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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

喪服女装の通夜

2019年09月24日(Tue) 06:13:58

「私が死んだら、昭太さんは婦人もののブラックフォーマルを着て、お葬式に来て頂戴」
義母の佐奈子さんの訃報は、そんな風変わりな遺言とともに訪れた。
悲しみもそこそこに妻の美由紀は、猜疑の視線をわたしに投げる。
わたしの女装癖を、美由紀は良く思っておらず、佐奈子さんは擁護してくれていた。
けれども、遺言は遺言である。そこは美由紀もわかっていた。
「ちゃんと用意するから。あなたの喪服。試着にもついていくから」
強い口調でそう告げた美由紀は、慌ただしいなか時間を作って、デパートのブラックフォーマルの売り場にわたしを伴った。
「この人の着るものです」
婦人もののブラックフォーマルを一着求めたいという美由紀が、夫であるわたしを指さしたとき、
デパートの若い女性の店員はちょっとびっくりしたような顔をしたが、
交代で現れた年配の店員はごく物慣れていて、
「ご主人の体形だと、こちらか、こちらになりますね。こちらですと、袖が透けていて夏でも涼しく着れますよ」
幸いほかに客がいなかったことから、逃げるようjに試着ルームに入室して、
震える手つきでブラウスのボタンをはめ、スカートを腰に巻き、ジャケットの袖を通していった。
美由紀のおかんむりな様子を、カーテンごしにありありと感じながらも、新しい生地のむっとする匂いに包まれながら、しばし至福の刻を味わっていた。
けっきょく、店員のすすめる袖の透けているものを択んだ。
寸法が合っていたから・・・とわたしは弁解したが、美由紀の冷ややかな目線に変化はみられなかった。

そうこうするうちに、訃報の届いた翌晩である通夜の晩が迫ってきた。
義母はひなびた村に棲んでいた。
それは美由紀の生地とも程遠く、義母のそのまた父親、つまり美由紀の祖父が住んでいたという土地だった。
村は小ぢんまりとしていたが、その分仲良く暮らしているらしく、葬儀の段取りはとうに出来上がっていて、
わたしは名ばかりの喪主として、婦人もののブラックフォーマルに包んだ身を、喪主の席へと移していった。
夫婦で訪れたのに、そろって婦人もののブラックフォーマル。
そんな風変わりな夫婦連れに、村の人はだれ一人、奇異の視線を向けなかった。
義母からよく聞かされていたのだろう。
透明な風が重たい漆黒のスカートをかすかにそよがせ、ウィッグの髪もさやさやと揺れて、
黒のストッキングを通して秋の入り口の涼しい風が爽やかに流れていった。

夜になると、周囲の雰囲気は一変した。
ひととおりの度胸や焼香が終わると、本堂がそのまま、あろうことか乱交の場となったのだ。
兄が妹に襲い掛かり、母親と息子がまぐわい合う。
そして我々も、例外ではなかった。
美由紀にはなん人もの男――それもほとんどが自分の父親くらいの年齢のごま塩頭の親父ども――が群がり、
わたしさえもが黒のブラウスをくしゃくしゃにされて、剥ぎ取られてゆく。
すぐ手の届きそうなところで、美由紀が脚をじたばたとさせて暴れている。
けれどもほうぼうから伸びた逞しい節くれだった掌たちが、てんでに豊かな肢体を抑えつけてゆく。
美由紀の穿いている黒のストッキングに、よだれをたっぷりと帯びた唇が吸いつけられ、なまなましい舌が這いまわる。
わたしにさえも。
胸を揉まれ、股間を押し開かれて、ストッキングをびりびりと破かれ、ショーツを脱がされて、
初老の男の臭い息を吐きかけられながら、股間にその男の一物が突き入れられるのを、どうすることもできなかった。

傍らで、妻が犯されている。
それどころか、わたし自身までもが、男の一物を、幾人となく受け容れさせられている。
しだいしだいに、彼らの強引な身体の躍動が、わたしの血管に淫らなものを脈打たせ始めた。
気がついたらもう、女になり切って、せめぎあう一物たちを、あるいは咥え、あるいは舐めしごき、あるいは股間に受け容れて、
夢中になって抱き返していた。
なかには、美由紀を犯したばかりの一物も、含まれていたに違いない。
けれどももう、美由紀が身を持ち崩しても無理はないと思うほど、彼らの一物は胸の奥に響くほどの衝撃を、わたしにもたらしつづけていた。

嵐が過ぎたとき、わたしははっと気がついた。
目のまえに、死んだはずの義母がいた。
義母は和装の喪服を身に着けていて、首すじには赤黒い痣が二つ並んでいた。
よくみると、痣には血が滲んでいた。
「あなたたちも咬まれてるわよ」
義母に促されてみた姿見jには、犯され抜いた喪服の女が写っていた。
「昭太さん、見事な女ぶりでしてよ」
義母が本音でほめているのがわかった。
わたしの首すじにも、いつの間にか、綺麗に並んだ痣がふたつ、滲んでいる。
ふり返ると、美由紀と目が合った。
その美由紀の首すじにも、同じ痣が浮いている。

「吸血鬼の村なの。ここ。美由紀もここで育っていたら、処女のままお嫁入することはなかったわね。
 昭太さん、運が良かったわよ、この子、男を識らないでお嫁に行ったでしょ?
 そのまま終わるのはかわいそうだと思っていたの。
 どうかしら。美由紀を最初に犯したあの方と、いちばんしつこくつきまとったあちらの方。
 美由紀にお似合いだと思いません?」
まさに悪魔の囁きだった。
囁いた魔女は、この村に棲みつくうちに血を吸われ、娘と娘婿までも生け贄に差し出す気になったのだ。
けれどもわたしもまた、すでに堕ちた人間となっていた。
すでに衣装で女に堕ち、
喪服を破られることで娼婦に堕ち、
犯された妻の顔に歓びの色を見出すことで、寝取られ亭主に堕ちていた。

あくる朝。
「また来ようね」と笑う妻に、
「ここに棲んでもいいかな」と応えるわたし。
ふたりとも、ここを訪れたままの喪服姿。
黒のストッキングは破れてひざ小僧までがまる見えになり、
パンプスのかかとは片方ずつなくなっていて、
ブラウスの胸ははだけて、ブラの吊り紐が衆目にあらわになっている。
「この格好で帰るの?」
という義母は、わたしたちに帰りの服を用意してくれていた。
わたしのそれは、地味だが造りのしっかりとした、海老茶色の婦人もののスーツ。
美由紀のそれは、すけすけの黒のブラウスに真っ赤なミニのタイトスカート。
お互い黒のストッキングを穿くと、淑女と娼婦ほどの違いがあった。
「美由紀の服はね、あなたに執心の殿方からのプレゼント。今度からは昭太さんではなくて、そのかたの好みに合わせて装ってね」
「ぼくは、美由紀さんを奪(と)られちゃうんですか」
と訊くわたしに、
「だあいじょうぶ。寝取りに来るだけだから。みなさん、美由紀のことは、あなたの奥さんのまま犯したがってるの」
義母はイタズラっぽく、笑った。
周囲もあっけらかんと、笑った。
わたしは照れ隠しに笑い、美由紀も仕方なさそうに笑った。

夕べの通夜の席で、妻を目の前で犯した男たちと談笑しながら握手を交わし、
家内が欲しくなったらいつでもいらしてください、わたしも見て愉しみますから、なんて口にしてしまっている。
そんなわたしを視る美由紀の視線は、いつか和やかなものになっていた。
女装癖を咎めるときの、あのとがったものはもう、どこにもない。
夫に不貞の現場を見せつけたがっているという自身の変態性に目覚めてしまった彼女はもう、夫を咎めつづけることはないのだろう。
「近々、こちらに引っ越してきます。そのときはまた、家内と仲良くしてやってください。
 わたしのことも、女として抱いてください」
わたしのあいさつに、満座から拍手が沸き起こった。
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コメント

久しぶりのコメントです^^

喪服女装にNTR、大好きなシチュです。柏木さんのハッピーな展開となるお話にも安心して読むことが出来ますね。
婦人もののブラックフォーマルを着てても奇異の目を向けられない、むしろ歓迎されるような村にぜひ訪れてみたいものです。

涼しくなってきましたので、私もそろそろ黒一色のブラックフォーマルに身を包んでオンナを装い楽しみたいと思います^^
by ゆい
URL
2019-09-25 水 02:39:14
編集
ゆいさん
女装の世界で出逢った貴女がNTRにも関心があったことに、深いご縁を感じます。
こうしたきわどいフェチを複数共有できる人は、やはりそんなにはいらっしゃらないと思うので。

女装さんにとって、周囲の目は気になるもの。
けれども、いちど「お出かけ」を体感してしまうと、
奇異な視線にすら時には快感を覚え、
ましてや違和感を持たないおだやかな視線に対しては、渇望さえ覚えるものでしょう。

こういう村。
どこかにありませんかね。。(^^)
by 柏木
URL
2019-09-26 木 06:30:01
編集

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