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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

偽装された宴 ~母も。~

2019年11月19日(Tue) 08:17:37

うら若いご婦人の脚に好んで咬みつく吸血鬼に、妻を咬まれてしまったぼく。
妻のストッキング代は、ぼくが稼ぎますから――と。そんな安請け合いをしてしまったけれど。
妻はそんなぼくのためにも、良い妻でい続けてくれて。
そして、あんな吸血鬼のためにも、忠実な愛人として、ぼくを裏切りつづけている。

そんな日々を重ねるうちに。
ぼくは妻のストッキング代だけではなくて、母のストッキング代まで稼がなければならなくなった。
若夫婦の妖しい宴に巻き込まれて、
黒のストッキング目当ての吸血鬼に、法事帰りの喪服姿を愉しまれてしまったのだ。

母でさえ。
老いさらばえた彼らにしたら、「うら若いご婦人」だったのだ。
母は確かに若返って、若作りのスーツ姿でやって来ては、我が家のリビングを濡れ場にした。
「お洋服代くらい、自前で持つわ。お金には不自由してないから」という母に。
せめてこれくらい罪滅ぼしさせてよと、ストッキング代だけは持たせてもらった。
母は「ストッキング代って、なんかいやらしいわね」といいながら、ぼくの罪滅ぼしを受け容れてくれた。

けれどもやがて、それは父の知るところとなって、
怒りに触れた母は実家を出てぼくたち夫婦と同居。
白昼のわが家では、妻も辟易するほどの濃艶な濡れ場が、公然とくり広げられた。
けっきょく父が折れて、母は再び実家に戻り、母は自宅から吸血鬼のもとに通うようになっていた。

これからは、母さんのストッキング代も、衣装代も、父さんが稼ぐから。
父は仕方なげに、苦笑する。
けれどもその実、父もまた出かけ支度をしているのを、ぼくは気づかないふりをした。

服フェチな吸血鬼のため、きょうも着飾っていそいそと出かけてゆく母。
長年連れ添った妻が不倫に耽るのを、寛大にも許す父。

ぼくたち親子は、いったいどこまで似たのだろう?
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