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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

「代わりにうちの娘を、好きにして良いからな」 拡がる”懇親”の輪。

2019年12月26日(Thu) 07:19:27

「奥さんを寝取らせてくれてありがとう。代わりにうちの娘を好きにして良いからな」
隣家の男はそういってわたしの家に上がり込み、夫婦の寝室にまっしぐらに突進した。
勤めから帰宅すると。
男は玄関先で、わたしのことを待ち構えていた。
家に入って待っていればよいものを、「ご亭主の許可なしに上がり込むわけにいかない」と、妙なところで律儀だった。
引っ越してきてわずか一週間。
妻は隣家に棲むこの男の所有物(もの)になっていた。

買い物帰りに待ち伏せされたのだという。
自宅近くの公園に引きずってゆかれ、植え込みのかげに引きずり込まれて、スカートをたくしあげられていったという。
あとで訊いたら、「都会育ちの奥さんの、ストッキングを穿いた脚に夢中になった」と、わけのわからないことを言われたという。
湧き上がる性欲を即物的に満足させるためだけでは、なかったらしい。
本気で妻のことを、気に入ったらしい。
来る日も来る日も誘われて、そのくせ事後にたどる帰り道には、重たい買い物を独りで抱えてくれたという。
ショッピングには消極的なあなたとは正反対ね、と、妻はいった。
わたしが激怒しないと見越してしまうと、妻はあっけらかんと、なんでも話して聞かせてくれた。
「夫婦のあいだで秘密を持ちたくない」というのがかねての持論だったとしても、
浮気の顛末まで、こうもあけすけに語るものなのだろうか?
当の裏切られた旦那様(わたしのこと)の目のまえで。

「不面目じゃないのよ、必ずしも」と、妻はわたしの立場を弁護する。
「じつはあの人もね、奥さんをべつの人に寝取られてるの」
えっ!?と訊き返すわたしに、「興味ある?」と上目遣いをすると、頼みもしないのに語ってくれた。
あちらのご夫婦はお見合い結婚で、地元同士の間柄だった。
親同士も良く知っている関係で、子供が大きくなるまでは、ごくふつうの仲の好い夫婦だったが、奥さんが突然浮気をするようになったという。
相手は夫婦共通の幼なじみだった。
本当は彼も奥さんのことを好きだったけれど、家の関係でどうしてもあきらめなければならなかったのだ。
結婚前にその話を聞かされた彼は、幼なじみに婚約者の純潔を譲ることにした。
祝言の前夜、2人は結ばれて、以後はきっぱりと関係を絶っていたのだが。
やがて年を経ても独身を続ける幼なじみのため、奥さんは料理を作りにしばしば家を空けるようになったという。
いまは夫も認める「通い妻」。
それでもご主人は文句もいわず、幼なじみとの恋を見守ってきたという。
ちょうどそこにおあつらえ向きに表れたのが、わたしの妻だったというわけ――

買い物帰りのワンピース姿を餌食にされた妻は、次の日はよそ行きのスーツを餌食にされ、そのまた次の日は、ブラックフォーマルを着込んで公園に連れ込まれていった。
都会ふうの装いにほれ込んだという田舎の男性のため、持っていた服を次々と、男の餌食にさせていったというわけだ。
幼なじみとのアツアツの恋を見つめてきたという男と同じように、
わたしは長年連れ添った妻と地元の男との、熱々の恋を見守らされるはめになった。

口先では「また犯された」と訴える妻。
けれどもその口調は自慢げで、嫌悪感はかけらもない。
認めてほしいのだ。いくら鈍感なわたしでも、わかった。
わたしは受話器を取ると、妻から教わった男の家の電話番号を押して、男に告げた。
「いつでもいらっしゃい、わたしがいても構わないから」
妻が後ろから甘えるように抱きついてきて、わたしたち夫婦は久しぶりに熱い夜を過ごした――

それ以来。
男はいそいそと通ってくる。
わたしがリビングにいるときは、二階にある夫婦の寝室でしてもらっていたけれど。
やがて湧き上がる関心を抑えきれなくなって、こっそりとのぞき見するようになっていた。
習慣となってしまった恥ずかしい行為を二人は咎めもせずに、
わたしが覗いていると気がつくと、これ見よがしに「あなた~許して」「主人のよりも大きいっ」と、わざとわたしをそそるようなことを口走るようになった。

「代わりにうちの娘を好きにして良い」という男の約束も、律儀に守られた。
「だんなさん、うちさ上がり込んでくれ。娘は二階の勉強部屋だ」
男は言い捨てるなり、いつも通りに夫婦の寝室に突進する。
いつもと違ったのは、着飾った妻がベッドで待ち受ける部屋のドアを開ける前、こちらを振り向いたことだ。
「きっとだぞ」
念押しされた。

行ってみないわけには、いかなくなった。
インタホンを押しても応えはなかったが、門も玄関も、施錠はされていなかった。
いたって平穏な街なのだ――不倫や近親相姦が横行しているというだけで。
玄関のドアを開けると、家には人けがなかった。
古びてはいるが穏やかで、住み心地のよさそうな気配があった。
奥さんは朝から、浮気に出かけているらしい。
浮気を続けているといっても、所帯持ちはよいときかされていたが、きっとそういうことなのだろう。
階段の上は明るく、まっすぐには見えなかったが、勉強部屋には人の気配がした。
わたしはゆっくりと、階段を踏みしめて、あがっていった。
ドアをノックすると、娘が顔を出した。
まだ稚なさの残る顔だちだった。
娘さんはわたしとは目線を合わせず、ひと言だけ「どうぞ」というと、そっけなくドアのそばから離れた。
娘さんに引き込まれるようにして、わたしは部屋に入った。
女の子の匂いのする部屋だと思った。
学校帰りらしく、まだ制服姿だった。
濃紺の地味な制服のスカートのすそから、黒のストッキングに染まった足首が見えた。
男の子が女子生徒のかっこうをしているようだ、と、ふと思った。
娘さんはショートカットで、ボーイッシュな顔立ちだった。
わたしはやおら娘さんを抱きすくめたが、抵抗はされなかった。
唇を合わせると、応えてくる。
胸をまさぐると、嫌そうに身じろぎしたが、声をあげることも、それ以上抗うこともしなかった。
わななく掌がブラウスの胸ひもをほどき、釦をひとつひとつ外して、
はぐりあげた重たいスカートの奥から、黒のストッキングをずり降ろしていった。
狭くて静かな部屋のなか。
はずんだ呼気どうしがぶつかり合い、わたしは娘さんとガチガチ歯を合わせながら、接吻を重ねた。
娘さんは身を固くしていたが、どうやら男あしらいに慣れているようだった。
自分からパンツを脱いで、ストッキングを片方脱がされた足首までずり落としていった。
娘さんはすでに、男を識っていた。

狂ったような日常が続いた。
わたしは妻を伴って男の家を訪れて、隣同士の部屋でお互いの妻と娘とをむさぼり合った。
奥さんにべつの浮気相手がいるのが、かえって好都合なくらいだった。
昼日中からくり広げる、まるでエッチなビデオのような日常に、わたしは溺れた――

「学校を出たらすぐ、この子は結婚する。あんたのことは、婿さんにも話してあるから、遠慮せずに新居に遊びにいくがええ」
男はそういって、娘さんが結婚してからも付き合うよう、わたしに勧めた。
妻との縁を切られたくない――そんな下心が透けて見えた。
それにしても。
「婿さんにも話してある」とは、どういうことか?
遊びに行くといっても、親戚づきあいで行くわけではない。
結婚を控えた若い男性が、新妻を犯されることまで承知しているとは、とても思えなかった。
けれども、男のいったとおりだった。

「あなたが比奈さんのお相手なんですね。話は比奈さんからも、お父さんからも聴いています」
その青年は爽やかに笑って、白い歯をみせた。
「どうそうちにいらしてください。このあたりでは、客人に妻を抱かせるのが、最高のもてなしなんですよ」
ひっそりとづづけられてきた永年の淫らなしきたりが、彼の中で抵抗なく身についているのを感じた。
「それとね、知っていますか?比奈さんの初体験のお相手は、ほかでもないお父さんなんですよ」
青年は、イタズラっぽく笑った。

比奈さんが結婚すると、わたしは二人の新居にいそいそと通うようになった。
お婿さんはわたしのことを歓迎してくれて、落ち着いたころを見計らって、「ちょっと出てくる」といって長時間中座するのがつねだった。
夫を送り出すと比奈さんは、セーターを脱ぎ、ブラウスを脱いで、ブラジャー一枚の胸を見せつける。
ブラジャーをほどくのは、わたしの役目だった。
スカート一枚になった新妻が、夫以外の四十男を相手に、四つん這いになって乳房を揺らす。
静かな部屋で弾ませる息遣いは、焔を帯びていた。

わたしの留守とは入れ違いに、男は妻を抱きにわたしの家に来ていた。
都会妻を隷属させて狂わせて、たっぷり2時間あまりも愛し抜いてから、浮気に出かけた妻が留守にしている隣家に帰ってゆくという。
妻もわたしも、満ち足りたひとときを過ごして、わたしの帰宅後夫婦の時間を過ごした。
都会にいるときよりも営みは頻繁で、熱いものになっていた。
人の膚を交えると、こういうことになるのか――わたしたちは、変態夫婦なのか?
ふとかすめた疑問を、男は一笑に付した。
「なにごともご縁だからな」
男はそう言うと、指先を合わせて乳首を揉むような手つきをした。
妻の肉体を支配した掌だった。
男の指の間に、妻の乳首が透けてみえるような気がしたけれど。
決して悔しさも恥ずかしさも感じなかった。

そんなに頻繁ではないけれど。
都会住まいの夫婦が、ちらほらと移り住んでくる。
そして、だれかれとなくそうした新来の夫婦に接触して、やり取りを交わし、誘惑していった。
妻も娘も、夫や息子までも、目当てにされた。
この街は両刀遣いだったから。
「器用なものだね」
あきれるわたしに、男はいった。
「ご親類がみえられたら、ぜひ紹介してほしい。悪いようにはしない」
それはお断りですね、と、わたしがいうと、
「迷惑はかけない。あんたのせいにはならない。泊る家も用意する」
しつこく迫られて、閉口した。
男は、妻のことをまた貸ししてしまったと告白した。
相手は自分の奥さんを抱かせているのとは別の、幼なじみだという。
妻から電話があって、「今夜は戻らない」という。
すべてを聞かされたわたしは、「何もかも知っている」ということを語気で伝えて、「ゆっくり楽しんできなさい」とこたえていた。
その晩わたしは、初めてこの男と寝た。
そしてひと晩がかりで、妻がなんなく堕ちてしまった理由を体感した。
「婿さんとも一度寝て、娘を満足させられる身体かどうか確かめた」という。
この街は狂っている。そう思った。
もっとも、わたしたち夫婦も、すでに狂わされていた。
兄夫婦が、泊りで遊びに来たいと連絡をよこした。
一度は断ったが、やはりどうしてもといわれた。
わたしは、兄夫婦が泊りで来ることを、男に告げた。

一か月後、やってきた兄夫婦は、楽しい夜を過ごした。
さいしょのうちは、弟夫婦と、地元で親しくなったという隣家の年配の男性と、5人で楽しく飲んでいた。
兄嫁は、都会妻らしく、洗練されたデザインのワンピース姿だった。
ひざ丈のワンピースのすそからは、ストッキングを穿いた豊かなふくらはぎが伸びていた。
男の目が獣の輝きを帯びたのを、わたしは見て見ぬふりを決め込んでいた。
夜中を過ぎると、妻が兄を誘惑して、男が兄嫁を押し倒していた。
ねじ伏せられた兄嫁が、男の手でストッキングを脱がされてゆくのを、
兄は当惑したように見つめていたけれど。
弟の前で弟の嫁を抱いてしまった後ろめたさが、すべてを封印させていた。
夜が明けると、兄は自分の妻を犯した男におはようを言い、男もてらいなく応えていた。
兄嫁は自分を犯した男の前で長い髪を揺らして、「おはようございます」と、兄よりも礼儀正しくあいさつをした。
「楽しいからもう少しいましょうよ」と告げる美しい妻に、兄は口ごもりながらも同意していた。
一週間滞在した兄夫婦は、やがてこの街に移り住んだ。
覚え込まされた快感を、兄嫁が忘れられなくなってしまったためだった。

妻の弟夫婦も、同じ経緯で餌食になった。
そしてわたしの両親も、同年代であるこの男の餌食になった。
母にはむしろ、男の娘婿のほうが、ご執心だった。
母親に大勢の浮気相手がいたというお婿さんは、母親不在の家に育ち、若い女よりもむしろ、母親世代の婦人に心を惹かれるらしかった。
母もそんなお婿さんを気の毒に思い、積極的に振る舞った。
父はなにも言わなかったが、そんな母の振舞いを不平に思っているようすはなかった。
お婿さんが提供してくれた若妻のぴちぴちした肉体に、夢中になってしまった後ろめたさもあるようだったけれど、
もしかすると、似た者親子なのかもしれなかった。
他の男相手にあえぐ妻を覗く歓びを、伝えたつもりはなかったのだけれど。

妻を食べられて、相手の娘を食べて、兄嫁を食べさせて、母までも賞味させていた。
わたし自身は、男とも、お婿さんともつながっていたし、
母も兄嫁も、男とも、お婿さんとも良い仲になっていた。
だれもがそれぞれの歓びを抱きながら、懇親の輪はいまも、拡がっている――


あとがき
しょうしょう長すぎましたね。(^^ゞ
さいしょの文句がふと浮かび、そこから速かったです。A^^;
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