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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

互いの目線

2021年07月12日(Mon) 17:27:05

彼が好む、ストッキング地の長靴下を脚に通して、
勤め帰りのスラックスのすそを、引き上げて、
吸いつけられてくる唇を、さりげなく避けようとしながらも、
強くは拒まず、受け容れてしまう。
じっくりと辱めるように、なすりつけられる唇に、
苦笑を洩らしながら、応えていって、

舌触り、愉しめますか?
ぼくの血は、美味しいですか?

そんなことばかり訊いてしまう。
相手は妻の情夫。
妻を抱いた帰りに、まださめやらぬ性欲の切っ先を、夫に対して向けてくる。
引きずり込まれた草むらの中、
お互い肩で息をするほど乱れあい、
スラックスを浸した粘液の名残をきにかけながら、つい訊ねてしまう。

家内の肉体は、愉しめましたか?
ぼくの身体は、どうでしたか?

彼はこちらを見ようともせずに、捨て台詞のように呟いた。
――奥さんは自分のことばかりなのに、あんたは俺のことを気にするんだな。
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