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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

派手な嫁と地味な娘

2020年08月19日(Wed) 21:12:00

娘は、母親よりも祖母に似ていた。
臆病そうな真ん丸で小さな目を持ち、容色は母親に各段に劣るけれども、
むしろ祖母やわたしに似た、豊かな黒髪と色白の肌をもっていた。
少なくとも、吸血鬼に血を吸われるまでは処女だった。
そして、処女の生き血を貴重品扱いする彼らのおかげで、
きっとまだ身持ちを正しく守っているはずである。

自室で初めて襲われたとき。
真っ白なハイソックスを血浸しにしながらも、歯を食いしばって献血に応えていた。
母親の留守中に訪れた吸血鬼の応接を言いつかったからだ。
ゆかりにとって、母親の言いつけは絶対だったので、う
ら若い血を啜られるというおぞましい行為さえ、耐えなければいけないものになっていた。

二度目に逢うとき、彼女はやって来た吸血鬼に、ロープで縛ってくれと懇願した。
痛さのあまり暴れてしまいそうなので――というのが、彼女の言い分だった。
吸血鬼は舌なめずりをして、まだ稚なさの残る少女を縛った。
縛られた少女の怯えた顔つきも、その好むところだったからである。
そして娘が甲斐甲斐しくも自分で用意したロープでブラウス姿をぐるぐる巻きにしてしまうと、
首すじに食いつき、二の腕に食いつき、太ももに食いついて、血を啜った。
さいごに、彼女が吸血鬼への馳走にと脚に通した、
気に入りのハイソックスのふくらはぎに唇を吸いつけて、
思う存分ハイソックスを舐めいたぶり、舌触りを愉しんで、
それからじっくりと咬み破った。
ハイソックスを血浸しにしながらの応接は先日につづいてのことだったが、
少女はべそを掻き掻き、吸血鬼の欲望に従った。

後出しをするようだが、この吸血鬼は女だった。
嫁と姑を食い散らしている兄弟の、そのまた叔母にあたる女性で、
兄弟に襲われて吸血鬼になったのだった。
女は稚ない女の子の血をことのほか悦び、兄弟が獲物をモノにしたと聞くと、
当然のように分け前を主張した。
処女の生き血は貴重だから、
あとで回し飲みをする条件で、
兄弟は少女を女に襲わせることにした。

女は気絶した少女の傍らで、
首すじからしたたり落ちる血をマニキュアのようにして爪に塗り、
傷口になん度も口を着けてはチュウチュウと血を吸い取った。
そして少女の服を脱がせると、わざとスリップだけをせしめて、帰っていった。
ああもちろん、血に濡れたハイソックスも、ついでのようにぶら提げて――

娘が兄弟に処女の生き血を啜られる日がやって来た。
朝から兄弟は、わたしに挨拶に出向いてきた。
夕方には迎えの馬車がやって来て、
怯えて戸惑う娘は吸血老婆に手を引かれて、無理強いに馬車に乗せられていった。
母親は、味方になってくれなかった。
むしろ、自分の血を半分享けた子が生き血を愉しまれるのを、歓びに感じていたためである。

帰宅したわたしは妻から事情を聞くと、家にあがることなく吸血鬼の邸に出向いていった。
渇いた吸血鬼三人を相手に、
すでに娘は身体じゅうの血潮を舐め尽くされて、
哀れ正気を喪っていた。
「帰らない!残る!もっと吸ってもらいたいんだもん!」
迎えに来たわたしのことを邪険に振り放そうとした娘はしかし、
「今度うちに泊ろうね」
と、親切なおばさんごかしに宥める吸血老婆の言に従って、渋々帰りの馬車に乗り込んだ。

一夜明けて目が覚めると、娘は正気に戻っていて、
「父さんが迎えに来てくれて、本当にほっとした」
と言ってくれたので、まだしも泛ばれたのだが。

けれども迎えの馬車は毎週のように週末わたしの家を訪れて、
娘は怯え戸惑い、尻込みしながらもその馬車に乗り込んで、
ひと晩じゅうもてあそばれ、血を啜られて、
明け方になると送りの馬車で朦朧となったまま、帰宅してきた。
「お父さまただいま」
と、礼儀正しくわたしにお辞儀をする娘は、
母親にはツンとして、あいさつひとつ投げようとはしなかった。
「じきにわかるわよ」
妻は泰然として、時代遅れになりつつある光沢入りのストッキングの脚を、ツヤツヤと輝かせていた。
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