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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

娘のことも、咬んでしまう。

2019年05月30日(Thu) 07:40:15

部屋に敷かれた布団のうえで、昭代さんは顔色を土気色に変えて、横たわっていた。
自分の部屋に戻った、というよりは、俺に担ぎ込まれた、といったほうが正しかった。
つい度を過ごしてしまった俺は、吸い取った血液のいくばくかを昭代さんの体内に戻してやり、
とうの昔に閉じられた瞼とおでこにキッスをしてから放してやった。
それでも俺は抜かりなく、彼女の身体からスリップと剥ぎ取り、ストッキングを脚から抜き取ってせしめることだけは、忘れなかった。

ふすまの向こうに気配を感じてふり返ると、あわてた様子の忍び足がリビングに向かって退却するのが伝わってきた。
昭代さんを寝かしつけた俺は、もういちどだけ昭代さんの頭をなぜると、立ち去ろうとする足音を追いかけた。

リビングのドアを開けると、ソファに腰かけた加代子さんの白いカーディガン姿が、こちらに背中を向けていた。
テレビを観ているようなそぶりをしていたけれど、テレビはついていなかった。
開かれたドアの音にびくっとしてふり返る加代子さんが目にしたのは、俺の口許だったに違いない。
唇の周りといいあごといい、そこには自分の母親の身体から吸い取られた血液が、まだぬらぬらと光っていた。
彼女の鋭い目線で、そのことに初めて気づいた俺は、せしめた昭代さんのハンカチで、口許をゆっくりと拭った。
わずかにうろたえた加代子さんは、「あの、母は・・・」と、そこは娘らしく母親を気遣う姿勢をみせた。
「だいじょうぶ、よくお寝(やす)みだ」
たっぷり血を吸い取ったあとに俺がみせた昭代さんに対する鄭重な態度で、「この人はこの人なりに、母さんのことを大切にしている」と感じた――と加代子さんが言ってくれたのは、すこし後のことだった。

「まだ血が付いています」
加代子さんはハンカチを取り出して、俺のあごの輪郭をなぞるようにして、丁寧に拭いた。
散らされた母親の血をいとおしむように、たんねんにたんねんに、拭きとっていった。
俺は彼女のするがままに任せて、じっとしていた。
母親を襲った吸血鬼のあごに付いた血のりを拭うという行為で、彼女が俺の行為を受け入れようとしていることを感じたからだ。
俺は加代子さんに礼を言うと、昭代さんの血の付いた加代子さんのハンカチを受け取って、滲んだ紅いシミに深々とキスをした。
「本当に、母のことが好きなんですね」
加代子さんはいった。
「母を死なせないでくださいね」
「もちろんですよ」
「一途なひとですから、心配なんです」
娘は母親の気性を、よく心得ていた。
「ですから、母の具合がよくなくてまだ血が欲しいときには、私お相手します」
最後のひと言に力を込めたのは、怯える自分自身をふるいたたせようとしたからだ。
「まだ喉が渇いていると、俺が言ったら・・・?」
俺はあくまでも、たちの悪い男だった。

囁きと同時にギュッと抱きすくめた腕に、かすかな抗いを感じ取りながら、
俺はさらに力を込めて、若い身体に猿臂を巻いてゆく。
少女のなかで、身体の芯がしゃんとふるいたつのを、はっきりと感じた。
「もちろん、お相手します」
びっくりするほど、はっきりとした口調だった。
彼女の楷書体な発声に、俺は好感を持った。
きっと学校でも、とびきりに元気がよくて、学級委員とかをしているような活発な優等生なのだと思った。
「きみを初めて咬むのは日を改めてからにしようかと思っていたが――やはりきょう、いただこう」
「母を自分の女にした、記念すべき日だから・・・?」
加代子さんは挑戦的に輝く瞳を、俺に向けた。
「そうだね」
俺がみじかくこたえると、彼女は意外なくらい素直に、うなずき返してくる。
冷静で毅然とし過ぎる彼女をちょっとうろたえさせてやりたくなった。

「俺は脚を咬むのが好きでね」
「知っています」
彼女は言葉で、はね返してくる。
「いつもそうなさっているみたいですね、先日も、きょうも――」
俺は黙って、昭代さんの足許から抜き取ったばかりの黒のストッキングをポケットから取り出し、彼女のまえにぶら下げた。
「きゃっ」
ちいさく声をあげて口許を両手で覆う彼女に、やり過ぎたか?と思ったが。
彼女はあちこち破れ血濡れた母親のストッキングをまじまじと見つめ、手に取って、咬み痕の破れ目を確かめるように丹念に拡げていった。
「きみが今履いているハイソックスも、こんなふうにしてみたい」
両腕を後ろからつかまえて、ムードたっぷりにひっそりと囁く――
獲物のお嬢さんに対して、いちどはしてみたい行為だった。
彼女はおずおずと、頷き返してきた・・・



差し伸べられたふくらはぎはすんなりとした肉づきをしていて、
少したっぷりすぎると本人が羞じらう足許は、血を獲たいと願う俺にはむしろ、ひどく魅力的に映った。
俺はそろそろと彼女の足許にかがみ込み、彼女はちょっとだけ怯えを見せて脚をすくめた。
「あの――」
少し震えた声を頭上に受け止めると、俺はふり返り、彼女の顔を見上げた。
怯えていることを悟られまいとして、母親譲りの薄い唇を強く引き結んだ顔が、すぐ間近にあった。
「テレビつけてもいいですか?」
「もちろん、どうぞ」
俺はこたえた。

彼女がしたかったのは時間稼ぎではなくて、気分を紛らすためなのだと、すぐにわかった。
雑駁なコマーシャルの声が、空虚な部屋に満ちた。
彼女はテレビから離れると元通りソファに腰を下ろして、「どうぞ」とだけ、いった。
俺はもういちど、彼女の足許にそろそろと唇を近寄せた。
自室で気絶しているはずの昭代さんも、気配を消したはずのご主人の魂も、いまのたいせつな瞬間を息をつめて見守っているのを、俺はかんじた。
擦りつけた唇の下、加代子さんの履いている白のハイソックスに、泡交じりの唾液がじょじょにしみこんでゆく。
厚手のナイロン生地のしっかりとした舌触りを愉しみながら、
俺は牙の疼きをこらえ切れなくなって、
加代子さんのふくらはぎのいちばん肉づきのよいあたりに、ずぶりと牙を埋めていった――


あとがき
未亡人の看護婦と制服姿の娘は、同じ日に犯され初咬みを受けてしまいます。
おとーさんの霊、哀れ。
いや、案外愉しんでいるのかも。^^
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