FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

吸血マンション ~弐号室~ 住人 丹川優一 めぐみ 優香(2)

2019年10月21日(Mon) 04:17:34

秘書室は美人ぞろいでしたからね、もともと彼に狙われていた子も多かったんです。
それで、役目柄ぼくが、彼女たちとの仲を取り持ってやったんです。
けっきょく、秘書室の子は全員、血を吸われちゃいました。
それがぼくの業績といえば、言えなくもないんですが・・・
でも基本的には彼女たちが美人だったからお目にとまっただけで、ぼくはちょっとお手伝いをしただけ――
それが今度は、家内の血も吸いたいって言われたんです。
いわば家内も秘書さんたちと同列に視てくれたわけで・・・それで、その時もお手伝いをすることにしました。
応援してあげたくなっちゃったんですね、家内に対する彼の恋を。
もちろん、単なる性欲を満足させるためだけだったのかもしれないけれど、ぼくにとっては大切な家内ですから――
他人事にはしていられませんでした。
それで、ぼくの血を全部吸い取ってもらって、いちどお墓に入ることにしたんです。
家内もぼくがいたら、吸血鬼との恋なんてしづらいだろうって思ったんですよ。

ですから、家内が初めて犯された”決定的瞬間”なるものは、視ていません。
視ないほうが良いのだって、言われました。
だって、吸血鬼に血を狙われてるんですよ。
さいしょのときは、悲鳴をあげて逃げまどったり、泣きじゃくりながらねじ伏せられて服を剥ぎ取られたりするんです。かわいそうじゃないですか。
もちろん今では、そうはいってもぼくのために定説を必死で守り抜こうとしているところを、見守ってやるべきだったかも・・・って思うことはありますが。
それはすべてがめでたく成就した後だから、そう思えるものなのかもしれないですね・・・

奥さんのことは、うちの家内が取り持ったんです。どうもすみません。
でも家内も、悪気があったわけではないんですよ。
自分の身に起こった愉しいこと、嬉しいことを、親しくしていただいている奥さまに、素直に伝えたかっただけだと思うんです。
貴方にも――吸血鬼に奥さんを寝取られたことを、誇りに感じてもらえると嬉しいんですがねえ。

市間々さんは、そのときのことをよどみなく語った。
それにしても。
市間々さんの場合は、かりにもご主人がなくなった後という”自由の身”という立場が、奥さんの背中を押したのかもしれない。
けれどもめぐみの場合、わたしという夫がいながら不貞を働いたのである。
さいしょは強いられた行為だったかもしれないが、二回目以降は自分の意思で逢っている。
そこがどうにも、不当な仕打ちを受けたという気がしてならなかった。

奥さんを責めてはいけません。

市間々さんは、わたしの心のなかを見とおすようなことをいった。
いっそ、かれにぶつけてみたらどうですか・・・?と。
前の記事
吸血マンション ~弐号室~ 住人 丹川優一 めぐみ 優香(3)
次の記事
吸血マンション ~弐号室~ 住人 丹川優一 めぐみ 優香

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/3871-a346a54a