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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ほら、きょうの分。 ~奥さんのストッキングを一足、つごうしてくれないか? 後日譚~

2019年11月11日(Mon) 07:30:58

目のまえにぶら下げられた、淡いグレーのストッキングは、
心持ちふやけていたが、もとの持ち主の脚の形をまだ残していた。
「奥さんのストッキング。きのうゲットした」
ヒロシは本人の脚を撫でさするように、いとしげにストッキングを愛撫する。
目の前で妻の脚をまさぐられているような錯覚を、俺は覚えた。

「これね」と、ヒロシは言い足す。
「最初の戦利品」
え?どういうこと?
訊き返す俺に、ヒロシはいった。

最初にせがまれたのは、妻のストッキングを一足。
ナイショで開けた箪笥の抽斗から、どこでも見かける肌色のやつをみつくろって、手渡してやった。
折り返し「返すね」と渡されたのは、淡いグレーのストッキング。
「夕べ本人の脚から抜き取った」
と、やつは抜かしたものだ。
そう。
俺がせがまれたのは、妻のストッキングだけではない。
ストッキングの持ち主の肉体までも、共有したいとせがまれたのだ。
同意のしるしが、妻の箪笥の抽斗からくすねたストッキングを手渡すという行為。
無意識に、すべてをわかったうえで、俺は応えていたのかも。
俺の妻を犯したいという願望をめでたく成就させたヒロシの横顔を、眩しく盗み見ていた。

返されたストッキングは、夕べなにが起きたのか俺は知っていると伝えるために、
妻の目につくように、部屋の屑籠に放り込んだはず。
妻はそれをふたたび脚に通して、恥知らずな訪問を重ねてきたということなのか。
「ウン。恥知らずだったよ。ベッドのうえで」
やつはヌケヌケとそう自慢をこいて、俺はひそかに股間を逆立てていた。
それでも俺は、やつにせがまれていた黒のストッキングを妻の箪笥の抽斗から抜き取って、
やつに手渡すのを忘れない。
「ほら、きょうの分」
さりげなく発したつもりの語尾が、きょうも妖しく震えていた。
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握り合う掌。
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