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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女として愛される夫

2021年07月10日(Sat) 07:57:22

首のつけ根につけられた傷口は、
痛痒いような、くすぐったいような、そんな疼きをジンジンと滲ませている。
男はあお向けにしたわたしの上におおいかぶさって、
傷口に吸いつけた唇をいやらしく蠢かせ、
さっきからチュウチュウと音を立てて、
わたしの身体から血を吸い取っていた。

働き盛りの血液が、干からびた彼の血管を潤してゆく。
そのことが、むしょうに快感だった。
夕べ抱いた妻から吸い取った血液も、まだ彼の体内には宿っている筈。
夫婦の血が織り交ざって、彼の喉を慰め、血管を潤してゆくのだ。
わたしたち夫婦は、彼のなかでひとつになっている――

身に着けたワンピースは、妻のもの。
なん度めかの結婚記念日にプレゼントした品だった。
鮮やかなブルーが涼しげな幾何学模様のワンピースを着けた妻を連れ歩くのが、
かつてわたしの悦びだった。
おなじワンピースを着けた妻が、
彼と連れだってホテルに迷い込んでいくのを見届けるのが、
いまのわたしの密かな歓びと化している。

その呪われたワンピースを身に着けて、女として彼に抱かれる。
まだ回を重ねていないその異常な体験に、わたしは胸を躍らせていた。
妻の股間を抉り彼女の理性を狂わせた彼の逸物が、
いまわたしの股間をも抉って、敏感になった粘膜に淫らな疼きをなすりつけてくる。
わたしのなかにびゅうびゅうと注ぎ込まれる熱い粘液に、
不覚にも陶然となってしまっていた。
おなじ粘液を妻の肉体に注ぎ込まれることを、咎めるべき立場のはずなのに――

せめぎ合い、交し合う吐息、呼気。
わたしたちは身体の動きをひとつにして、愛を形にする共同作業に没頭した。


けだるさの支配する身体は、きょうも出勤には耐えられないだろう。
会社には休みの電話を入れておいたから。
勝手なことをしておいて、彼はにやりと笑う。
生き血を吸い取られ、股間を狂わされて虚脱した身体は、わたしの理性を縛りつける。
きっときょうも、そんなわたしの目の前で、
男は妻を支配してみせるに違いない。
良識ある夫としては、見るに堪えないはずの光景――
着飾った妻がほかの男に掻き抱かれて、欲情の限りを注ぎ込まれ、
いつか自らも狂ってゆく。
そんなありさまを、きょうも見せつけられてしまうのだ。
妻はわたしに、感謝していた。
夫の眼の前で果てる歓びに、めざめてしまっていたから。
きょうも会社を休んだわたしを悦ばせるため、
きょうも彼女は、淫らな舞に熱中するはず。

気分はどうかね――?
顔色の悪さを気遣う彼に、わたしは精いっぱい微笑んで見せる。
だいじょうぶ、悪くないよ。
きみに妻を愛されるのも、
わたし自身を愛されるのも、
とても嬉しいことなのだから。
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