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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

親友の血。

2020年01月14日(Tue) 07:06:12

「顔色、良くないな」
背後から吸血鬼の声がした。
達也がふり返ると、彼は口許から、まだ吸い取ったばかりの血のりを生々しく滴らせている。
保嗣を襲ってきたのだろう。
「顔色良くなったね、小父さん」
達也はそういって、吸血鬼をからかった。
吸血鬼は乾いた笑い声で、達也の揶揄に応じてゆく。
ふたりの間に流れる気安い空気が、そこにはあった。

「昨日は吸い過ぎだよ」
達也は人間の血を好む同性の恋人をたしなめた。
試合の直後に襲われて、思う存分むしり取られたのだ。
「プレー中の動きが凄く良くてな、つい、試合後のプレイにまで、熱が入ったのだよ」
草むらに引きずり込まれて、濃いグリーンのストッキングの脚をじたばたさせながら、自身も快楽の坩堝に溺れていった記憶が、
小気味よく脳裏によみがえる。

「ちょっと唇を貸せ」
吸血鬼はいった。
接吻をするときのぞんざいな言い草に、達也は従順に応じる。
迫ってくる口許には、まだ保嗣の血の芳香がほのかに漂っていた。
うっ・・・
むせ返るような衝動に、達也はうめいた。
そして、重ね合わされてくる唇を、夢中になって吸い返していた。
圧しあてられた唇を通して、吸い取られていったばかりの保嗣の血が含まされてくるのを、達也は陶然としながら飲み込んでいった。

初めて喫った保嗣の血は、ひどく美味に感じられた。
「今度は、本人から直接もらうと良い――許可は得ているのだろう?」
エエもちろんですよ。
悧巧そうな瞳に艶やかな輝きをよぎらせながらそう応える達也は、すでに別人のように生き返っている。
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