FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

許された逢引き。

2020年01月07日(Tue) 08:07:30

くぐもったような電話機の音が、部屋に鳴り響いた。
「あなたじゃない?」
母の気づかわしそうな声。
エプロンの下のスカートは、裏地を父以外の男の粘液で濡らされているはず。
その相手が誰だかを、父も俺も良く知っているけれど――あえて口には出さない。
受話器を取ると、父も俺もヤツの仕業――と思っているその本人の声が響いた。
「お袋さん、ご馳走様。久しぶりのよそ行きのスーツ、美味しかった」
「よけいなこと言うなよ」と、わたし。
「ところでさ」
彼は改まった声で、いった。
さっき、俺がこの街に初めて連れてきた婚約者の首すじを、咬んだばかりの男。
今朝お袋を襲って、夕方には彼女を咬んでいった。
お風呂と妹で母娘丼を楽しんだ男は、こんそは嫁姑を二人ながら愉しもうとしている。
そんなシチュエーションに昂りを憶えて、協力者になってしまう、不埒な俺――
「夜10時。〇時△分、ホテル××801号室。来てほしい」
それは、遠方から訪問してきた彼女が独り泊った部屋だった。

わざと半開きにされている、部屋のドアごしに。
「ああ・・・っ、ああ・・・っ、ああ・・・っ・・・」
悩ましい声がひめやかに洩れてくる。
ドアのなかを恐る恐る覗くと、そこに佇むのは昼間のワンピース姿のままの彼女。
吸血鬼の熱っぽい抱擁に身をゆだね、まつ毛を震わせて、
だらしなく半開きにした可愛い口許から、悩ましいうめき声を洩らしている。

「えっ・・・?」
抱擁を解かれてこちらを見た彼女は、俺を見て身をすくめた。
「わかってくれてるから大丈夫」
ヤツはもの慣れたようすで、とっさに彼女を黙らせる。
友人の彼女や婚約者、妻を次々と堕とした男だ。
俺のフィアンセは、なん人めになるのだろう?

足許に唇を近寄せるヤツを前に、おずおずと脚を差し伸べる彼女。
ストッキングを破らせながら、吸血される歓びに目ざめていった。
そして俺も、彼女を吸血される歓びに、目ざめていった。

未来の花嫁の純潔さえ捧げ抜いた一夜。
代わりばんこに血を吸われた俺たちは、幼なじみの奴隷と化して、朝を迎える。
前の記事
競技のあとで。
次の記事
ライン。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/3925-645c9093