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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

【寓話】許婚を吸血鬼に逢わせた男のジレンマ

2020年07月14日(Tue) 03:51:11

幼なじみに吸血鬼がいた。
処女の血に飢えていたので、許婚の血を吸わせてやった。
許婚は気丈な娘で、事情を聞くと、正装のつもりで女学生の制服を着け、吸血鬼に逢いに行った。
そして、同行した未来の夫を前に、セーラー服のえり首のすき間から唇を吸いつけられて、うら若い血を吸い取られていった。
吸血鬼は、親友の許婚に遠慮をして、親友のいるときでなければ許婚に逢おうとはしなかった。
それで、週に一度は許婚を連れて、吸血鬼に逢いに行った。

ふと怖ろしいことに気づいたのは、それからすぐのことだった。
相手が処女のときには血を吸うだけの吸血鬼は、
男を識った女を相手にするときには、男女の契りを結ぶのをつねとしていた。
ということは、許婚と結ばれてから吸血鬼に逢わせてしまうと、
新妻の貞節が危機に陥ってしまうのだ。

挙式を二度も日延べをすると、許婚がいった。
「貴男の危惧は分かっている。それでも貴男はあのひとを助けようとするはず」だと。
三度目に申し出た日延べを許婚は肯ぜず、ふたりは祝言を挙げた。
そしてさいしょの一ヶ月は幼なじみに逢わずに過ごし、
それから新妻は独りで夫の幼なじみを訪れた。

新月の夜、新妻の貞操は吸血鬼によって喪われた。
けれども、吸血鬼も、新妻も、良人さえもが得心をした。
三人は末永く、仲良く暮らした。
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