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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女の姿で、妻の情夫と真夜中のデート。

2021年06月19日(Sat) 09:27:10

さいしょに襲われたあの晩の記憶が、ひどく怪しいものになっている。
あの晩芙美夫は勤め帰りに立ちふさがった吸血鬼に一方的に血を吸われ、
自宅に招ぶことを強要されて、
上がり込まれた自宅で、妻の静江は濡れ場を演じる羽目になったはず。
それが、じつはそうではなくて、
血に飢えて苦しんでいた吸血鬼に、芙美夫のほうから声をかけて血を吸わせてやり、
家内のことも紹介するよと自宅に誘い、
初対面の静江は吸血鬼にひと目惚れしてしまい、
夫のい合わせるその場で、気前よく生き血を振る舞ったばかりか、
芙美夫の妻であることを忘れ、女として抱かれることを択んだ――というのだ。

嘘の記憶に決まっている、と、わかっていながら。
その嘘の記憶こそが真実なのだと、信じたがっている自分がいるのを感じていた。
妻に話して聞かせると、
あなたの言っているほうが、きっと事実よ、と、夫の妄想のほうに、賛意を表した。
わたくしは、貴方のご希望にそって、身体を許しただけですものといいつつも、
夫公認のデート以外にも、しばしば夫に内緒で情婦と逢瀬を遂げてもいる静江だった。

いま芙美夫は、真夜中のファミレスで、
妻の用意した女もののワンピース姿で、妻の情夫と逢っている。
いつもなら、家から抜け出した静江がここで情夫と落ち合い、近場の公園で想いを遂げられて帰宅するところなのだが。
静江が血を吸われ過ぎたときにはいつも、夫である芙美夫が代役を務めているのだった。

女装願望は、遠い昔から抱いていた。
妻にそれがばれたのは、いつのことだろう?
おおっぴらになったのは、妻が初めて吸血鬼に抱かれた、あの晩のことだったはず。
夫婦ながら抱かれてしまったその翌日。
情夫が朝日にも耐えられることがわかると、彼は妻の用意した服を着て、
夫婦のベッドでいまいちど、女として抱かれたのだった。
それ以来、芙美夫は「芙美江」となって、女の姿で妻の情夫と逢うようになっていた。

妻はこんな時分に誘い出されて、
こんなふうに手を引かれ、店を出て、真夜中の公園に、忍び入るようにして入っていって、
街灯がこうこうと照らす芝生の上、背の高い生垣に守られながら、
こんなふうに衣裳をはだけられ、
こんなふうに素肌に唇を這わされて、
髪振り乱して、狂わされていくのだ――と。
芙美夫は自分の身体で、覚え込まされていったのだ。

擦り寄せられてくる素肌を通して、吸血鬼が妻ばかりではなく、自分にまで、執着的な情愛を注いでいるのを自覚した。
その情愛が伝染するように、芙美夫自身にものり移って。
ストッキングを脱がされた下肢を支配されながら、
ワンピースのなかにほとび散らされる粘液の熱さを悦びながら、
腰を振って応えていった。
ちょうど妻が夫を裏切るときと、同じくらい熱心に――
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コメント

柏木さま
御無沙汰しています。
暫く更新がされてなかったので、お元気かしらと気にしていましたが、久しぶりに拝見したら、しっかりとアップされていたので読ませていただきました。

NTRフェチとしては、吸血鬼と静江、芙美夫の関係がなかなか生々しくて良いですね。妻に用意されたワンピース着て吸血鬼に抱かれるなんて、ゾクゾクしてしまいました^^


by ゆい
URL
2021-06-23 水 00:09:30
編集
ゆいさん
女装して妻の浮気を追体験するというプロットは、過去にもけっこう描いています。
現実にはなかなかあり得ないシチュだと思うのですが、
描いている最中には、情景をひどくリアルに思い浮かべています。
生々しさを感じて頂けたようで、嬉しいです。

気になるプロットほど頻出しますし、なかには同工異曲のものもあるかもしれませんが、どうぞ飽きずに(笑)おつきあいくださいね。
by 柏木
URL
2021-06-26 土 22:45:49
編集

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