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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

娼婦に堕ちた妻。

2021年07月22日(Thu) 07:20:05

「Hi!」
まるでガイジンさんに声をかけられたようだった。
だしぬけな黄色い声にびっくりして振り向くと、そこには妻の真奈美の姿があった。
昨日家を出たときには、こげ茶のノースリーブに薄茶のロングスカートだったのに、
いまの彼女は真っ赤なスーツ姿。
ひざ上丈のタイトミニからにょっきりと伸びた足が、ドキッとするほど刺激的だ。
「どうも」
真奈美の横にいた紳士も、慇懃に会釈を投げてくる。
こちらは渋いグレーのスーツ。
ゴマ塩頭の下の陽灼やけした額だけが、山野で鍛えた職業を連想させた。
きのう真奈美のことを連れ出した、村の長老だった。
真奈美は長老の家でひと晩泊り、衣裳もろとも長老好みの女に仕立てられて、
あくる朝にはこうして、街なかを闊歩していた。

この村に流れてくる都会の男は、妻を村の衆に委ねる義務を負っている。
ゆえあって都会暮らしのできなくなった者たちの、さいごに辿る逃げ場。
それがこの村だった。
勤務先の創立者は、この村の出身者。
以前から吸血鬼と共存しているこの村では、
若い血液を提供する人たちを求めつづけていた。
故郷に錦を飾るため、創立者はビジネスチャンスなどまるでないこの村に、事務所を開設した。
彼らに若い血液を供給するために。
そして、事情ができて都会で暮らせなくなった人たちを、家族もろとも送り込んでいった。

お互いの“需要”と“供給”が一致していた。
ぼくの得た“供給”は、多額の借金と不祥事から逃れるための逃げ場。
村の衆はたちが得た“供給”は、都会妻の貞操――

「あなたがそれでもよければ」
妻は黒い瞳を輝かせて、転勤を打診するぼくを見返した。
ぼくが彼女を、ほかの男に委ねる妄想に夢中になっていることを識っている眼だった。
「夫婦関係は壊さない」
そういう約束をして、ぼくたちは転勤の話を受け容れることにした。
「ほんとうに、壊れないと良いわね」
都会をあとにするとき、妻は他人ごとのように、そういった。

村に着いてから、一週間が経った。
昨日、「お見合い」と証する席に、夫婦で招び出されて、
目のまえに現れたのが、その男だった。
がっしりとした体格の、還暦はとうにすぎた男。
それが妻の“花婿候補”というわけだった。
選択の自由はなかった。
30分後。
とりとめのない歓談をともにしたその男は、
真奈美を伴って、ぼく一人を置き去りにして、立ち去っていった。
薄茶のロングスカートを秋風にそよがせる真奈美の後ろ姿に、
男はさりげなく、腰に手を添わせてゆく。
ロングスカートのうえから無遠慮に置かれた掌にこもる情念を見せつけられたのは、
思い込みに過ぎなかったと言い切れるだろうか。
その晩ぼくは、独り寝の夜を、自室で悶々と過ごすことになった。

脚に通した肌色のストッキングを穿いたまま、舌でいたぶられ、
よだれでぐちょぐちょになったストッキングを、引き剥がされるようにして脱がされて、
ロングスカートに忌まわしい粘液を点々と滴らせながら、
ユサユサと腰を揺らして堕ちてゆく妻――。
そんなシーンに苛まれ、目を逸らせなくなって、しまいに魅了されていた。
くしくも。
ぼくの妄想と寸分たがわぬシーンが、男の邸ではくり広げられたのだという。

男が真奈美を独占するのは、差し当たって翌日の夕刻までだった。
村の衆に紹介された都会妻は、男とひと晩を過ごし、翌日もしばらくの間デートを楽しむ。
夕方6時には妻はいちおう“解放”されるが、
その後の三人の行方は、三人で決めることになる。
三つの意思表示のなかで、もっとも優先順位が低いのは、夫の立場。
ぼくのことだった。

まるで外人の将校に連れられた娼婦のようなイデタチと声色で、ぼくに声をかけてきた真奈美――
その表情はくったくがなく、過ごしてきた時間が彼女にとってそう不愉快なものでなかったことを証していた。
タイトミニから覗く脚は、光沢交じりのストッキングをギラつかせ、
いままでみたことのない彩りをよぎらせていた。
「約束の時間には帰るからね」
いつもの声色に戻った真奈美はそういって、姉のような慰め顔でほほ笑むと、
夕べ彼女を支配した情夫のほうへと、サッと身をひるがえしていった。
ぼくはぼう然と立ち尽くし、二人の行く手を見守るばかりだった。


真奈美を返してもらうのは、6時の約束だった。
そして6時ちょうどに家のインタホンが鳴って、そこには茶系の服に着直した真奈美と――男までもがいっしょにいた。
「デートは6時までの約束だから、戻ってきた」
真奈美はくったくなげにそういうと、ぼくをしり目に男を家にあげてゆく。
「喉渇いた。お茶出してくれる?」
主導権はすべて、真奈美が握っていた。
ぼくはいわれるままに、真奈美と、ぼくと、男のために、ティカップを三つ、用意した。
自分の妻を犯した男のために、紅茶を淹れる――
強いられた自虐的なサービスが胸にずん!とこたえたが、
それでもぼくは紅茶の濃さをはかりながら、念入りに淹れていた。

「正夫は、お紅茶淹れるの得意なの。私がするよりよっぽど上手」
「ほんとだ、美味いな」
男はぼくのまえでも、真奈美に対してすでに友達口調で、
二人が重ねた時間が作った親密さを、いやがうえにも思い知らされる。
ぼくの顔色を察したのか、男はやおらこちらに向き直って、
「真奈美さんをお借りした。楽しかった」
と、礼にならない礼をいった。
――「つまらなかった」といわれるよりは、みじめではないでしょう?
あとで真奈美はそういったけれど、
妻を自由にされたことに、変わりはなかった。
それでもなぜか、ぼくの胸に湧き上がったのは、
男が真奈美の肉体に満足し、高く評価してくれたことへの満足感だった。


「悪いんだけど――今夜は独りで寝てくれる?」
真奈美が言った言葉に、ぼくは耳を疑った。
「このひとを、家に泊めることにしたの。覗いてもいいから」
さいごのひと言を、声をひそめて口にするとき、
真奈美はぼくと戯れるときにみせるあのイタズラっぽい表情になっていた。
困惑したしかめ面をことさら作っていたぼくの本心を、言い当てた言葉だった。
「できるものか、そんなこと」
強がるぼくに、
「うそおっしゃい」
と、真奈美はぼくに、とどめを刺した。

「さいしょのときのお洋服って、プレゼントするのがならわしなんだって。
 でもあたしこの服気に入ってるからって言ったら、
 時々着ておいでって言って、返してくれたのよ」
真奈美は良く輝く黒い瞳で、しんそこ嬉しげにそう口にする。
「今夜はこの服が、パジャマ代わりだけど――」
男は、女を犯すとき、着衣のまま弄ぶのが好みだという。
男の好みに合わせて、自分の服を、やつの劣情を満たすために提供するのだという。
初デートのときに買ったその服が、情夫に媚態を売るための小道具に堕ちる。
妻の瞳が少しだけ、意地悪そうな輝きを帯びた。
――あなた、状況を楽しんでるでしょ?ね?いいわ、もっと楽しませてあげる。
真奈美の瞳は、あきらかにそう告げていた。

真奈美は、ストッキングを穿いていた。
家から穿いていったのと同じ感じの、地味な肌色のストッキングだった。
「都会妻の、ストッキングの脚をいたぶるのがお好きなんですって。いやらしいわよねえ」
真奈美はそんなことを言いながら、
ぼくに面と向かって、「奥さんの脚を愉しませていただく」と宣言した男のために、
屈託無げに、ストッキングの脚を伸べてゆく。

足許にかがみ込んだ男の頭を抱きかかえて、なにかひそひそと囁きながら。
薄茶のロングスカートを少しずつせり上げられていって。
自前のものらしい地味な肌色のストッキングのうえから、足許を舌でなぞられて、
ストッキングが皺くちゃになるほど波打つのを、面白そうに見おろしている。
「やらしいね・・・」
洩れてくるかすかな呟きが、なぜかぼくの股間を刺激した。

「し、主人が・・・視てる・・・っ」
真奈美の囁きが、ぼくを刺激しつづける。
男は真奈美を押し倒し、薄茶のロングスカートの奥をさぐっている。
妻がそこまでされているのに、ぼくは手出しすることを許されない夫――
ぼくにできることは、愛する妻の肉体を、気前よく提供することだけだった。
歯がみをしながら耐える真奈美にのしかかり、男は醜い交尾を遂げた。
真奈美も感じてしまったらしく、畳のうえで息をゼイゼイとはずませている。
薄茶のロングスカートに男が吐き散らした粘液が付着して、ヌラヌラと濡れていた。

「ご主人悪いな。寝室を借りるよ」
男はそういうと、「エッ、すぐやるの!?」と戸惑う妻をひき立てるようにして、
夫婦の寝室へと入り込む。
ベッドのうえに真奈美の華奢な身体が、ドサッと投げ込まれるのが見えた。
まくれあがったロングスカートから覗いた脚は、
ストッキングを脱がされたむき出しの白さを輝かせながら、じたばたと暴れた。
ベッドがぎしぎしと軋み、その音が重なるにつれて、妻の抵抗は熄(や)んでいった。
あとはただひたすら、熱っぽい吐息の応酬。。
ぼくはただぼう然と、事の成り行きを見守っていた。
ズボンに生温かい粘液の濡れがじわじわと拡がるのを、体感しながら・・・



あとがき
せっかく泛んだのであっぷしましたが、
今回はかなり一方的で、やや鬼畜めいたお話ですね。。。
あとでご主人に伺ってみたところ、
真奈美さんと年配の彼氏とのデートはほぼ毎日のようで、
彼氏に買ってもらった服を着るのと自前の服を着て出かけるのとは、半々だそうです。
なんでも、ご主人は、自前の服のほうが昂奮を覚えるとか。
いままでどおりの服装をした真奈美さんが他の男と腕を組んで歩み去ってゆくという、
お見合い直後の光景が、忘れられないそうです。
お相手の男性も、そんなご主人の嗜好を尊重して、家を出る時の真奈美さんを連れ出す姿を、わざわざ見せつけるようにしているとのこと。
この三人。
案外、仲が好いのかもしれません。
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