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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女装で登校。

2020年03月15日(Sun) 00:35:11

しゃなり、しゃなり、と。
音がまとわりつくように感じた。
初めて女子の制服を身に着けて、玄関を出たときのことだった。
母親の和江に見送られて家を出ると、保嗣はほうっと息をついた。
深呼吸で吸い込んだ冷気が、肺の奥まで沁みとおった。
達也は校門の前で待っている約束だった。
そこまでは、女子のカッコウで一人で歩く。
羞恥プレイみたい・・・と思いながらも。
独り言さえ女言葉になっている自分に気がついて、ちょっと嬉しかった。

いつもの半ズボンと同じように太ももを外気に曝しながらも。
まとわりついてくるスカートのすそが、ひざ小僧のあたりをひどく刺激していた。

見慣れた通学路が、別世界にみえる。
すれ違う人たちのなん人かは、保嗣の正体に気がついたのか、チラと目線を投げてくる。
そのたびにちょっとビクビクしてしまったけれど。
校門で待っている達也のことだけを考えて、保嗣――いや保江は、いっしんに通学路をたどった。

「よう」
達也がにんまりと笑って、こちらに向かって手を振った。
思わず淑やかに、お辞儀で返していた。
揺れるウィッグが頬に触れて、女の姿をしていることをいっそう実感させる。
「似合うじゃん。期待以上♪」
達也のピースサインに「そお?」と、保江は満足そうに笑った。


「起立!」「礼!」で始まる朝礼とホームルームは、いつも通りだった。
暮らしメイトのなん人かは、きのうまでと様変わりした保江のイデタチに、ちょっとびっくりしたように目を見張ったが、傍らの達也を意識してか、からかうものもおらず、声をかけてくるものもいなかった。
周囲の無反応が少しもどかしいくらいに感じていたら、
隣席の田中将人が声をかけてきた。
「やるじゃん。女子になったんだ」
「ああ・・・うん」
ちょっとだけ男言葉に戻りかけながらも、保江はウィッグを揺らして頷いた。
「親とか、反対しなかった?」
「ううん、意外にね、もの分かりよかったよ」
すっかり女のクラスメイトに戻って言葉を返すと、将人もまた、女子と話しているときと同じ態度に終始してゆく。
そのようすを遠くから見守る達也がにんまりするのを背中で感じながら、
彼氏以外の男子とおしゃべりをしているところを視られた気分になっていた。
「ほかの男子とも、どんどんしゃべれよ」
達也が声をかけてきた。
「そうなんだ」
「女子になったのをもっと感じて欲しいからな」
「わかった」
ちょっとだけ湧いた後ろめたい気分が、前向きに回れ右をした。
達也には短い返事だけを返して、保江は傍らの友人に声を投げてゆく。
「城田くーん!」


「よっ」
背中をたたかれて振り向くと、見慣れない男子生徒。
よくみたら、月川ヨシ子が笑っていた。
ショートカットの黒髪がよく似合う十四才。達也の彼女だった。
スポーツマンの達也は、女子にもてた。
そのなかで達也の彼女の座を勝ち取るのは、女子のあいだでも至難だったはず。
もしかすると”恋がたき”になるかもしれない彼女のことを、保江は眩しく感じる。
よく見ると、ヨシ子は一層眩しく見えた。
彼女が身に着けているのは保江とちょうど正反対――男子の制服だったのだ。
「これ、あなたのよ」
意外なことを、ヨシ子はいう。
そういえば。
達也にひとそろい、自分の制服をあげたことを思い出した。
抱かれた後に、着ていた制服をプレゼントしたのだ。
「時々借りてるの。悪く思わないでね」
ヨシ子はクスッと笑い、保江も思わず笑い返していた。
彼女は保江のことを、”恋がたき”ではなく”同志”だと思ってくれているらしい。
伸びやかな脚を覆う紺のハイソックスが、さらに眩しかった。

「行こうか」
かねて約束していたような顔をして、いつの間にか傍らに立っていた達也が声をかけてくる。
声をかけられた範囲に、保江もヨシ子も入っているらしい。
ちょうど授業が始まる間際だった。
他の生徒が着席するなか、廊下に出ていく3人のほうを、教師はわざと見ずに済ませた。

「どこに行くの?」
と問う保江に、
「いいところ」
女子の姿をしている保嗣――保江にすっかりいままで以上の親近感を抱いたらしいヨシ子が、スカートのお尻を叩いた。

誘い入れられた空き教室は、冷え冷えとしていた。
がらんどうな空気の支配しているモノトーンな教室のなか。
ずらりとならんだ机といすが、後ろのほうだけ不自然に片寄せられている。
「あそこがあたしたちの遊び場・・・なのよ」
ヨシ子が保江に耳打ちした。
案の定。
教室の隅に佇む黒い翳は、あの吸血鬼だった。

「やあ」
達也は健全なスポーツ少年の笑顔で吸血鬼に会釈をした。
吸血鬼は眩しそうに、会釈を返した。
「真っ先はぼくだよね?」
そういって半ズボンの下から差し伸べる脚は、球技サークルのユニフォームである、モスグリーンのストッキングに装われている。
「ククク・・・まあそうだね」
吸血鬼の浮かべた笑みに、ヨシ子が「やらしい」と、声をあげる。
少女の呟きを横っ面で受け流しながらも、吸血鬼は目でこたえてゆく。
どうやらヨシ子と吸血鬼も、遠い関係ではないらしい。
それ以外はほとんどわき目もふらず、
吸血鬼は達也の足許にかがみ込むと、運動部のユニフォームの一部に唇を吸いつけ、牙を埋めた。

う・・・っ
達也の眉がこまかく震える。
軽く食いしばった歯がキリキリとなるのが、聞こえるようだった。
吸いつけられた唇の下。
モスグリーンのストッキングにじわじわとしみ込んで拡がってゆく達也の赤い血に、ふたりの少女は目を奪われた。
愛する人の身体に脈打つ血――それはふたりにとって、特別なものだったから。
達也が尻もちをついてしまうと、吸血鬼はふたりの少女を振り返った。
吸い取ったばかりの血が、むき出された牙にあやされていて、それがチラチラと生気を帯びた輝きを秘めていた。
きれい――
少女はふたりとも、異口同音に声をあげた。
ヨシ子は催眠術にかけられたようにふらふらと脚を踏み出して、吸血鬼のほうへと歩み寄った。
そんなヨシ子をしっかりと抱きすくめると。
男はヨシ子の白い首すじに、彼氏の血のついたままの牙を咬み入れた。
じわっ・・・と噴き出す血潮が、ひどく鮮やかに、保江の網膜を染めた。
ブラウスの襟が赤黒く浸されるのもかまわず、少女は吸血鬼に生き血を捧げてゆく。
彼氏である達也は、尻もちをついたまま、恋人が吸血されてゆく様子を、うっとりと見上げてしまっていた。


自分の彼女を吸血鬼に襲わせて、処女の生き血を提供している男子がなん人もいるという。
そのひとりが達也だということを、保江は初めて知った。
両刀使いの達也は、ヨシ子のことも保江とおなじくらい、愛しているに違いない。
そうした愛情と、吸血鬼との仲を認める行為とは、きっと矛盾するものではないのだろう。
ヨシ子を愛しながら、愛するヨシ子を吸血鬼に吸わせる。
保嗣を愛しながら、その保嗣が吸血鬼の毒牙を享ける道すじを、整えてゆく。
愛するがゆえに、吸血鬼に捧げたくなるのだろう。
自分の恋人を吸血鬼に誇ることと、吸血鬼に襲わせることと、
たぶん達也のなかでは矛盾がないのだろう。
「ああーっ」
吸血鬼の腕のなか、ヨシ子が切なげに叫びをあげた。
わざとのような声色に、達也をそそろうとする努力を感じ取った。
けれどもその声色に、本音の快感が秘められていることを、達也も保江も感じ取っている。

「こんどはきみの番――吸い取られてしまったぶんは、きみがくれるんだよ」
達也が生えかけた牙をむき出して、保江に迫る。
「うん、いいよ・・・」
保江は陶然となって、ブラウスの釦を二つ三つ外し、達也の牙を待った。

ちゅうちゅう・・・
きうきう・・・
ふた色の吸血の音が、競い合うように、空虚な教室に響いた。
ひとつはヨシ子を相手にした吸血鬼の口許から。
ひとつは保江を吸いつづける達也の口許から。
お揃いの制服を着た女子生徒――ひとりは男子――は肩を並べ手をつなぎ合って、
吸血鬼たちの貪婪な欲望に、わが身をゆだねていった。


気がつくと。
傍らのヨシ子の姿がなかった。
吸血鬼も、いなくなっていた。
ふたりの行方を気にする間もなく。
「さあ、これからが本番♪」
達也が嬉しそうに、白い歯をみせた。
彼の下肢からは制服の半ズボンが取り去られて、
血をあやしたモスグリーンのストッキング一枚になっていた。
保江はふらふらと起きあがると、達也の太ももを抱いて、股間の一物を口に含んだ。
「ああ・・・いいなぁ・・・夢だったんだ・・・女になった保江に咥えてもらうのが」
恋人の行方など眼中にないように、達也はあらぬことを口走る。
口の中ではじけた一物が、巻きつける舌に応えるように、熱く圧してくる。
ほろ苦い粘液を口に含み、喉に流し込みながら、保江はなおも夢中になって、吸った。

気がつくと、教室の床に組み伏せられていた。
真新しい制服のスカートのすそが拡がり、
そのすき間から、達也のごつごつとしたひざ小僧に脚を押し広げられて、
熱く逆立った一物が、太ももをすべるようにして、スカートの奥へと侵入してくる。
ひざ小僧の下に巻きついたハイソックスの口ゴムの感触を、妙に生々しく感じながら、
保江はその逆立つ一物を、従順に迎え入れた。

いままでもなん度となく重ねてきた行為――
けれども、女子の制服を身に着けての営みは、また別次元のものだった。

ああ。いまこそ達也くんに、あたしの処女を捧げる――
保江は幸福感に充ちた瞳を瞑り、股間への熱い侵入を、淑やかに迎え入れた。

3月13日構想。
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