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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

おなじ血

2006年07月28日(Fri) 06:01:10

きゃ・・・
傍らで、ちいさな悲鳴があがった。
壁ひとつ隔てた、向こう側。
声の主は、妹のはず。
そっと細めにあけたふすまの向こう。
うずくまる和服の老婆の下。
セーラー服の妹は。
ちょっと痛そうに、くすぐったそうに、目を瞑っている。
老婆はそんな妹のうなじに唇を吸いつけて。
ずるっ・・・じゅるうっ。
いやらしい音をたてて、生き血を吸い取っていた。
むざんな吸血。
生前の私なら、まぎれもなくそう思ったはずなのに。
血を吸われる立場から、吸う立場に身を置き換えると。
閃光のような衝動が胸を刺し、ときめきを覚えるのを。
抑えることができなくなる。

ひぃ・・・
階上から洩れるのは、母の声。
ずっと、狙っていたんだ。
家にあがりこむときに。
幼馴染みの陽三はそういって、陽焼けした頬をほころばせた。
褐色の陽焼けはひどく色あせていて。
逞しかった体内に、血が一滴もないことを示していた。
むき出しのうなじに口を着けて。
母の生き血を呑みこんでゆく、逞しい喉・・・。
己の根源をも支配されるような。
足許が揺らぐほどの、妖しい愉悦。

目のまえで母をあいてに吸血に耽る、その幼馴染みとおなじように。
血を一滴ももたない体にされて。
こちら側の人間になってしまうと。
家族の血を与える。
そんな。まがまがしい所業さえ。
客人をもてなすときの、最上の好意だと理解できた。
むしろ。
自分とおなじ血を味わってもらっている。
それも、ひどく旨そうに、満足そうに。
むさぼる者たちの横顔に滲む、悦びと。
獲物になった女たちの頬をよぎる、甘い翳りと。
そのどちらもが、むしょうに心をゆすぶってくる。

まるで己がいま一度、体内に宿した血を吸い尽くされるような。
愉悦に満ちた、そんな錯覚。
うら若い血液をぎゅうぎゅうと奪われてゆく妹。
下着フェチな悪友の手にかかり、衣裳もろとも辱められてゆく母。
甘い愉悦が色濃く渦巻いた、狭い空間。
代わる代わる、見守りながら。
愉しまれ、抜き去られてゆく同じ血しおに。
惜別と。満悦と。
ふたつながら、深く胸に刻んで。
またいっしょに暮らせるね。
少しはオレにも、分けてくれるね。
耳もとに囁くと。
女たちは嬉しげに、深く頷き返してきた。

妹におおいかぶさる老婆が卑猥な笑みをたたえながら
濃紺のプリーツスカートをたくし上げる。
悪友がまた、照れた笑いを浮かべながら
華やいだ柄のスカートをひき上げる。
蜘蛛の巣みたいに引き裂かれてしまったパンストを、まだ太ももに残しながら。
女たちは、イタズラっぽく笑みかえしながら。
娼婦の輝きに頬を染める。

あとがき
吸血鬼となったものにとって、家族もまた同じ道をたどることは。
えもいわれぬ一体感を覚えるもののようです。
やや、意味不明になってしまいましたが・・・^^;
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