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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

どきり。

2020年04月26日(Sun) 20:42:14

考えてみれば。
達也も保嗣も、女性の経験がまだなかった。
達也は吸血鬼によって同性の歓びに目ざめ、それを同じ都会育ちの親友の保嗣に教え込んだ。
達也は息子に教え込んだもので、父親の理性まで染めてしまった。
べつに童貞でいたいというわけではなかった。
チャンスがなかっただけだった。

吸血鬼が少年ふたりに囁いた。
お前たち――近いうち女の身体も識るが良い。
保嗣は思わずいった。
「達也君の方が、ぼくより先だと思います」
「そんなことないだろう」
達也は苦笑いをしながら、けれどもまんざらではない様子だった。

翌日吸血鬼は、保嗣を招んで、生き血を存分に愉しむと、いった。
達也がお前の母親を、筆おろしの相手に臨んでいる――と。
「ぼくも賛成です。というか、嬉しいです」
保嗣の口をついてでた言葉は、嘘ではなかった。
けれども半々に、親友に母を犯される苦みもまた、味わっていた。
どす黒い嫉妬にじりじりと下腹部を焦がしながら、保嗣はいった。
「ぼくが橋渡しをしてあげたいです」――と。

保嗣の母は、すでに吸血鬼によって、貞潔を汚されていた。
父に隠れて悦びあう痴情の日々を、保嗣は、知るともなしに知っていた。
いちど起きたことが、もういちど起こるだけ――
そう思いながらも、親友に実の母親を犯される片棒をかつぐことに、少しだけ抵抗を覚えていた。

吸血鬼に吸い取られた血潮を首すじからしたたらせながら家に戻ると、
母親は家でいつものように部屋の整頓やら晩ご飯の支度やらをしていた。
内心の葛藤とは裏腹に、呪わしい誘惑の言葉は、すらすらと口をついて出た。
「達也くんがさ、母さんのこと犯したがってるんだけど、どう思う?」
え?と、母親は顔をあげ、息子のほうを視た。
「あなたはどうなの?」
「達也くん、女の人って、まだなんだ。筆おろしの相手なら、ぼくは母さんをプレゼントしたいと思ってる」
やはり、内心の葛藤とは裏腹に、言葉だけはすらすらとすべり出た。

そう・・・
母親の和江は、悩まし気な目線を畳に落とし、そして言った。
「ヤスくんがいいのなら、母さんそうするけど」
どきり!と保嗣の胸がわなないたのは、そのあとだった。
「ヤスくんが先じゃなくっても、いいの・・・?」

達也君のほうが、ぼくより先だと思うよ・・・
いつかどこかで聞いたセリフだと思いながら。
保嗣はまたも、本心とは裏腹の応えを、すらすらと口にしていた。
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放送の途中ですが 過去記事への拍手♪ ~喪服女装の通夜~

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