

2019年05月27日(Mon) 05:08:26

母「母さんに恋人ができたといったら、あなたどう思う?」
娘「えー、良いんじゃない?どんな人?」
母「・・・人の血を吸うのよ。」
娘「どういうこと?」
母「言ったとおりの意味よりその人、母さんの血を吸うの。」
娘「・・・母さんそんな人が相手で、平気なの??」
母「大丈夫よ、その人、母さんのこと愛してるから。」
娘「母さんが良ければ、あたしはいいよ。で、もうエッチしたの?(興味津々)」
母「ばかねぇ、そんなこと親に訊くもんじゃないわよ。」
娘「えっ、でも気になるよ。キスはしたでしょ?」
母「キスもまだよ、そういうことしたら、離れられなくなっちゃうでしょ?
  身体の関係というのは、慎重にするものなのよ。」
  あの人、まだ母さんの手も握らないのよ。――あっ、でも抑えつけられたことはあるわね。」
娘「やだっ(真っ赤)その人、家に招ばないの?」
母「あなたが良ければ・・・ね。」
娘「ねぇ、招んで招んで♪」
母「家にあげたらね、あなたも血を吸われちゃうかもしれないでしょ?だから招ばないのよ。」
娘「母さんがダメって言っても?」
母「招んだらダメとは言わないわ。だって、私のたいせつなカコちゃんの血を、吸ってもらいたいと思うもの。この家にあの人を招んだら、私カコちゃんのこと紹介しちゃうわよ。だからあの人、加代子ちゃんの血も吸うわ、きっと。」

母娘のあいだできっと、そんなやり取りがあったに違いない。
看護婦であるその人は、娘が貧血を起こしたくらいでは動じないし、賢明な人だからすぐ適切な処置を施すだろう。
俺を家に招ぶということがどういうことなのか、きちんとわきまえているのだから。
きっとあの人のなかで、娘を売る――みたいな感覚はまったくないはずだ。
自分と同じことを体験させようとするのなら、そこには親としての前向きな意思しか存在しないはず。
そしてなによりも彼女は、一人娘をだれよりも愛していた。
もちろん、俺なんかよりも。

いつもよりほんのすこしだけ他人行儀に俺を迎え入れたそのひとは、
隣の部屋から開いたドア越しにこちらを窺う娘に、
「お母さんの好きな人」
とだけ、目で促しながら俺のことを引き合わせた。
俺とはじゅうぶんすぎるほどの距離をとって、恐る恐るお辞儀をした少女に、
俺もぎこちないあいさつを返すのを、
彼女は面白そうに眺め、俺と娘とを見比べた。
制服のスカートの下から覗く白のハイソックスのふくらはぎが、ひどく眩しく俺の目を射た。
彼女は俺の視線の意図を正確に察したに違いなかったが、あえてなにと言おうとはしなかった。
獲物でも、ちゃんと礼儀は忘れないのね?
彼女はそう言って、イタズラっぽく笑った。
あんたのお嬢さんじゃないか。
気がつけば、相手をたしなめているのは、俺のほうだった。

いつものようにして構わないのよ。
芝生の上だと、芝だらけ。
お砂場だと、砂だらけ。
腕白少年じゃないのだから、そんなに毎回、お洋服を汚すわけにはいかないわ。
彼女はゆったりとほほ笑んで、いつもよりかなり余裕たっぷりに、俺を受け入れた。
チン、ちぃーん・・・
お仏壇にお線香をあげ、鉦を鳴らし、背すじを伸ばして掌を合わせる彼女の後ろで、
俺も神妙に掌を合わせた。
あら、お参りしてくださるの、うれしいわね。主人もたぶん、よろこぶわ――
果たしてご主人はほんとうに、よろこぶのだろうか?
自分の妻を犯そうとする男を、妻自身が自宅に引き入れてしまったことを?
よろこぶわよ。
彼女がいった。
だってあのひと、変態だったんだもの。
近くに娘がいないことを見計らったうえで矢のように射込んだ囁きが、俺の鼓膜をじんわりと貫いた。


あとがき
前作がまだ続きそうなので、ちょっとだけ続けてみます。
前の記事
見せたあと。
次の記事
礼節と露骨

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