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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻にも、息子にも、そして自分にも・・・彼氏が。

2022年01月19日(Wed) 19:17:19

祥一郎が目をさましたのは、薄暗い小部屋だった。
自宅でもっとも狭い、物置どうぜんになおざりにしていた部屋である。
頭をあげると、倦怠感に襲われた。
血液を多量に抜かれたあとの、頼りない気だるさだ。
勤務先から帰宅した直後、背後から羽交い締めにされ、首のつけ根に鈍痛をもぐり込まされたところまでは覚えている。
そのあと、つけられた傷口から旨そうに血液を啜り出される感覚も、かすかに記憶に澱んでいた。
もう、慣れっこになっていた。
そして、いま覚えている気だるさも、決していやなものではない。
足腰立たなくなるまで吸われたということは、それだけ相手が自分の血に満足したということだ。
俺の血は旨いらしい。
それは密かな誇りにさえ、なり始めている。

間近に、夫婦の寝室がある。
自分がそこに寝ていないということは、
代わりにだれかが妻と寝ていることになる。
祥一郎を襲った吸血鬼はそのあとに、妻の早苗までも餌食にしたことになる。
彼らは人を、殺めない。
その代わり、日常的に襲い続けて、生き血を愉しむのだ。
処女の生き血はなによりも貴重視されたが、セックスの経験のある女たちは、より淫らな応接を強いられた。
人間の女とのセックスに憧れる彼らの願望を満足させるために、多くの既婚女性が貞操を喪失した。
早苗も、例外ではあり得なかった。
夫よりも十歳も年上の吸血鬼に見初められ、無理やり情婦にされたのだ。
狙いをつけた人妻を落とすため、
まず夫である祥一郎を襲って足腰立たなくなるまで生き血を吸い取ると、
目の前の惨劇に度を失った早苗を抑えつけて、夫のまえで犯したのだ。
半死半生になりながらも、むごいことに祥一郎は意識を保っていた。
そして自分の妻が夫と同じように生き血をむしり取られ、
着ていたワンピースを引き裂かれながら凌辱されてしまうのを、目の当たりにする羽目になったのだ。
さいしょはいやいやをくり返していた妻が、
やがて上にのしかかる男の背中に、ためらいながら腕をまわしてゆくのを、どうすることもできなかった。
男の腰さばきはじつに巧みで、同性の祥一郎さえもが心密かに感嘆を覚えてしまうほど、女の愛し方がたくみだった。
いまのこの街の風潮では、呪いの言葉を毒づくよりも、理解ある夫を装って、おめでとうと伝える雅量が求められていた。

その男はいまごろ、夫婦の寝室で、早苗を我が物顔に抱きすくめ、玩んでいるはずだ。
なかなか嫉妬深い男で、他の仲間には自分の女を触れさせなかったことから、
早苗は輪姦の憂き目をみたり娼婦のように夜ごと男を代えさせられたりすることからは免れることができた。
早苗は、いまでは情夫の保護を感謝しているし、
祥一郎もまた、妻に対する相手の男の一途な態度に理解を覚え、
まだうら若さを宿す妻の肢体を吸血鬼の欲望にゆだねることを渋々にせよ――許してしまっている。


この街が吸血鬼に乗っ取られて、まだ一年と経っていない。
市は吸血奉仕条例なるものを発して、一般市民に吸血鬼との共存を目指すことを宣言した。
外部には厳秘の条例に、難を避けたいものは街を去り、そうでないものが取り残された。
それ以来、自身や家族の血液を自発的に提供することが奨励され、献血に応じた家庭には褒賞金が支給された。
祥一郎の勤務先は会社ぐるみで彼らに血液を供給することを決め、一家族に一人~二人の割合で吸血鬼を割り当てられた。
年ごろの娘のいる家や、新婚家庭などは人気が高く、生娘や新妻めあてに群がる彼らのために、より多くの血液を供給させられた。
この街の新妻たちはすべて、夫黙認の不倫に歓びの声をあげる仕儀となった。
祥一郎の家には中学生の息子がいたが、早晩親たちと同じ運命をたどるのは明白だった。


濃紺の半ズボンに、同じ色のハイソックス。
男子の制服がそんなスタイルに変更されたのは、吸血鬼側からの要望によるものだった。
吸血鬼のなかには、男性を女のように愛する性癖の持ち主が一定数いて、
そうした彼らの要望に応えることを、この少年たちは期待されたのだ。

一人の老吸血鬼が、そうした少年たちに囲まれているのを、祥一郎は遠目に見ていた。
半ズボンの下、しなやかな下肢をさらけ出した少年たちは、
同年代の女子生徒たちと同じように濃紺のハイソックスのふくらはぎを、競い合うようにツヤツヤと輝かせている。
その少年たちの輪のなかに息子の寛祥(ひろなが)がいることに、祥一郎は不吉な予感を募らせた。
「佳いじゃないの」
傍らに歩み寄ってきた早苗がいった。
「あの方、あのひとのお父様ですものね。同じ血を欲しがって当然よ」
どうせなら、うちの息子を真っ先に襲ってほしいわ・・・
そのような、以前の早苗なら身の毛もよだたせるようなことを、女は平然と口にするようになっていた。

「あの子に、女子の制服を買ってやれ」
物置部屋の薄暗がりのなか、老吸血鬼は祥一郎にいった。
祥一郎は、声もなく頷きかえしていた。
引き剥がれたスリップや玩ばれたストッキングは、愛し抜かれた四肢に、まだ絡みついていた。
とっさに借用した妻の衣裳が相手の男をより夢中にさせたことを、祥一郎は嬉しく思った。
その気持ちを、女の感情のようだと彼は思った。
身にまとった妻のブラウスやスカートが、そして股間にしたたかに注ぎ込まれた大量の精液とが、祥一郎を"女"にしていた。
重ねられてくる唇に、かつて妻が自分にしてくれたように、受け口をして応え続けていった。


妻の仇敵は、祥一郎の血には通りいっぺんの関心しか示さなかった。
夫たちの生き血は彼にとって、その妻を玩ぶ前に必要なエネルギー源にすぎなかった。
彼の欲求は、もっぱら婦人たちに向けられていたのである。
同性愛者である自分の父親が祥一郎親子に惹かれたと知ると彼は、さっそく「親孝行」に励むことにした。
祥一郎は妻の情夫に望まれるまま、その父親の相手を強いられたのである。
同性を相手にする抵抗は、すでになかった。
男の唇が祥一郎の身体に這うのは、いまさら珍しいことではなくなっていたのだから。

勤務先から戻った彼は、息子の勉強部屋から洩れる物音に誘われて、二階にあがると、
半開きになったドア越しに、見てはならないものを視てしまった。
それは、妻が他の男と恥を忘れて戯れあう光景と同じくらい、まがまがしいはずの絵図だった。
寛祥は制服姿のまま、老吸血鬼の前伸びやかな脚を差し伸べて、
制服の一部である濃紺のハイソックスを惜しげもなく、淫らな唾液にまみれさせていた・・・
妻ばかりか息子までも吸血鬼に寝取られた男は、
うら若い肢体に舌舐めずりをくり返す老吸血鬼が息子の血を吸い終わるまで、
物音を立てて恋人たちの戯れを妨げまいと、昂る想いをこらえながら沈黙を守り続けていた。

祥一郎の気遣いを気配で察した老吸血鬼は、寛祥が眠り込んでしまうまで血を吸い取ると、祥一郎に手招きをして物置部屋に招き入れた。


股間の奥深く、猛り勃った男の逸物が弾むように躍動していた。
早苗は身も心も揺らぐ想いで、不倫の営みに身を委ねきっている。
かつて従順な妻であった彼女からは、想像できないほどの大胆さだった。
男の意図が愛情によるのか、ただの性欲処理なのか、もうどうでもいいことだった。
長年夫に捧げ抜いてきた節操を、他愛もなく蕩けさせられ汚されてしまうことが、むしろ小気味良かったのだ。
早苗を奪われることを、夫さえもが悦んでいる。
恥知らずなその態度さえ、いまの早苗には許せるような気がした。
なによりも。
生き血を吸い取られるときのドキドキ感や、
折り目正しい装いを血しぶきや精液で濡らされる小気味良さ、
それに夫のまえでさえすべてをさらけ出し乱れ抜いてしまうこのときめきを、失ってはならないと感じていた。

行為の最中、足音を忍ばせて入ってきた夫が、早苗の洋服箪笥の引出しを開け、いくばくかの衣類を盗み取るのを、面白そうに盗み見た。
夫は私の服を着て、男に犯される。
早晩息子のことを女のように愛することになる老吸血鬼の、慰みものになるために・・・


息子さんの"処女"は、美味だった。
老吸血鬼はそういって、息子を女として犯したことを祥一郎に告げた。
ありがとうございます。
祥一郎は神妙に頭をさげる。
肩まで伸びた黒髪のうねりに合わせて、首の周りのネックレスが揺れた。
完全に、女の扮装だった。
いまでは勤務先にも、女性社員として在籍している。
ここは、市内のラブホテル。
同性のカップルも受け入れてくれる、貴重なデートの場だった。
勤務先は女性社員が勤務時間中にラブホテルで春をひさぐことを奨励するらしく、
部屋に着くまでにもう3組、結婚を控えたOLが別の男と肩を並べる姿に出くわした。

昨日、授業中に寛祥を呼び出して保健室のベッドを占拠すると、
ハイソックス以外の衣類一切を、少年の身体から取り去った。
ワイシャツも、半ズボンも、ひとつひとつベッドの下へと脱ぎ落とされて、
恥ずかしがる少年を組み敷くと、
単刀直入にズブリとひと息に股間を冒したという。
家に帰れないと訴える寛祥をひと晩じゅう保健室のベッドであやすように玩び、
引き抜いては挿し入れ、引き抜いては突き込んで、
かたくなだった通り道を、しっくりと通りがよくなるまでに愛し抜いてきたという。
初めての汗がたっぷりと沁み込んだハイソックスを脚から引き抜いて戦利品としてせしめると、
一糸まとわぬ姿で夜明けの街を付き添って家まで歩き通した・・・と、彼は自慢げに恋の成就を語り尽くした。

そういえば、妻の早苗が初めて情夫のねぐらにお泊まりをしたときも、彼に付き添われて朝帰りをしたっけ。
早苗は小憎らしくも、祥一郎が結婚記念日にプレゼントしたよそ行きのワンピースをわざわざ身にまとって、操を捨てに出かけていった。
吸血鬼は夫の見立てたワンピースをいたく気に入り、身に着けさせたまま狼藉に及ぶ。
出迎えた彼女の夫は、引き裂かれたワンピースのすそから、ストッキングをひざまでずり降ろされたなりをした妻を、目の当たりにすることになったのだ。

親子ですることは、似るのだろうか。

息子のほうは半裸に剥いた情婦を夫に出迎えさせて、
親父のほうはモノにした男の子を、生まれたままの姿で歩かせた。

ハデにやられたね。
淫姦の痕跡あらわな妻をそういって迎えたように、
妻も息子を迎えたのだろうか。
大胆じゃない・・・と、笑いながら。
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