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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夫の降伏(幸福)

2019年09月26日(Thu) 06:20:36

まったく。
なんてつまらないことをしているんだろう。
歩みをすすめながら、タカシばおもった。

さいしょに息子が襲われた。
この街に棲みついた吸血鬼に、若い生き血を狙われたのだ。
襲われた吸血鬼と息子とは、その場で打ち解けてしまい、
息子はせがまれるままに、ハイソックスを履いたふくらはぎを咬ませていた。
妻が息子の異変に感づいた時。
しなやかなナイロン生地の舌触りを好む吸血鬼のために、
通学用のハイソックスをほとんど咬み破らせてしまっていた。

つぎに襲われたのは、妻だった。
息子を家に送り届けたときに顔を合わせたのがきっかけで、熟れた生き血を狙われたのだ。
初吸血のときに犯された妻は、その場で吸血鬼にほだされてしまい、
娼婦のように腰を振りながら、すっかり不貞行為にのめり込んでしまっていた。
夫がふたりの関係に気づいた時。
薄いナイロン生地の舌触りを悦ぶ吸血鬼のために、
ストッキングを1ダースも破らせていた。

さいごが彼本人だった。
勤め帰りを襲われて、その場で意気投合してしまい、
スラックスを引き上げて、長めのビジネスソックスを咬み破らせていた。
気づいた時にはもう、
ストッキング地のハイソックスを履いてもう一度逢おうと約束してしまっていた。

それが今夜のことだった。

息子と妻は、先に家を出ていた。
きっと若い順に、我が家の血を愉しまれているはず。
許すべきではない屈辱のはずなのに。
なぜかタカシの心は揺れた。
自分が生き血を啜り取られたときのあの感覚がよみがえってきて、
妻や息子が吸われるところを想像して、陶然となっている自分に気がついていた。

「穿いてきてやったよ、好きにしたまえ」
投げやりに言葉を放ったタカシに、吸血鬼はどこまでも鄭重な態度で接した。
貴兄の尊厳を傷つけるつもりはない。
そういいたいらしかった。
けれども吸血鬼の口許は、妻や息子の血で濡れていて、
吸い取られたふたつの身体は、同じ広間の片隅に、正気を失ったまま横たわっている。

息子の履いている紺のハイソックスのうえに、淫らな唇が吸いついて、
清冽な血潮が、ちゅう・・・っと吸い上げられて。

妻の穿いている肌色のストッキングのうえに、卑猥な唇が這わされて、
熟れた血潮が、ちゅう・・・と吸い上げられて。

自分の穿いているストッキング地の長靴下を通して、エッチな唇がまさぐりつけられて、
働き盛りの血液を、ちゅう・・・っと吸い上げてゆく。

いけない。
くらっとしためまいを覚え、頭上のシャンデリアを仰ぐと、
さらに眩暈が倍加した。
タカシは平衡を喪って、その場に倒れた。

引きあげられたスラックスの下。
妻が履いているストッキングと同じくらい薄手のナイロン生地ごしに、
卑猥な舌がなんども這わされた。
舌触りを愉しみ、牙を差し込まれ、生き血をちゅう・・・っと引き抜かれ、
ひざ丈の靴下はじょじょに弛み、しわくちゃにされて、ずり降ろされていった。

気がつくと。
妻はベッドのうえで吸血鬼と腰を結びあわされて、
着崩れしたブラウスのすき間から、乳房の白さをチラチラとさせて、
蒼白い吐息を穿きながら、愉悦していた。
妻の貞操を守ろうとする意思は、すでに失われていた。
さっきまで。
男は彼のうえにいた。
股間に突き入れられた衝撃が、まだじんじんと響いて、タカシの理性を冒している。
そのまえが息子だった。
半ズボンを脱がされた息子は、犯された女子高生みたいになって、
金のハイソックスを履いたままの両脚を、放恣に伸ばしていた。

妻が、なにかを言おうとしている。
こちらを向いてけんめいに、目で訴えている。
「もう、こんなのはイヤ」
というのかと思った。
けれども女が洩らした言葉は、真逆のものだった。
これからも、なん度も来ようね――
それにこたえる自分の反応も、思っていたのとは真逆のものだった。
ぜひ、そうさせてもらおう。今夜のきみは、とても素敵だ――


あとがき
家族を吸われた夫が、さいごに陥落するときに。
妻や息子の仇敵である吸血鬼の好みに合わせて、
ストッキング地の紳士用のハイソックスを自分から穿いて、出向いてゆく。
息子のハイソックスや妻のストッキングと同じようにいたぶられながら、
働き盛りの血を吸い取られて、自身も同じように堕ちてゆく。

まえにも同じようなものを描いた記憶がありますが、いつ頃のことだったかよく思い出せません。
バブルのころまでは少なからず見かけた、ストッキング地のハイソックスを履くビジネスマンも、このごろはまったく見かけなくなりました。
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分身の術。
次の記事
妻を目の前で犯される ということ。

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