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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

有馬由梨(14)を襲った吸血鬼のひとりごと

2021年11月10日(Wed) 21:32:56

その昔わたしは、明治以来の旧家である山名家の当主だった。
当地のミスコンテストに選ばれた女を妻とし、母親似の可愛い娘に恵まれた、
この辺りでは最も恵まれた男として通っていた。
しかしその境遇が、たんにひとりの男に快楽をもたらすために過ぎなかったと知ったのは、
わたしが破滅する直前のことだった――

このあたりに吸血鬼が出没するようになったと知ったとき、
すでにわたしの運命は定まっていた。
吸血鬼は当地の女たちを、若い順、美しい順に襲っていったので、
わたしの娘が、そして妻が、だれよりも早く、獲物として狙われてしまったからだ。

真っ先に娘が吸われ、処女を奪われた。
それは地元では旧家として通っている山名家としては、極めて不名誉なことだった。
不義をはたらいた娘を打ち果たすとまで息巻いた妻はしかし、
相手が吸血鬼とも知らずに娘を辱めた男と対決して、
――ただの獲物として狩られてしまった。
妻は娘と同様首すじを咬まれ、貞女の血を啜り取られて、
その場で娘婿の情婦(おんな)にされてしまった。

わたしのつゆ知らぬ間に、
誇り高き山名家の子女は、その身をめぐる生き血を母娘ながら愉しまれ、
吸血鬼の奴隷と化してしまったのである。

事情を知ったわたしは、妻が吸血鬼と逢う現場を抑えようとした。
しかしそこで、ふたりがしんそこ愛し合うところを目にする羽目になってしまった。
不倫の床で行われる、息もぴったりと合った愛の儀式をまえにわたしは、
妻を取り戻すことがもはや不可能であることを実感した。
そして、ふたりの行為が済むと夫婦の寝室に入っていき、
妻には永年操を守り抜いたことを讃えて、
今後は恋人と想いのままに振る舞うようにと告げた。
そして妻と娘の仇敵であるはずの吸血鬼には、
ふたりがわたしの大切な家族であることを告げ、
そのうえで改めて、娘の純潔と妻の貞操を貴殿に無償で進呈しようと誓っていた――

男は自分のかち得た勝利を確実なものにするための、最善の手段をとった。
情婦たちの父であり夫であるわたしを捉えて首すじを咬んで、
わたしの体内を数十年温め続けてきた血液を、一滴余さず吸い取ったのだ。
首すじを咬まれながらもわたしは、
娘のみならず妻までもが、どうしていともたやすく堕ちたのかを納得した。
それほどまでに、男のわたしにとってさえも、彼の牙は甘美な誘惑に満ちていたのだ。

妻と娘は、わたしが理解ある行動をとったことに心から感謝して、
自分たちの血を吸い取った吸血鬼と、一生添い遂げると誓ってくれた。
そして、わたしを弔う夜には母娘ながら、
黒のストッキングに装った脛を喪服のすそからさらけ出し、
父を、夫を弔うために脚に通した薄衣を、吸血鬼の淫らな劣情にゆだねて、
唾液まみれにされて、
惜しげもなく咬み破らせ、剥ぎ取らせていった――

以来わたしは、妻と娘を奴隷にした男と同じ姿になって、
夜な夜な若い娘を狙って夜道を出没するようになった。
――いただいたお嬢さんと同じ年恰好の娘たちを、自由に襲えるようにしてあげますよ。
男はそういって、わたしの好意に報いてくれたのだ。
妻が犯されるのを目の当たりにした夜、
わたしが不貞の行為をさいごまで遂げさせてやったことを、
彼は彼なりに感謝していたに違いない。

いまは、若い娘の学校帰りを待ち伏せしては、そのうら若い生き血を愉しむ身。
嫁入り前の娘を狙い、妻を犯したあの男を蔑むことなど、できようはずもないのだった。


【追記・2021.11.11】
盟友・霧夜さまが、またもや画像を寄贈してくださいました!
襲われる山名夫人の哀しげな表情、きちんと着こなしたスーツに滴り落ちる、まだうら若さを帯びた血潮。
このあとどんなことになってしまうのか、陰翳の目立つ絵だけに、想像力をかきたてられます。

娘のみならず妻までも狩られながら、そのことを追認した青鬼さん。
こんどは通りがかりの少女に迫る光景は、ちょっと芝居がかってユーモラスですが、
襲われる三秒前の少女の、しれっとした表情もまた、危機的状況とのギャップがあって楽しい一枚です。

本文ともども、どうぞお楽しみくださいませ。

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