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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

勤め帰りの交歓

2020年05月15日(Fri) 08:10:08

※閲覧注意。完全なる同性ものです。^^;


「な、なにをするんだ、きみはッ!? こんなところで恥ずかしくはないのかねっ!?」
勤め帰りの夜道を襲われて。
畑川由紀也(38)は、息子の同級生である吸血鬼・間島達也(14)の肉薄を必死でかわそうとした。
生き血を求めてさまよっていた達也は、獲物を確実に得るために、
親友の父親の帰り道を舌なめずりして待ち伏せしていたのだ。

由紀也の高級なスーツのすそから覗く足首が、濃紺のストッキング地の長靴下に透けている。
その足首を吸おうと、路上に立ちすくむ由紀也の足許に、達也はあたりも憚らずに、かがみ込んだ。
足首をつかまれ、まだ稚なさの残る舌をふるいつけられながら。
由紀也は懸命に、彼のふらちな行為を拒もうとする。

「良い加減にし給えっ!きみは息子の友達じゃないか!」
口ではもっともらしく叱りつけてはいるものの。
薄い靴下ごしに、卑猥にヌメる舌を、チロチロと這わされて。
由紀也の抵抗はみるみるうちに、力の抜けたものになってゆく。
「せめてここでは勘弁してくれ。さ、あっちへ行こう」
折よく、近くには人けのない公園が、暗闇のかなたに沈んでいる。
OKの代わりに達也は、もういちど、卑猥なよだれにまみれたべろで、長靴下の足許をヌルリと舐め味わった。
由紀也は仕方なく、艶めかしく透けた足許を、少しのあいだ達也が愉しむのを許していた。

歩いてすぐの公園のベンチ。
ここを”濡れ場”にするのを、達也はさいしょから目論んでいたに違いない。
由紀也にはその意図さえわかりながらも、
まだ息子の親友による凌辱を、素直に受け入れる気にはなれないらしい。
「きみ、本当に困るよ。こんなところで、恥ずかしいだろう」
ため息まじりにたしなめる由紀也に、達也は平然と、
「会社ならよかったの?」
と返してゆく。
由紀也が口ごもるすきにスラックスのすそをひざのあたりまでたくし上げると、
ストッキング地の長靴下を、口ゴムのあたりから踝(くるぶし)にまで、くまなく唇を吸いつけ、舌を這わせてゆく。
由紀也の拒絶は、むしろ吸血少年の劣情を逆なでしたに過ぎなかった。
「きみ、やめたまえ。行儀悪いじゃないか!」
なおも往生際悪く非難し続けながらも。
由紀也は脚に通した滑らかなナイロン生地の舌触りを、存分に愉しませてしまっていた。

達也が舐めやすいように、脚の角度を変えてやって。
自分の拒絶が息子と同い年の情人をそそることに気がつくと、なおも「だめじゃないか」「よし給え」とくり返して。
くねらせる脚つきは、女のようにしなやかで、なまめかしさを漂わせる。
すでにさいしょに血を吸われたときから、由紀也は達也を本気で拒んではいなかった。
きちんと脚に通した靴下越しの辱めを、脚をくねらせて受け容れていた。

「あ、痛(つ)うッ・・・」
低い呻きを残して、由紀也は気絶した。
ふくらはぎの一角を、達也の牙が侵している。
静かに噴き出る血潮が、裂け目を拡げてゆく薄いナイロン生地にじわじわとしみ込んでいった。


「視たかね?」
「・・・」
「やはり、視るべきじゃなかったかな?」
「・・・」
問うているのは、吸血鬼。
問われているのは、由紀也の息子、畑川保嗣(14)。
親友に父親が、レイプどうぜんのあしらいを享けるのを目の当たりに、
この少年はそれでも、嫌悪の色ひとつ泛べることなく、
謹厳で気難しかった父親が悶えながら堕ちてゆくのを、冷然と見つめつづけている。
保嗣――いや、この場では”保江”と呼んだほうがふさわしいだろう。
自宅を抜け出してきたこの少年は、自分の通う中学の、女子の制服を身に着けていた。
そう――いまはほとんどの日を、女子の制服を身にまとって通学し、女子生徒として日常を過ごしているのだ。

親友の達也は、保江より少しだけ早く都会から引っ越してきて、
この地に棲む吸血鬼に血を吸われ、吸血鬼化した少年だった。
その達也と親しく交わるうちに、保江は彼の正体を聞かされ、それでも分け隔てなく交際をつづけた。
やがて達也に血を吸われるようになり、男女どうぜんの交わりも遂げられて、
女生徒化した彼――いや彼女は、今は達也の女装奴隷として、彼女なりの豊かな青春を送っている。

達也と父親との関係は聞かされていたが、
想いを遂げるところを直接視たのは初めてだった。
困惑する生真面目な父親の足許に、達也はじゃれつくようにしてしゃぶりついて、
保江のハイソックスにそうするように、薄手の靴下をむぞうさに咬み剥いで、
しまいにはスラックスまで脱がせて――
保江の家の一家の長は、保江の同級生に虐げられるまま従順になっていき、
しまいには、ハイソックスを履いたままの下肢を開かれて、吶喊を遂げられてゆく。

互いに互いの役目を入れ替えて、つぎには目の色を変えた由紀也が達也を組み敷いて、
やはり通学用のハイソックスを履いたままの下肢のすき間に股間を沈め、昂ってゆく。
濃密な愛の交歓を目の当たりに、保江の中に女らしい嫉妬の情が、しぜんと湧いてきた。
同時に、歓びを覚え込まされてしまった股間がヒクヒクと疼き、熱くなるのを激しく感じた。
――父さんも、愉しんじゃってる。だからあたしも、愉しんでしまって構わないんだ・・・
ふたりの痴態はむしろ、保江の背中を強く推した。
そんな昂りにはずむ保江の肩を、吸血鬼は制服の上から静かに抑えた。
わしらも、愉しんでしまおうか――
吸血鬼の囁きに、保江は大きく頷いてしまっている。


薄ぼんやりとした意識の向こう、重なり合うふたつの影のうごめきを、由紀也はぼんやりと見おろしていた。
受けに回るのは珍しかった――というよりも、今夜が初めてだった――けれども、
ごくしぜんに受け入れてしまった自分に、驚いていた。
やがて情人に促されるままに、いつものように息子の親友を女のように犯し、
ふたたび立場を代えて、女のように犯されていた。
女になるのも悪くない――初めてそう思った。

ふと見ると。
傍らで重なり合うふたつの影たちもまた、同じ衝動に身をゆだねているのに気がついた。
覆いかぶさっているほうは、妻の愛人だった。
抑えつけられているほうは――息子、いや娘の安江だった。
保江は制服のひざ丈スカートのすそを乱して、相手の欲求に応えていた。
薄闇のなかでもつれ合う二人を、街灯がスポットライトのように照らし出す。
あらわになった保江の太ももが、淡いグリーンの灯りを照り返して、ひどく眩しい。
いけない子だ。結婚前なのに。
思わず呟いたひと言に、達也はフフっと含み笑いをした。

親子ながら、むさぼられている。
親子ながら、むさぼっている。
向こうも自分たちに、明らかに気がついていた。
それでいて。
お互いに声はかけず。言葉も交わさず。気づいた素振りすら見せないで。
道徳的な規律は跡形もなく押し流されて、ただ欲望の渦に巻かれてゆく。

ポルノ小説で、読んだことがある。
母娘ながらレイプされ、堕ちてゆくシーン。
性別が真逆であったとしても、いまそれを親子で実演してしまっている。
そのことに、なんの罪悪感も、ためらいもない。
ふたりがここにいるということは、妻の和江は提供可能な血を吸い尽くされて、
リビングで野放図に大の字になって、へらへらと笑いこけているのだろうか。
もしかすると、最近付き合い始めているという達也の父が、いっしょなのかもしれない。

それでも良い――と、由紀也はおもった。
互いに息を弾ませ合い、愉しみ合っている。
ただ、相手が配偶者ではないというだけ。
愛し合っていることに、かわりはない。
理性や秩序を形作る衣装を剥がれ、ありのままの姿で、草にまみれて獣のように這いまわる。
そして一夜が明けると、またまっとうな日常にかえってゆく。
そんな一場があっても、良いのではないか――

生真面目に生きてきたいままでが無になったとは、思えない。
型枠にはめられてきた労苦が、いまやっと報われ始めているのだ。
異形のものが巣くうこの街で。
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夫婦の寝物語。
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コメント

こんばんは
 暫く筆がとまっていた様子でしたので、ちょっぴり心配してましたが、今月もしっかりとアップされてて読ませていただきました。

 同性もの、自分だけかもしれませんが、抵抗感があるのに読みたくなる。かなりとんでもない状況なのに惹きつけられるシチュ。

「生真面目に生きてきたいままでが無になったとは、思えない。
型枠にはめられてきた労苦が、いまやっと報われ始めているのだ。
異形のものが巣くうこの街で。」
 最後のこの3行、なんとも好きです。
by ゆい
URL
2020-05-17 日 23:19:15
編集
ゆいさん
末尾の数行は言い訳めいた動機から手がけたのですが、
意外なくらい適切なまとまりを見せてくれました。
これなんかも、意図せずキーの赴くままにたたき出した一節です。
by 柏木
URL
2020-05-29 金 23:52:17
編集

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