fc2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

女ひでりの村

2021年07月13日(Tue) 07:55:31

「おごるよ」
その若い男は、手に持っていた缶コーヒーを、ぼくに向かって差し出した。
別の若い男も、同じように、手にした缶コーヒーを妻に向かって差し出した。
ふつうなら、お礼を言ってご馳走になるところだろうけれど。
ふつうとは、いささか事情が違っていた。
ここは村はずれの藁小屋で、
ぼくはぐるぐる巻きに縛られて、
妻は服を剥ぎ取られて半裸になっていた。

「おっと、いけねぇ。これじゃ飲めねえよな」
ほんとうに気づいていなかったらしく、ぼくの向かいの若い男は頭に手をやり、
その手でぼくの縛めを、解いていった。
身体に、開放感が戻ってきた。
妻のほうも頑なに目を伏せて、男の差し出す缶コーヒーから目を背けている。
ぼくは仕方なく、缶コーヒーを受け取った。
妻はそれを見て、相手の男のほうは見ずに、やはり缶コーヒーを受け取った。

「飲みなよ、遠慮は要らねえ」
男はなおも、ぼくに缶コーヒーをすすめた。
飲んでしまったら、彼らが妻にしたことを、認めたことになるような気がした。
するとこんどは妻が、「飲む」とひと言いって、缶コーヒーのプルタブを開け、ひと息に飲み干した。
「喉、乾いてたんだろ?」
妻の相手の同情は、まんざら口先だけではなさそうだった。

「奥さんを手荒に扱って、すまなかった」
ぼくの前の男は、慇懃に頭をさげた。
いまさら頭をさげられたところで、喪われてしまったものはどうにもならない。
妻は処女のまま嫁にきて、ぼく以外の男を識らない身体だった。

けれども、男の言い分は、ぼくの思いとは裏腹だった。
「こんどは、ちゃんとしんけんに愛するから」
というのだった。

この村、女ひでりでな。
嫁をもらえないものがたくさんおる。
だから、分け合うことになっている。
そこへ、あんたら都会もんが、村に移り住んでくるという話じゃ。
絶好の餌食だったんよ。あんたたち。
表情を消して語るその男は、妻のブラジャーをむしり取った相手。

入念に相談して、あんたらをこの納屋におびき寄せたんよ。
そこまでは、入念じゃった。
けどな、生身の若い女目にして、みんな目の色変わっとったんじゃ。
あんた、気づかんかったか?
「若い女」と口にしたとき色めき立ったその男は、妻を藁の山に放り込んだ相手。

わしらも生身の男じゃから、奥さんのぴちぴちとした身体みて、かなわなくなったんじゃ。
それに、都会の女ちゅうもんは、ストッキングとか穿いとるものな。
おしゃれでエエかんじだったわあ。
恍惚と語るその男は、妻のストッキングがよほど気になったのか、べろでいたぶりながらずり降ろしていった相手。

缶コーヒー、うまかったじゃろ。
喉、渇くもんな。
嫁が姦られているのを視て昂奮せん旦那はおらん。
おったとしたら、そりゃ別れる夫婦じゃ。
ぼくに缶コーヒーを無理に握らせたその男は、妻の股間をさいしょに割った相手だった。

四人がかりの蹂躙に、妻は泣きじゃくりながら抵抗し、
けれども獲物を狩る猛獣のような腕力にねじ伏せられて、想いを遂げさせられていった。
「こんどは、まじめにやる」
そう宣言した男は、意思を喪った妻を引き寄せて、押し倒してゆく。
妻は茫然としたまま抱かれていって――そして、ゆっくりと脚を、開いていった。
覆いかぶさってゆく逞しい背中に細い腕がまわるのを、ぼくは見まいとしたけれど。
缶コーヒーの男は、許さなかった。
「大事なところじゃ、見届けるのが夫の務めぞ」
男どもは、言葉少なに、真剣な顔つきで、そして代わる代わる、妻にのしかかっていった。
獣ががつがつと餌を食(は)むようなさっきまでとは、打って変わった静けさだった。
その熱っぽい静けさのなかで、妻は代わる代わる男たちと交わりを遂げていった。
腕を突っ張り、脚をじたばたさせた抵抗は、そこにはなかった。
妻は半裸に剥かれていたが、
これだけは都会育ちの女の特権のように腰に巻いたスカートをユサユサと波打たせて、
性急に圧しつけられてくる腰と、うごきをひとつに合わせていった。
男どもは、こんどは念入りに味わうように妻の肌に唇を這わせ、愛着を訴えかけるように口づけを交わしていった。
ピチャピチャ、ちゅうっ・・・と唇の鳴る音が、なん度も念を押すように、重ねられていった。

放心して、立て膝をしたまま仰向けに寝そべった妻の足許に、
破れ残ったストッキングがいびつによじれていた。

「決めごとぞ」
缶コーヒーの男がそういうと、他の男どももそれに従った。
「一、旦那さんのメンツは守ること。
 一、旦那さんをわるくいうもんを、決して許さんこと。
 一、その代わり、奥さんはわしらが交代で慰めること。
 一、慰めるときには、奥さんひとりを想って、愛し抜くこと。
 ――誓えるか?」
誓えるとも。
男どもは、口々にそういった。

「愛する・・・というのですか?」
訊き返すぼくに、缶コーヒーの男がいった。
「あんたと同じようにな」
妻を犯される傍らで、手の空いた男どもはぼくのことを、女のように愛していった。
その残滓がほんのりと、まだ太ももに残っている。
妻を狂わせた逸物たちの挿入を受けた名残りが、まだひりひりと股間を痺れさせていた。

「あんた、牛乳飲まんか」
べつの男が、挑戦的に瞳を輝かせ、いった。
牛乳がなにを意味するのか、さすがのぼくにもわかった。
「飲みなさいよ」
意外にもそう口走ったのは、妻だった。
「私、このひとたちに愛される」
妻はいった。
「あなたの奥さんのまま、この人たちと恋をする――いいでしょ?」
そうするしかなさそうだね・・・と気弱く呟くぼくに、缶コーヒーの彼はいった。
「人妻って、旦那がいるから人妻なんじゃ」
あんたも旦那として、気張らんかい・・・と、彼はぼくの背中を陽気にどやしつけた。
缶コーヒーの男がいった。
「わしの女房のときには、みんなの言うことをよく聞くもんだぞと言ってやったっけのう」

ぼくは震える口調で、妻にいった。
「このひとたちの言うことを聞こう。
 きみが恋をしても、ぼくは叱らない。
 だからいっぱい、愛してもらいなさい」
その後たっぷり三時間。
妻はぼくの目のまえで男たちに愛されて、女にされていった。


女としてこんなにされて、悔しい。
でも、私の中のもうひとりの女が、このひとたちと仲良くしたがってる。
このひとたちは、私を愛すると言ってくれた。
だから私も、この人たちと恋をする。
私は、ずっと貴方の妻だよ。
でも、この人たちとも、仲よくする。
妻は一気にそういうと、着替えに帰ろ・・・と、ぼくを促した。

都会妻の服、たくさん持ってるの。
都会ではもう暮らしていけなくなったから、私この村の女になるから。
でももういちど、都会の服を着て、あなたたちに抱かれてあげる。
ストッキングも穿いてきてあげるからね――と言われ、妻のストッキングを脚から抜き取った男は、ひどく悦んでいた。

投げ込まれた女ひでりの村で、
ぼくたち夫婦は、通過儀礼の一夜をこうして迎えた。
前の記事
碧の貞操。
次の記事
父さんの立場。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/4078-ddf720b7