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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

クリーニング店の息子。

2021年03月28日(Sun) 15:53:50

くちゃ、くちゃ・・・
キュウ、キュウ・・・
よそ行きのスーツにいつものように血を撥ねかして仰向けになった木島彩子のうえに、
生々しい吸血の音がふた色、おおいかぶさっていた。
相手の吸血鬼は、二人。
このクリーニング店の店主と、店主の妻を襲った吸血鬼である。
妻の情夫である吸血鬼のまえでは、クリーニング店の店主である善八郎氏は、しもべ同然。
なので、妻以外にも餌食にした客のほとんどは、吸血鬼にも引き合わされていた。
店主にとって最初の獲物であった彩子も、その娘である真由美も、例外ではなかった。

真由美は店主の女になってから襲われたので、
まだうら若い体で、すでにふたりの男を体験したことになる。

隣の部屋には、ついさっきまで、
善八郎氏の妻が、着ていたワンピースを血に染めて、
やはり大の字になって、ひっくり返っていた。
さいしょは善八郎氏の細君が目当てでクリーニング店にあがりこんだのだが、
そこに彩子が来合わせたのだ。
ちょうど、吸血した後の勢いで、善八郎氏の細君を輪姦し終わったところだった。
彩子は有無を言わさずクリーニング店の奥に引き込まれ、首すじを咬まれ、脚を吸われた。
いまはふすま一枚隔てた向こう側、
善八郎氏の細君は、いつものようにカウンターに不景気な顔つきで佇んでいる。
自分の身代わりに吸血を受ける、生々しい音を聴きながら、
あくまで無表情に、佇んでいる。

その表情が、ふと動いた。
店頭に人影がよぎり、ガラス戸を開けて中に入ってきたのだ。
相手の姿をみとめて、細君は、あら、と、珍しく表情を動かした。

木島さんのご主人ですよ、と、ふすまの向こうの細君が告げた。
「入っていただけ」
吸血鬼は顔色も変えずに、善八郎氏にいった。
「どうぞぉ」
少し勢いのよすぎる声で、善八郎氏は新来の客に、ふすま越しに声をあげた。

ふすまを開けて入ってきた木島氏は、思わず立ちすくんだ。
そこでは妻の彩子が、ストッキングをずり降ろされたあられもない姿で、男二人の吸血相手をしていたからだ。
「視るのは初めてでしたな」
善八郎氏はそういって、さすがに彩子から身を放したが、
吸血鬼はなおも彩子の頭を掴まえて、首すじにがぶりと咬みついていた。

ブラウスに撥ねた血の生々しさにドキドキしながら、木島氏は来意を告げた。
妻とのことを内聞にしていただき、すまないことだった。
卑怯にも自分は、自分の体面が汚れることだけを気にしていた。
だから、妻や娘が貴兄の餌食になっても、ことが洩れさえしなければよしとしていた。
けれども、それでは一家のあるじとして責任を取ったことにはならないと感じた。
これからはきれいごとではなく、妻や娘の痴態を、夫として父として、きちんと見届けたいと思う。
当地には、「奥さまの貞操公開」という行事があるそうですね。
私も、家内の貞操を公開しようと考えています。
家内も承知してくれました。
ただ、いまの家内の所有者はあなた方であるので、
あなた方の賛成を取り付けることができれば、と家内は申します。
なので、きょうはこうしてお伺いしたのです――

「それは素晴らしい」
吸血鬼が真っ先にいった。
「貴兄が言い出さなければ、わしらが奥方や娘ごを、よそにまた貸ししてしまうところであった」
店主もいった。
では、さっそくだ。
二人の吸血鬼は目くばせをし合って、同時に木島氏に近寄った。

あっという間のことだった。
木島氏は後ろ手に縛られて、両足首も別の縄で結わえられてしまった。
立っていることができずに、部屋のすみに転がった。
「そうしてその場で、見ていなされ。わしらの男ぶりをのう」
善八郎氏は、フフフ、と、小気味よげに笑った。
「当日のリハーサルだと、思いなされ」
吸血鬼もそういって、人のわるい笑みを泛べた。

1時間ほど経って、木島家の娘の真由美がクリーニング店に来た。
帰りの遅い両親を心配したのだ。
「あなた、お客さまヨ」
カウンターに無表情に佇んでいた細君が、再びほくそ笑んで、娘をカウンターのこちら側に引き入れた。
開かれたふすまの向こうの風景に絶句した娘は、悲鳴を消して引きずり込まれた。

ことが果てて親子三人が辞去すると、奥の部屋から息子の善一がおずおずと姿を見せた。
吸血鬼と同性のあいだの関係を結んでしまった彼は、その日もスカートを穿いていた。
「あの、いいかな」
「なんじゃ、なんなりと、言うてみい」
無口な息子が珍しく口をはさんできたので、善八郎氏は意外に感じた。
息子は、さらに意外なことを口にした。
「奥さまの貞操公開、ぼくも行っていいかな」
「女としていくのかね?」
吸血鬼が念のために訊いた。
「ううん、男として出る」
善一は、意外にもはっきりとした口調だった。
「真由美ちゃんと、仲良くなりたい」
ほほう、と、ふたりは声を洩らした。
「お前、真由美に気があったのか」

卒業式帰りのハイソックスに血を撥ねかせながら父親の相手をしていた時には、もう気になっていたという。
親父が真由美の処女を奪ったときも隣の部屋にいて、すべてを視て聞いてしまって、
好きな子が父親の手でむざむざと犯される有様に、言いようのない昂奮を覚えたのだという。
「それならお前、あちらさんさえ良かったら、真由美を嫁にもらえ」
父親の言い草に「まだ早いよ」と言いながらも、善一はまんざらでもない様子だった。

もしも将来そうなったら、父さんにも親孝行させるからね――
善一はそういって、はにかんだ。
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