淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
結婚指輪
2021年10月16日(Sat) 23:57:25
結婚指輪というものは、人妻のシンボルです。
ふつうなら、自分は結婚している身だから、アタックしないでね という意思表示になるはずですが、
この街では逆に、「狙って♪」という意味になってしまうようです。
妻にはいま、ふたりの彼氏がいます。
そのどちらもが、既婚の男性で、自分たちの奥さんもだれかと関係を結んでいる――そんな土地柄なのです。
移り住んできてさいしょのうちこそ戸惑いましたが、
いまでは夫婦ながら、この土地のこうした習俗を、結構愉しんでしまっています。
ふたりの彼氏は、わたしにも相応の敬意を払ってくれますし、
わたしも妻を勝ち得た彼ら
彼氏のひとりと浮気に出かけるとき、妻は結婚指輪を外していきます。
そしてもうひとりと逢瀬を遂げる時は、あえて結婚指輪をつけていきます。
結婚指輪を外していくときは、妻という束縛から解放されて、ひとりの女性として振る舞う気分になる。
結婚指輪をつけていくときは、貴男の獲た女は人妻なのよ、とそそのかすような気分になる。
妻はそう言って、二人の彼氏それぞれの願望にあわせた付き合い方をしています。
夫たるわたしとしては・・・
結婚指輪は外していかれても、つけていかれても、どちらも複雑な心境になってしまいます。
けれども彼女は、そんなわたしの気分を玩ぶかのように、
指輪をつけている(していない)薬指をさりげなく見せつけて、出かけていくのです。
きょうの相手は、ええ、どちらの男性なのかわかっています。
これ、このとおり。
妻は指輪を、わたしに預けて出かけていくものですから――
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