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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

好み

2005年07月22日(Fri) 05:57:11

二十歳になるこの歳まで、女の子とつきあった経験がほとんどない。
高校は男子校、中学のころはおくてだった私にとって、女子生徒は遠い憧れでしかなかった。
初めてつきあった少女は、皮肉なことに私の生命を枯らそうとしている女吸血鬼。
透きとおるような蒼白い肌に清楚な黒髪。
薄い眉毛の下に、控えめだがノーブルな目鼻立ち。
地味だが清潔で娘らしい服装で現われる彼女だった。
初めて会ったときよりも、今のほうがより私の好みに適っている。
聡明な彼女は敏感に私の気持ちを察知するらしい。

「こういうタイプ、お好みに合うんでしょう?」
からかうように私を窺う彼女。
潤んだ瞳に吸いこまれそうなくらいゾクゾクしている私。
初めて体を許してくれたとき。
「処女じゃなくて、ゴメンネ」
ちいさく、彼女は呟いた。
私はゆっくりとかぶりを振る。
きっと、若い男の血を吸いながらも、彼女はその時々の恋人たちの欲求に我が身をさらしてきたのだろう。

まえの男の血を吸い尽くすまでは、別のタイプの女の子だったのよ。

イタズラっぽい含み笑いを浮かべながら、彼女はそういった。

そうやって、好みのタイプに合わせてあげるの・・・相手の男の子がわくわくしているときのほうが、おいしく血をいただけるから。
そういう女の子なのよ、私・・・

そういいながら彼女はきょうも容赦なく、私の首筋に唇を這わせてくる。

たとえ私を骨抜きにするために過ぎないとしても。
おいしい・・・
笑みを浮かべた唇に、私の血――生命の源泉――を含みつづける娘。
想いを伝えたい・・・せつじつに思う。
その希いはおそらく、かなっているはずだ。
けなげに私の恋人を演じてくれる彼女への愛が。
情容赦なくぐいぐいと抜き去られてゆく血液に、いくばくかでも融け込んでいるだろうから・・・
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