淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
女子高生とお見合い。
2021年09月09日(Thu) 07:47:53
貴志さん、女子高生とお見合いをする気はない?
母親の敏恵がそういって水を向けたとき、貴志は思わず顔をあげた。
貴志は24歳。けれども彼女はいない。いたためしがない。
女の子に対する興味がないわけではなかったけれど、いつの間にかそんなことになってしまっていた。
裕福な良家に生まれ、人並みの学歴を持ち、それほど見苦しい若者でもない。
しいていえば、得手も不得手もそんなに目立たない、ごく大人しい青年であることが、彼を奥手にしたのだろう。
女子高生とお見合い。
若すぎるじゃん・・・と表向きは母親に口を尖らせながらも、
その言葉の意味する鮮烈なイメージから、貴志は呪縛にかけられたように逃れられなくなってしまっていた。
話はとんとん拍子に進んで、
その月のおわりには、親たちがセッティングした自宅でのお見合いの席に、
気がついてみたら身長した背広を着てしゃちこばって正座していた。
お見合い相手の娘は、まだ十七歳、高校二年生。
このあたりでは名門で知られたM女子学園の制服を、折り目正しく着こなしている。
M女子学園。
この辺りではだれ知らぬものもない、地元の名家の子女が通う、お嬢様学校だった。
母の敏恵も、この学校の出身である。
地味な濃紺一色のブレザー制服は、ちょっとあか抜けない感じだったし、
美織と名乗るその少女も、貴志が想像したような水もしたたるような美少女ではなく、
どちらかというと「お芋」っぽい、ごく目立たない感じの娘だった。
堅実な校風で知られたM女子学園だったから、むしろ洗練された美少女を想像すること自体がナンセンスなのだとあとで思ったが、
むしろ近寄りがたい美少女などではなく、
穏やかでしっかり者らしいその地味な風貌に、貴志はむしろ惹かれるものを感じていた。
相手をさりげなく見つ合う目線が緊張もし過ぎず、ほどよく和んだものであるのを察した大人たちは、
「あとはお二人でどうぞ」
と、あいさつ代わりのお座なりな会話を切り上げて、そそくさと姿を消した。
そのあと、なにを話したものか、貴志はあまりよく憶えていない。
けれども、この縁談を断るという考えをまったく抱かなかったのは確かだったし、
先方も、齢の離れたこの縁談を、「先様さえよろしければ」と、受け容れるようすであることに、
ひどくわくわくとした気分を感じたのも事実である。
なによりも、
この縁談を仲人として取り持ったのが、子供の頃から親しんできた源治小父さんであることが、
彼がこの縁談から逃れ出ることを不可能にしていた。
独身であることを放棄する気になったのは、もしかすると、紹介者が源治小父さんであると聞いた瞬間だったかもしれなかった。
床の間つきの十六畳ほどもある畳部屋のまん中で、
たくし上げられた制服のプリーツスカートのすそから、肉づきの豊かな太ももをさらけ出して、
紺のハイソックスのつま先を、じれったそうに足摺りさせて、
重ね合わされようとする唇を意図的に避けながら、さいごにはそれを受け容れていって、
なん度も接吻をくり返しながら、健康に発育した太ももを、自分のほうから大きく開いてゆく。
エンジのひもネクタイをほどかれて、白のブラウスを剥ぎ取られて、
ブラジャー一枚にされた胸周りを、我が物顔にまさぐられながら、
少女は軽く背すじを仰け反らせて、
相手の男の股間に剛(つよ)く逆立った一物を、
ふっくらとした皎(しろ)い股ぐらへと受け容れていった。
初めての血が太ももに撥ねたのは、もう何か月も前のこと。
それ以来学校帰りに毎日のように立ち寄るこの邸で、少女は精液まみれにされて、飼い慣らされていた。
つい先日、相手の男の言うなりに、おずおずとした初々しさもあらわに見合いの席に侍った少女。
美織の別の顔だった。
相手の男は、見合いの仲立ちをした、源治。
四十ちかく齢の離れたこの男に初めて抱かれたのは、母親の手引きによるものだった。
「大人の女にしてもらうのですよ」
母親の囁きは、凛と取り澄ました冷やかさを帯びていて、
厳しくしつけられた娘にとって、抗いようのない響きを帯びていた。
そんなに深刻に考えなくて良いのよ。
あなたはあの方の、情婦(おんな)のひとり。
ママもあの方の、情婦のひとり。
おなじ男の情婦になるの。
そう。
あなたはあの方にとって、性欲のはけ口の一人でしかない。ママもいっしょ。
なん十人もの愛人を抱えた、この街の陰の実力者なの。
市長さんの奥さまも、学校の校長先生の奥さまやお嬢さんも、みんなあの方に抱かれているのよ。
あの方、一流の女以外には、目もくれないの。だからあなたも、名誉に思わないとね。
花嫁修業だと割り切って、励むことね。ついでに、楽しめると良いわね。
これからしていただくことは、楽しいことなの。
女と男が仲良くなるための、最善の手段なの。
お嫁入り前に、お婿さん以外の男性と仲良くなっても、それがちゃんとした人ならば、いっこうにかまわなくてよ。
だからあなたも、しっかり楽しむといいわ――
つぎの日は、土曜日だった。
土曜日には、美織は来ない。
だが、源治が退屈するようなことは、むろんない。
二六時中、いろんな女たちが、彼を慰めに訪れるからだ――美織の母も、その一人。
控えめにならされたインターホンに応じて、源治はゆっくりと起ちあがる。
鎖(とざ)された門の向こう側に、人目を避けるように佇むOLふうのスカートスーツ姿に一瞥をくれると、
源治は感情を消した顔つきで、入れとあごで促していた。
十六畳ほどある床の間付きの和室の隅っこに、
いたたまれない様子で控えた風情は、
まるで借財をするために操を売ろうとする女のような羞じらいを帯びていて、
その様子を、あとから部屋に入ってきた源治は、満足そうに見おろした。
相手の手首をだしぬけにつかまえて、「あ」とあげかけた声を、唇で封じていって、
タイトスカートの奥に手を突っ込んで、肌色のパンストを引き剥ぐようにしてずり降ろす。
あっという間の交尾だった。
よほど飢えていたものか、源治は一度抉った一物を引き抜きもせずに、なん度もなん度も突き込んでいって、
スカートの裏地が精液でびしょびしょに濡れてしまうまで、行為を止めようとしなかった。
男の激しい行為を、自分に対する寵愛の証しと受け取ったのか、
女はセミロングの栗色の髪を揺らしながら、重ね合わされる唇に応え、胸もとに迷うまさぐりに悶えていった。
ひとしきり嵐が過ぎ去ると、
源治は起きあがり、相手のことも抱き支えてやった。
部屋の隅から始まった激しい戯れは、いつの間にか、広い和室のど真ん中にまで移動していた。
ちょうど昨日、美織が果てたその場所だった。
きょうの源治の”獲物”は――女の姿をした貴志だった。
彫りの深い秀でた目鼻立ちは、悩まし気な色をよぎらせていて、
それが本物の女のように悩まし気にみえた。
「美味かったか」
「・・・はい」
「もっと欲しいんだろ」
「・・・はい」
しおらしく頷く貴志を、抱き支えた腕にからめながら、
なおも逆立ってくる一物を、こんどは貴志の唇へと、あてがってゆく――
「この間のお見合いは、よかったようだな」
はずませていた息を落ち着けた貴志は、着乱れたブラウスの胸もとを掻き合わせながら、無言のまま肯いた。
「先方も、ご満足だったようだ。よかったな」
何しろ、処女率99%。折り紙つきのお嬢様学校だからな。
結納を済ませたら、在学中に姦っても良いのだぞ。
源治は露骨なことをいって、貴志をからかった。
在学中に――
あの濃紺一色のお嬢様学校の制服姿を、自室の畳の上に抑えつけて・・・
昏く澱んだ貴志の瞳が、狂おしく昂るのを、源治は観察するような目つきで窺いながら、いった。
「お前の花嫁の純潔は、わしがいただいた」
「え?」
「処女率99%だと言ったろう?」
「じゃあ・・・美織さんは・・・?」
「三か月ほど前に、わしがたらし込んだ娘ぢゃ」
「ああ・・・」
貴志の目が、悩ましく光った。
「先方はもう乗り気ぢゃ。お前から断るわけには、いかんのう」
源治は弄ぶような目つきで、貴志を見つめる。
あの学校はの、良家の子女を厳格に躾ける校風で知られておるが、
わしのためには毎年一人だけ、女子生徒をあてがってくれるのぢゃ。
親にはむろん、言い含めてある。
表向きは上流家庭であっても、そういう家の娘のなかから、わしが選び出すのぢゃ。
美織はそうした娘の一人—―わしのめがねに叶うた娘。
ぢゃから、お前の嫁にやろうと思ったのぢゃ。
お前も、男を相手にする味を思い知ってしまった男。
ふつうの女では、お前の妻の役目は勤まらぬ。
これからは、夫婦でわしに尽くすがよい。
十年前、貴志はこの部屋で、初めて女のように犯された。
貴志は小さいころから、女性の服に執着する少年だった。
いちど、家族の留守中に母親のスカートを着けているところを、戻ってきた母親に見つかって、折檻された。
母親は、自分の母校のM女子学園の制服を貴志のためにあつらえて、
つぎの日から、女子の制服で学校に通うよう命じたのだ。
父親は、見てみぬふりをしていた。
自分の妻が源治の女にされたときと、同じように――
それいらい、貴志はM女子学園に編入されて、女子として教育を受け、
表向きはサラリーマンとして勤めに出、プライベートは女として過ごすようになっていた。
美織のような少女と結ばれるのは、むしろ必然だったのかもしれない。
あとがき
久しぶりに描いてみたのですが・・・
ひらめいたインスピレーションのわりに、生煮えになっていまいましたね。。。 ^^;
地元の名門女子校の生徒とお見合いをして、でもそのお見合い相手は別の男に姦られていて、
その男は母親の愛人でもあり、主人公を女として犯している男でもある・・・そんなプロットはインパクトを感じたのですが。
いつか改作できればと思います。
期待しないで、お待ちくだされ。(笑)
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