淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
3人の花嫁候補
2020年07月29日(Wed) 08:27:00
パパが吸血鬼の小父さんと仲良くなって、
ママが小父さんの恋人になると、
小父さんにサービスしてあげてきたハイソックス代を、出さずに済むようになった。
いつものお小遣いとは別枠で、ママが出してくれることになったからだ。
これは、じつにラッキーだった。
ママがパパ以外の男の人の恋人になることを、
まだ子供だったぼくは、軽く考えていたけれど。
それでもパパのことを、ちょっと気の毒だと感じたものだ。
けれどもパパは、小父さんとすっかり打ち解けた関係になっていて、
人間の血と女の人の身体に飢えていた小父さんのために、
最高のプレゼントをしてあげたんだとぼくに語った。
けれども、それで問題のすべてが解決したわけではなかった。
吸血鬼と人間が、お互い健康に共存するためには、七人の人間が必要らしい。
ぼくたちは、まだ三人だった。
けれども、ぼくの周囲の人間に、ぼくたちと同じ体験をさせてあげる作業は、とても楽しかった。
パパは勤め先の若い女の子を小父さんに紹介したし、
ママは子供の頃からのお友だちで未亡人している人を択んで、
母娘ともに遊びに来てもらって、そこで小父さんの遊び相手を務めてもらった。
ぼくはといえば、ぼくより少し遅れて同じクラスに転入してきた男子を誘惑して、
半ズボンのすその下の太ももに、小父さんの牙をざっくりと埋め込んでもらうことに成功した。
その子はぼくのいちばんの友達になってくれて、
お姉さんのことをぼくに紹介してくれた。
ぼくのガールフレンドに ということだった。
自分に彼女もできないうちに・・・?と思ったけれど、
ぼくはよろこんで彼の好意を受け取った。
自分に彼女もいないのに?というぼくの疑問は、すぐに解けた。
ほんとうは、彼はかなりのシスコンで、
お姉ちゃんがだれかに姦られちゃうのを視てみたいという願望の持ち主だったのだ。
ぼくは自分の彼女を小父さんに紹介し、
小父さんはパパやママの紹介した子に引き続き、三人目の処女の生き血をゲットした。
吸血鬼に生き血を吸い取られて目をまわしてゆく制服姿のお姉さんを見て、
ぼくの親友が大いに昂奮してくれたことは、いうまでもない。
ところで、ひとつだけ問題が残った。
パパが選んだ勤め先の女性は、ぼくの花嫁候補だったのだ。
ママの選んだ未亡人の娘さんも、ぼくの花嫁候補だったのだ。
親友のお姉さんはすでに、ぼくの恋人になりかかってくれていた。
みんなみんな、ぼくのことを考えてくれているから、いいんだけど。
ぼくの花嫁がだれであれ、吸血鬼に狙われて犯される運命なのだと、
今さらのように思い知ったぼくは、
マゾな心をゾクゾクと昂らせてしまっていた。
あとがき
カテゴリ的には「嫁入り前」あたりなのですが、前々話から引き続いての話なので、「少年のころ」に分類しました。
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