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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

偽装された宴

2019年11月19日(Tue) 08:02:16

当地に棲みつく吸血鬼は、ご婦人の脚を咬むのがお好き。
それも、ストッキングを上品に穿きこなした脚がお好き。
だから、この街の結婚式場は、きょうも吸血鬼で大賑わい。

あちらこちら、そこかしこに、ご婦人方の悲鳴が響き、
赤いじゅうたんの上で着飾ったスーツやワンピース姿が四つん這いになって、
鷲づかみにしてくる物欲しげな掌に足首を抑えつけられ、好色で卑猥な唇をふくらはぎに這わされて、
ストッキングをブチブチと引き裂かれながら、生き血を吸い取られてゆく。
同伴してきた夫たちは、ただうろたえて右往左往するばかり。
けれどもそんな彼らも、恥ずかしいことに。
妻たちの受難を、目で愉しみ始めてしまっている。

妻の友人の結婚式に、新婚三か月の妻といっしょに出席したのが始まりだった。
花婿よりも吸血鬼に魅せられはじめた新婦が、吸血鬼の仲間たちに自分の友人たちを紹介させるために企てた、邪悪な宴。
そのなかで妻は一人の吸血鬼に見染められて、先に生き血を飲ませる羽目になったぼくの前――
ピンクのスーツの奥深く秘めていた貞操を、シャンデリアの眩い照明の下に、さらけ出していった。

妻を征服した吸血鬼を心から称賛してしまったわたしは、新婦の称賛を勝ち得ることになって。
その後もしばしば、偽装された宴にエキストラのように参加しつづけた。もちろん、夫婦連れだって。
初めての人たちがあげるしんけんな悲鳴に合わせて、
妻も吸血鬼の愛人の腕のなか、黄色い声をあげてはしゃぎつづける。
好んで脚にしゃぶりつき、ストッキングを咬み剥いでいく吸血鬼に、ぼくはささやいた。
妻のストッキング代くらい、ぼくが稼ぎますからと――
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