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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

父さんの立場。

2021年07月13日(Tue) 07:14:49

まだ、子供のころのこと。
ぼくの一家は吸血鬼に迫られて、
「子供の血は新鮮だ」といって、ぼくは真っ先に狙われて。
ねずみ色のハイソックスに赤い飛沫を撥ねかせながら、生き血をがぶ飲みされていた。
「人妻の生き血はなまめかしい」といって、母さんはその次に狙われて、
ねずみ色のストッキングをチリチリに破かれながら、肉づきのよい脚を飢えた牙にさらしつづけていた。

めまいのするほどの貧血にあえぎながら、ふと思った。
父さんは、どんなつもりでいるのだろうと。
息子も、最愛の妻も吸血鬼に襲われて、生き血を吸い取られてしまって。
生命は散らさずに済んだものの、母さんは吸血鬼にスカートをめくられて、奴隷のように弄ばれていた。

ブラウスをはだけ、肌着を覗かせて、ストッキングをむしり取られながら。
母さんはウンウンと苦しげに唸り、それでも強引に重ね合わされた腰と、自分の腰とを、うごきを重ねていってしまった。
なにをされているのかは、子供心にも薄々察しがついたけど。
母さんが吸血鬼の忠実な妻にされてしまうのを、ぼくはドキドキしながら見届けていった。
吸血鬼が目の色を変えた乳房の持ち主もまた、吸血鬼がひとしきり自分の肉体に夢中になってしまったことを、誇りに思っているようだった。

父さんは素知らぬ顔で、身近に屋移りしてきた吸血鬼と交流を持って、
時にはさしで、飲みに行く間柄になっていた。
そして、酔いつぶれた父さんを自分のねぐらに寝かせると、
吸血鬼は母さんのストッキングとぼくのハイソックスを玩びに、再びわが家へと取って返すのだった。


時が移った。
吸血鬼には、ぼくより少し年下の息子がいた。
その子が色気づくと、母さんが筆おろしの相手をさせられた。
もちろん父さんには、黙ってのことだったはず。
吸血鬼の息子の成人祝いに加わった父さんは、
自分の愛妻の貞操が引出物だったのだと、気づいていなかったのだろうか?

やがてその息子は、結婚を控えたぼくに、未来の花嫁を紹介してほしいとねだった。
否やはなかった。
母さんまでもが、処女の生き血は貴重なんだから、あなたお捧げしなさいと、ぼくに説教するしまつだった。
挙式の前夜。
彼女は夢見心地で首すじを吸われ、ウェディングドレスの下に着けるはずだった白のストッキングをむしり取られながら、
初めての血を股間からも、洩らしていった。

新妻は吸血鬼との恋に夢中になって、
自分がヒロインの不倫ドラマを、それは楽しげに演じつづけた。
ぼくの息子も、娘までも、吸血鬼の息子の手で同じようにされたとき。
過去の問いがぼくへの問いとして、よみがえった。
――父さんは、どんな想いでいるんだろう?

いま、ぼくの隣にいる彼は、
だれのものか分からない血を滴らせて、
ほくそ笑みながら、ぼくがペンをすすめるのを読み取っている。
きっとさいごにこう書くだろうと彼が確信していることを、ぼくはやっぱり書いてしまう。
――家族ぐるみで血を愉しまれる歓びに、目覚めてしまっているのだ と。
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