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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

脚と唇。

2020年01月14日(Tue) 06:57:21

達也の顔色が、日ごとに悪くなってきている。
頻繁な吸血を受けながらの日常――それはスポーツ少年である彼にとっても、かなりの負担を強いられる行為だった。
「顔色、蒼いぜ」
保嗣にそういわれても、達也は笑ってこたえるだけだった。
おそろいの制服の半ズボンの下は、おそろいの濃いグリーンのストッキング。
通学用のグレーや紺のストッキングではなく、きょうは達也の試合用のストッキングを履いて、2人ながら吸血鬼に奉仕をしたのだ。

筋肉質で引き締まった達也の脚も。
透き通るように色が白くきめ細やかな皮膚に覆われた保嗣の脚も。
代わりばんこに咬まれては、吸血鬼の牙と唇とを愉しませてゆく。
わざとあげるうめき声も、吸血鬼の耳に小気味よく響いたはず。
「まるで、娼婦になった気分だな」
達也はそういったけれど、それは保嗣の実感でもあった。

血を抜かれたあとの身体はひどくけだるかったが、
それでも美味しそうに吸い上げられるときのあのえもいわれない感触は、
抱きすくめられまさぐり尽くされたときのあの掌のいやらしい感触は、
まだ二人の若い肢体に淡い疼きとともに残っている。
ふたりは自然に、身体を重ね合わせていた。

「きっと、ぼくのほうが先に吸い尽くされるな」
達也はいった。
保嗣も、たぶんそうなるだろうと内心おもった。
「スポーツで鍛えた血は、美味しいんだろうね」
保嗣は達也の不吉な予言には直接こたえずに、そういった。
それからちょっと考えて、つけ加える――
「もしも達也が吸血鬼になったら、ぼくの血を吸っていいからね」
ふたりは顔を見合わせると、どちらからともなく唇を近寄せ合って、重ね合わせてゆく。

初めての接吻だった。
吸血鬼に強いられたことは、いままでなん度もあるけれど。
重ね合わせた唇は、結び合わされたように密着して、いちど離れてもまた残り惜しげに、再び吸い合ってゆく。

股間の疼きをこらえかねて、お互いに相手の半ズボンのチャックを降ろし、ショーツの中身をまさぐり合うと、
先に保嗣が達也の勃った一物を口に含み、つぎに達也が保嗣のそれを強く吸った。
吸血鬼に吸われるような感覚だと、保嗣は白く濁った熱情を口に含まれながらおもった。
近い将来。
達也は吸血鬼となって、保嗣を襲うのだろう。
その日が楽しみだ――失血に蒼ざめていた白い皮膚に赤みを取り戻しかけた少年は、せつじつにそう思っていた。
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