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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

「被害者の会」。

2021年09月09日(Thu) 08:12:46

その集いは、家族が街に巣くう吸血鬼襲われて、その毒牙にかけられた者たちのためのものだった。
吸血鬼が狙うのは、10代から50代までの女性と、若い少年だった。
彼らは例外なく男で、女は生娘であれ人妻であれ、手あたり次第。
なかには男性を愛する嗜好を持つもものいたので、少年たちも餌食になった。
少年のなかには、母親ともども同じ吸血鬼の奴隷にされてしまうものもいるという。
妻や娘を襲われた夫や父親たちは、見てみぬふりをするしかなかった。
吸血鬼たちは、街の有力者たちをとり込んでしまっていていたし、
なによりも女たちが、吸血鬼にのぼせ上ってしまっていたのだから。

菱島凌治は、そうした”被害者”の一人だった。
その日の集いには、20~30人の人が集まっていた。
見た限り、男女半々のように思われた。
きょうは、村はずれの荒れ寺で、街の有力者の法事が営まれている。
そうした法事には、近隣の主婦や娘たちがかり出されるのがつねなのだが、
法事が終わると白昼から目も覆うばかりの乱交が繰り広げられるのもまた、つねであった。
そうした法事のある日には、集いの出席者もまた、多くなる。
集ったものすべてが、家族のだれかしらを法事に招び出されていて、
ちょうどいまごろは・・・と、時計を見つつ講演者の話に聞き入るのだった。

永原香奈枝も、出席者の一人だった。
ちょうど、凌治の隣に腰かけていた。
地味な薄茶色のタイトスカートのすそからは、
薄茶のストッキングに包まれた肉づきのよいふくらはぎが、格好よく伸びている。
凌治はいく度か、彼女の足許を盗み見ていた。
妻が犯されている最中だというのに、あらぬ妄想が凌治の頭のなかをかけめぐる。
あの薄茶色のストッキングを脱がせて、タイトスカートのなかに手を突っ込んでみたい。
構うことはない。妻だって、いまの凌辱パーティーを楽しんでしまっているではないか。

集いが終わると、座を起ちかけた香奈枝のことを、凌治は呼び止めた。
「初めて見る方ですね」
「ハイ、永原香奈枝と申します」
「やはりご家族のどたなかを・・・でしょうか?」
香奈枝はええ・・・と口を濁して、あなたもですか?と、逆に訊いてきた。
「エエ、家内が吸血鬼と不倫の関係にあります」
凌治は正直に、そうこたえた。
「それはお気の毒ですわ」
ふたりはどちらからともなく、近場の喫茶店に誘い合わせていった。
同じ被害者同士の共感が、初対面のふたりをそうさせたのだろう。

「家内は洋装の喪服姿で、出かけていきました。
 何しろ、法事の手伝いですからね。
 でも今ごろは、その喪服を脱がされて、犯されていることでしょう。
 夫としては、情けない限りですが、家内はむしろ愉しんでしまっています。
 わたし自身も――口にするのも恥ずかしいのですが――
 家内が黒のストッキングを脱がされて、皎(しろ)い脚をさらけ出してスカートのすそを乱していくのを想像して、
 その・・・興奮を感じてしまうのですよ」
一気に話してしまって、凌治は、相手に引かれないか?という恐れよりもむしろ、
話したいことを話してしまった後のスッキリした気分を楽しんでしまっていることに、かすかな驚きを感じていた。
香奈枝はさいごまで口を挟まずに凌治の話に聞き入っていたけれど、
凌治が言葉を切ると、いった。
「わたくしも、なのですよ。
 家内がたぶん同じ法事にお招ばれされていて――今ごろ犯されているんです。
 ことによると、凌治さんのお隣に、転がされているかもしれませんね」
凌治はびっくりして、いった。
「香奈枝さんは、男性なのですか?」
香奈枝は、男にしてはおとなしやかな口許に笑みをたたえながら、こたえた。
「だってあの集い――男女半々に見えるけれど、ほんとうはほとんど全員、男性ではないですか」

凌治と香奈枝がそのあとどこに寄り道したのかを、ここで書くのは野暮であろう。
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