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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

親友の父親。

2020年01月14日(Tue) 08:09:30

畑川くん、ちょっと。
畑川由紀也(40、仮名)を表情を消した上司が呼び止めたのは、その日の夕刻だった。
「息子さんの友だちという人が、きみを訪ねてきているよ」
そう言い捨てて立ち去った上司の陰に隠れていた少年は、由紀也を見てうふふ・・・と笑った。

ふたりはもちろん、面識がある。
達也はしょっちゅう、保嗣の家に遊びに来ていたから。
息子の親友と名乗るこの少年がじつは半吸血鬼で、息子の血を狙っていることを、由紀也は知っている。
都会育ちの畑川家に、周囲の人たちは遠慮がちだったけれど。
吸血鬼社会では畑川家の家族全員の血液をだれが獲るのかは、すでに転居した時点では決められてしまっていた。
もちろん、本人たちの同意もなしに。

達也は息子の保嗣と仲良くなると、友人の一人として家に上がり込むようになり、
やがてその手引きでまず妻の和江が吸血鬼に襲われてたらし込まれてしまったことも、由紀也は視て視ぬふりをしていた。
この街に棲む以上、妻を吸血鬼に襲われて犯されることは、避けては通れない道だった。
家族の血と引き替えに安穏な日常を得ていることに、由紀也は一片の後ろめたさを覚えている。
けれども、都会での暮らしに失敗した彼には――いや、彼の家族全員にとっても――もはや今の安穏さだけが、この世で唯一の居場所になっているのだ。

眼の前に現れた達也は、学校帰りらしく、制服姿だった。
半ズボンにハイソックス――年端もいかない子供の服装だと思い込んでいたけれど。
背丈の伸びた年頃の少年が身にまとうと、こんなことになるのか・・・
由紀也は、ハイソックスに包まれた達也の、女の子のようなしなやかな足許に、ふと欲情をおぼえた。
達也は由紀也の顔色を、気になる男の子の些細な態度の変化を見逃さない女子生徒のような目線で見守りつづけていた。

「どうしたの?まだ仕事中なんだけど」
こうした訪問で、吸血鬼が留守宅に上がり込んでくるタイミングをさりげなく教えてくれることを、由紀也は今までの経験で知っている。
きょうも和江は冒されるのか――
淡い諦念を噛みしめかけると、達也は意外なことをいった。
「きょう伺ったのは、ご挨拶です」
「え?どういうこと?」
「保嗣くんを正式に、ぼくの彼女にすることに決めました」
「えっ」
「明日、保嗣くんの血を吸って、ぼくの奴隷になってもらいます」
息子さんを奴隷にする前に、お父さんに御挨拶に伺ったのです・・・という目の前の少年に、由紀也はいっぺんで理性を奪われた。
いずれはそうなる・・・と、わかってはいたつもりでも。
息子が同性の同級生に彼女にされると宣言されるのは。
魂を抜かれるほどの衝撃だった。

「それはとても迷惑なことだね」
由紀也はわざと傲岸な態度でこたえた。
「きみもよくわかっていると思うけど、保嗣は男の子なんだ。ゆくゆくは彼女ができるものだと思っている。
 なのに、きみも男子だろう?息子を女の子扱いされるのは好ましくないね、先生に相談した方が良いのかな。
 保嗣はうちの跡継ぎなんだし、きみも自重したらどうかね?」
彼のもっともらしい意見を、達也はしゃあしゃあと受け流した。
「きょうはそのお礼に、ぼくが小父さんの相手をしに来てあげたんですよ。上司の人も・・・ほら、帰っちゃったみたいだし」
気がつくと。
勤務先のオフィスにいるのは、由紀也と達也だけになっていた。

ワイシャツの釦を自分から外しはじめた達也の手許を抑えつけて「やめたまえ」といったはずだった。
所がいつの間にか、達也を腰かけていたソファから引きずりおろしてしまっていて、
床のうえで組んづほぐれつをくり返してしまっている。
制服の濃紺の半ズボンを自分の股間から分泌した粘液で濡らしてしまったとき。
息子を犯しているような錯覚を覚えた。
その錯覚が、むしろ由紀也を罪深く刺激した。
彼は女性に対するのと同じような吶喊を、息子の親友であるこの少年に対してくり返していった。

「お掃除、手伝うよ」
達也は気品のある少年の顔つきに戻ると、自分を女として扱った中年男にそういった。
「モップと雑巾はどこ?あ、知ってるわけないよね?ぼく探すから」
そういって達也は素早くモップと雑巾を探してくると、床に散った粘液と血液とを、器用に拭き取っていった。
慣れた手つきだった。
この手で息子の血も拭われたのか。
情事を済ませた後の妻の血も、自宅のフローリングから拭い去られたのか。
この少年が、吸血鬼が和江を犯すときにしばしば立ち会って、アシスタントをしていることも、彼は当の吸血鬼から聞かされていた。

粘液は彼自身のもの。
そして、血液もまた、彼のものだった。
欲望を果たしたあと。
ひと息ついている由紀也にのしかかってきた達也は、首すじに咬みついて由紀也の血を吸った。
由紀也がその場に昏倒すると、スラックスをたくし上げられる感覚を覚えていた。
ふくらはぎを覆う、ストッキング地の濃紺のハイソックスが、淡い毛脛に包まれた中年男の脚を覆っている。
そのうえからまだ稚なさの残る唇が吸いつけられて、舌触りを愉しみ始めるのを自覚すると。
あろうことか彼は、達也が少しでも愉しめるようにと、自分から脚の向きを変えて、応えはじめていったのだ。

貧血になるほど血を吸い取られながらも。
喪われた血の量に、彼は満足を覚えた。
「だいぶ、口に合ったようだね」
「なにしろ、保嗣君のお父さんの血ですからね」
悧巧そうな目の輝きが、いっそう妖しさを増していた。

「いちど、小父さんの靴下を破ってみたかったんです。ストッキングみたいに薄い紳士用の靴下って、初めてだったから」「
「どうだったかね」
「いい感じです。息子さんにも履いてもらいたいです。彼がお父さんの箪笥の抽斗をさぐっても、視て視ぬふりをしてあげてくださいね」
白い歯をみせて笑う少年に、由紀也も笑い返していた。
「気に入ってもらえたのなら、破らせてあげたかいがあるかな。よかったら、もう少し愉しむかね?」
由紀也は用意よく、カバンのなかから穿き替えを取り出しかけている。

引き揚げられたスラックスのすその下。
筋肉の起伏を艶めかしい濃淡に彩ったストッキング地の長靴下が、中年男性の足許を染めている。
笑み崩れた少年の唇が、通勤用の靴下の上を這いまわり、牙で侵して、容赦なく裂け目を拡げてゆくのを、
由紀也はただ、へらへらと笑いながら、嬉し気に見入っていた。
家族で彼の奴隷に堕ちるのも悪くない――
薄れてゆく意識を愉しみながら、彼はさいごまで、口許から笑みを絶やすことはなかった。
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