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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

独り寝の夜

2020年01月24日(Fri) 05:37:31

独り寝の夜だった。
静かな夜が保嗣に訪れるのは珍しい。
たいがいは。
吸血鬼の小父さんか、最近は達也がしのんできて、
保嗣の身体におおいかぶさり、ひっそりと血を吸い、股間をまさぐり、冒してゆく。
お互い熱気を弾ませ合って、嵐が過ぎ去った後、安らかな眠りに落ちてゆく。

今夜は母の安江が、吸血鬼の小父さんに逢うために、エプロンをはずして出かけていった。
どうやら達也も、訪れないらしい。
まさか保嗣自身の父親と勤務先のオフィスで乱れあっているとは、さすがに思いもよらなかったけれど。

今夜はわが身に脈打つ血液を大切に過ごそう。
明日存分に、愉しんでもらうために――


父の帰りが、遅かった。
いっそ、帰ってこないほうが望ましいとさえ、おもった。
母が浮気に出かけている最中に帰宅してくるというのも、なんだか気の毒な気がした。
もしも自分が父さんの立場だったら――
けれども理性を汚染されてしまった保嗣の脳裏には、妻の浮気さえ悦んでしまう異常な夫の姿しか、思い描くことができなかった。

血が騒ぐのを抑えきれない夜。
明日吸血鬼のために捧げる血液がわが身のうちでうずめくのを、保嗣はけんめいに鎮めようとしていた。
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交錯する交わり。
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ふたたびオフィス。

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