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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

冥界ルポ ~貴男の死後奥さんに恋人ができたなら~

2019年08月18日(Sun) 06:35:10

自分の死後に妻が再婚したことは受け入れざるを得ないけれども、
実際に再婚した妻のその後は目にしたくない――
ここ冥界に漂う亡夫たちにアンケートを取った結果でも,
68%の亡夫たちがこうした考え方に同意している。
さらに、「妻の再婚は不倫を見せつけられているようで苦痛」という声も、38%にのぼっている。

そんな中で、山宮猛さん(48、仮名)のケースは、レアなのかもしれない。
山宮さんが亡くなった約10か月後に、未亡人の昭代さん(44)に恋人ができた。
「いつも妻の周りを漂っていましたので、いちぶしじゅうを視る羽目になりました」
苦笑いしてそう告白しながらも、その表情は決して暗いものではない。
昭代さんのお相手は、吸血鬼だった。
そもそものの馴れ初めは、人の生き血に飢えていた彼が出勤途中の昭代さんに声をかけて、貴女の生き血を吸わせてもらいたいと懇願したのがきっかけだった。
近在の病院に婦長として勤務する昭代さんは、職業柄相手の顔色で病状を察して、勤め帰りに逢うことを約束、そのまま勤め先へと向かった。

「普通に考えれば、行きずりの吸血鬼に血を吸わせる約束をするなんて、考えられないことです。
 でも家内は律儀なひとなので、これから勤務に就くという自分の都合を相手が呑んだことで、
 そういう返事をしたのだと思います。
 仮に彼がその場で家内を襲って家内の体調を悪化させ欠勤させるようなことをしたら、
 その場限りの関係で終わったことでしょう。
 家内の生真面目な職業意識を彼が尊重してくれたことが、長いお付き合いにつながったのだと思います」

生前から夫の取引先の複数の男性と不倫をくり返していたという昭代さんだったが、
彼と深い関係になるのことについては、いつになく慎重だったという。
「思ったよりも遅めでしたね。ほかの殿方のときにはその場で堕ちたと聞いていますから」
と、ご主人は生前に起きた昭代さんの不倫についても淡々と語った。
「そのときは、相手が私の大口の取引先でして。
 仕事上わたしの立場が不利になるとか、そういうことをちらつかされて無理強いをされたのです。
 むしろ、わたしのために堕ちたという面もあったわけで・・・
 でも今回は違いました。まったくの自由恋愛でしたから・・・
 もともと身持ちの堅い家内には、選択の自由があるぶん、決断に時間がかかったのだと思います」
「相手が吸血鬼だということも、むろんあったと思います。
 家に招び入れることで娘が犠牲になることを気にしていたようですから・・・」
――娘さんと彼との関係は。
「意外にもですね。恋をしている本人よりも、年頃の娘のほうがむしろ好奇心旺盛でして。
 彼との交際がどこまで進んでいるのか、関心を持っていました。
 家内の彼氏が吸血鬼であることにもあまり偏見を持っていなかったようで、
 家内が血液を提供し過ぎて気絶してしまったときには、まだ満足しきれていない彼のために
 自分から血を吸い取らせていました。処女の生き血を好むことも見越した上でのことでした。
 家内の貞操喪失も、じつは娘が後押ししたのです」
――彼は貴男にも礼儀正しく接したそうですね。
「家内とことに及ぶまえ、彼はわたしの写真のまえで鉦を鳴らしてくれました。
 あれはとても気持ちのよいものです。
 彼がわたしを尊重してくれるのがわかったので、家内をゆだねる気になりました。
 ちょっぴり悔しかったのはもちろんですが――
 おなじくものにされてしまうのであれば、彼のような男性こそが家内にふさわしいと感じたのです」
――ずっと御覧になっていたのですか。
「ハイ、そうするのが夫としての義務だと、なんとなく感じたものですから・・・
 喪服を着崩れさせた家内のうえにのしかかった彼は、スカートをたくし上げてお尻を沈み込ませました。
 たぶんわたしのときよりも、家内は愉しむことができたと思います。
 ことが果てたあとの顔つきが、わたしのときとは明らかに違いましたからね(笑)」
――奥さまをモノにされた後のお気持ちは。
「好敵手にゴールを一発キメられたような、悔しいけれど爽快な気分です。
 わたしの気配を察して照れくさそうにしている家内も、かわいかったです。惚れ直しました」
――お相手の彼に何かひと言・・・
「当家の名誉を汚すことを忍んでまで家内の貞操をお譲りしたのですから、
 いまではむしろ二人の仲が長続きすることを祈っています」

霊界のインタビューにこたえてくれたご主人の声を、昭代さん本人に伝えたところ――
「あのひとはお人好しですからね。だれとでもすぐに、仲良くなってしまうんですよ。
 あのひとの生前に私を犯した殿方たちとも、それと知りながら快く受け容れて、
 さいごまで親しく交流していました。
 ですからね、彼との出逢いがあのひとの生前だったとしても、
 結論はそんなに変わらなかったと思うんです。
 きっとあのひとのことですから、私よりも先に咬まれて仲良くなって・・・
 美女の生き血が欲しいのなら、家内の血を吸わせてあげようって、
 家に連れてきちゃったりしたでしょうから」
愉快そうに語る昭代さんの顔に、曇りはない。
その晴れやかな顔が、ご主人の穏やかな笑みとぴったりと重なった。

幽明境を異にしながら、夫婦そろって愉しむ未亡人の淫らな日常。
彼はもとより、ヒロインの昭代さんも寝取られ役のご主人も、かなり楽しそうだ。

さきのアンケート結果でも、
「妻がほかの男性とのセックスに耽るところを目の当たりにして愉しんでいる」
「私が家内とセックスできない分、彼が満たしてくれている。むしろ感謝してますよ」
「本当に息の合ったセックス――かりにわたしの生前であっても、あれを視てしまったら許してしまったかも」
といった意見も、少数ながら存在する。
どうやら自身の死後も妻の幸せと満足とを願う夫たちも、少なからずいるようである。
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