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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

覗かれた神秘

2006年07月24日(Mon) 07:16:48

その男の人が訪ねてくるのは、決まってパパが留守のとき。
ママは人が変わったように打ち解けて。
ボクが寝たのを確かめると。
ふたり手を取り合って、夫婦の寝室に消えてゆく。
寝室のドアがかちゃりと音を立てると。
ボクは胸をどきどきさせながら、ドアほうへと忍び寄って。
鍵穴に。
庭先に回ったガラス戸ごしに。
顔をぴったりくっつけて。
なかのふたりに、子供らしくない目線を這わせてゆく。

ママはうつ伏せになって。お尻を突き出して。
男に支配される雌。
そういう姿勢だと、幼かったボクにもよくわかる。
いつもボクには厳しいママが。
いつもきちんと装ったママが。
ベッドのうえ、おっぱいをまる見えにさせて。
もだえている・・・そんな言葉。
まだ使い慣れなかったけれど。
乱れたまままだ身に着けているブラウスが、スカートが。
ひどくいやらしく、視界にからみついていた。

それからかれこれ、二十数年が経っている。
おなじ寝室のなか。
若々しい胸をさらけ出しているのは、妻。
対手は、私ではない、見知らぬ年配の男。
妻はいつものつつしみとは裏腹な、艶めかしい笑みを淫らに輝かせて。
逆立つほどにぷるんとしたおっぱいを、
誇るように、男の目線にさらしている。
腕を後ろに組んで。
軽く、身をよじらせて。
そんなふうにしなをつくることは、
夫婦のベッドではありえないことだった。

妻を一方的に犯される。
それを愉しみだと感じはじめたのは、一体いつのころからだったろう?
真面目な夫と、貞淑な妻。
そんな仮面をかなぐり捨てて。
別人のように乱れる妻に。
うす汚れた日常は、まがまがしくも眩い光芒に包まれる。
太ももに浮いた、筋肉が。
ばたつく脚の悩ましげなくねりが。
シーツに乱れた黒髪が。
裂き散らされたブラウス、ストッキングが。
目のまえで放出される粘液よりもねばっこく、
網膜を妖しく、彩ってゆく。

ああ、そうだったのか。
半開きになった、向かい側の扉。
その扉の隙間から見えるのは、息子の眼―――。
父もきっと、気づいていたのだな。
振り返ると写真立てにおさまった夫婦は仲睦まじく寄り添いながら。
笑んだ顔が気のせいか、いつもより悪戯っぽく輝いている。
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