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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

キッチン・ドリンキング  ~エプロン妻の日常~

2019年12月26日(Thu) 07:37:26

「キッチン・ドランカー」といえば、料理の最中に飲んでしまう主婦のこと。
けれども、この街での通用言葉「キッチン・ドリンキング」は、ひと味ちがう。
家事にいそしんでいる主婦が吸血鬼に襲われて、エプロン姿のまま血を吸い取られてしまうこと。
この街では、よくある出来事のひとつに過ぎない。

エプロンに血を撥ねかせて吸血されたあと。
主婦たちは例外なく、犯されてしまう。
むさぼり合った末またの再会を約したあと。
主婦たちは罪滅ぼしにと、帰宅してくる夫のため、夕食を豪勢にするという。

勤めから戻って、待ち受けていた豪勢な夕食を目にすると。
夫は自分の留守宅でなにが起きたのかを、すぐにさとる。
けれども賢明で慎重な夫たちは、決してそのことを口にはしない。
そして、賢明で大胆な妻たちは、優しく理解ある夫のため、エプロンを締めていそいそと給仕をして、
ベッドのうえでは、ネグリジェの下にセクシィな下着を身にまとう。
締めたエプロンは、昼間に重ねた情事を識っている。
身にまとわれた下着には、情夫の淫らな汗がしみ込まされている。
夫たちはそれと知りながら、ひと晩じゅう妻を愛し抜く。
俺の方がイイ男だろう?と言わんばかりに。

一夜が明けると。
エプロンを締めた主婦たちは、朝の支度を終えると、夫の運転する自家用車に、いそいそと乗り込んでゆく。
行き先は、吸血鬼の住処。
夫はそこでなにが行われるかを知りながら、マイカー出勤の途中、妻だけを邸の前におろす。
張り切ってエプロンを締めてきた主婦たちは、お料理をしない。
自らの体内をめぐる血液こそが、きょうのご馳走――
そして、貪婪な欲望のまえ、血液だけではなく、貞操までも、むさぼらせてしまう。
マイカーで送ってくれた夫たちは、もうそれ以上ハンドルを握ることはできない。
理性を奪われてしまうからだ。
近場の駐車場に車を停めると、夫たちは、わざと錠の外された扉を開いて邸のなかに入り込み、
淫らな腕から自分の妻を救い出す毅然たる義務を放棄して、ふたりの情事を目の当たりに昂りを隠せない。
そして、体調不良による欠勤の連絡を勤め先に入れると、そのまま寝室に引きずり込まれて行って、
目のまえで自分を裏切りつづける妻の痴態を、一日がかりで見せつけられる羽目に遭う。

夫を勤めに送り出すと。
妻たちは張り切って、エプロンを着ける。
きょうも一日、所帯持ちのよい主婦として家事に励むため。
きょうもこれから、訪ねてくる淫らな客人を、人妻として満足させるため。
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