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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

入ってもだいじょうぶ?

2019年12月02日(Mon) 08:09:35

りぃん・・・ろぉん・・・

インターホンが鳴った。
怜子はハッとわれに返って顔をあげ、「いけない」と呟いた。
そして、自分の上にいる男の頬を両掌で抑えるようにして、
「主人が帰ってきた」
といった。
「そのようだね」
男はヌケヌケと囁きかえすと、自分を追いのけるようにする怜子のうえから起き上がって、
居直るようにしてベッドに腰かけた。
着乱れたブラウスの襟首を直し、めくれあがったスカートのすそを乱暴に直したけれど。
丈の短いスカートから覗く太ももには、引き剥がれたストッキングが、ふしだらな裂け目を露骨に走らせていた。

なかの事情を怜子の夫はよく心得ているらしい。
「入ってもだいじょうぶ?」
玄関からそんな声が伝わってくる。
「エエ、もちろん。おかえりなさい」
怜子は妻らしい言葉遣いに戻って、夫の鞄をかいがいしく受け取って、スーツのジャケットまで脱がせているらしい。
妻が異様に面倒見が良いときは、情事のすぐあとか、ことによると真っ最中か――
怜子の夫はそんなところまで、よく心得ていた。
「寝室、入る・・・?」
ためらいながら訊いてくる妻に、「着替えるからね」と夫は明るくこたえた。
情事のいちぶしじゅうをそのままにしたベッドが、彼の視界に入ったとき。
素早く後ろに回り込んだ情夫は、夫の首すじを咬んでいた。
アアーッ
悲鳴をあげる夫がみるみる血の気を失くしてその場に倒れるのを、怜子は息をのんで見守っている。

ハハハ・・・
オホホ・・・
ククク・・・
フフフ・・・

寝室からはひっきりなしに、自分の妻と妻の情婦との交歓の囁きが洩れてくる。
怜子の夫がわれに返ったとき、自分が寝室ではなくリビングのソファに横たえられていることに気がついた。
「夫婦の寝室では、邪魔者扱いか~」
洩らしたため息には、悲壮感も暗さもない。
怜子が初めて吸血鬼に襲われ犯されたときも、
「ものの見事に姦られちゃったみたいですね」
と、さいごにはノリノリで相手をしてしまった若い妻を咎めもせずに口にしたものだ。
まるで、球技のライバルに見事なゴールをキメられたときのような、場違いなくらい清々しい笑顔をしていた。
吸血鬼は、モノにした女の夫のことを、好ましい男だと思った。
ふたりの間には、憎しみの代わりに、同じ女を愛するもの同士の友情が生まれた。

怜子の夫は、ふと視線を奥の間に転じていた。
そこには人の気配があった。
起きあがって覗いてみると。
そこには自分の母が、あお向けになって倒れていた。
そりの合わない嫁のふしだらを咎めに来たのだろうか?
ワンピース姿の母はぼう然と白目を剥いて気絶していて、
ストッキングを片方、脱がされていた。
おそるおそるの掌が、ワンピースのすそをたくし上げていた。
いま妻の身体の奥に注ぎ込まれているのと同じ粘液が、まだぬらぬらと生々しく光っていた。
「嫁さんを姦られるよりも――母さんを姦られたほうが致命傷だったかな」
妻のみならず母親までも犯された男は、瞳に妖しい翳りを泛べ、
そして気絶している母親のうえに、息荒くのしかかっていった。
気絶していたはずの母親の肢体が身じろぎをして、脚を開き息子の背中に腕をまわすのを、
息子はなんの違和感もなく受け止めてゆく――
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