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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

わしの家内は、身持ちがよろしい。

2022年02月12日(Sat) 03:21:51

自慢じゃないが・・・
わしの通夜に来た女どもは皆、いちどはわしにスカートをめくられ、パンストを引きずり降ろされておる。
なかにはガーターストッキングを穿いていた女もおった。あんな地味な女が、と思うようなのが、むしろそうじゃった。
だれがそうだか、ちょっと見にはわからないところが、女というものの面白いところだ。

さいしょにパンストを引きずり降ろしたのは、他でもない妹だ。
学校帰りのセーラー服姿にムラムラッときて、のしかかってしまったのだ。
妹は歯を食いしばり、泣きべそを掻きながら俺の一物を挿(い)れられていった。
処女破りとはきゅうくつなものだと思ったが、あれはわしも初めてだったのだから、仕方がない。
その後、処女はなん人いただいたか、わからない。
けれども、息子の嫁をモノにしたときの愉快な思い出は、とうぶん忘れないじゃろう。

そんなわしに、家内はよく仕えてくれたものだ。
おぼこのままで嫁に来て、身持ちもそれなりによかったはずだが、
妹が結婚してからも関係が途絶えなかったのが妹婿にばれたとき、
やつはわしにではなく、家内に言い寄って来おった。
「どうしてくれるんですか?お義姉さん・・・わかってますよね?お義姉さん・・・」
そう、やつはわしの家内に気があったのだ。
あのとき、押し寄せる罪悪感に目がくらんだようになった家内は、
震える瞼を瞑ったまま、紫のワンピースを着た細身の躯(身体)を押し倒されていったのだ。
わしはそれを物陰から見ていたが、留め立てはせなんだのだ。
妹の件はわしが悪いのじゃし、妹婿の恋路も、なぜか遂げさせてやりたくなってしまったのだよ。
初めて操を破られる時。
なにかに怯えるようにしながら悶え始める家内が、ひどく可愛く思えたものだ。

妹婿と家内との関係は、かなり長く続いた。
なにしろ、下の息子と娘とは、妹婿の種なのだ。
わしが妹を愛し抜いたのと同じくらい、妹婿は家内のことを愛し抜いていた。
お互いにお互いの妻を、心の底から愛していたのだ。

やがて息子が色気づくと、家内に目の色を変えるようになった。
ある日の法事の帰りだった。
わしだけが遅れて家に戻ると、奥の部屋からうめき声がする。
妹婿か?と思ったら、そうではなかった。
家内の穿いている、薄黒いストッキングに欲情しやがった息子は、
初体験のぶきっちょな熱情をはじけ散らして、
家内が腰に巻いている、あの重たい真っ黒なスカートを、精液でべっとりと濡らしちまっていた。
そのときもわしは、物陰から、息子が男としての刀の切れ味を母親に試してゆくのを、じいっと見届けていたものだ。
そのときも家内は、なにかに怯えたような顔をして、
躯(からだ)をガチガチにこわばらせて、震えつづけておったものじゃった。

息子の嫁は、都会育ちの娘だった。
妙に男あしらいに長けているところがあったから、てっきり処女ではあるまいと踏んでいた。
なので、当家の嫁になる娘の身持ちを確かめてやろうと、わしは息子に言い含めたのじゃ。
お前の嫁の処女を愉しませろ。親孝行じゃ。

なかなか大胆な娘じゃった。
きっと、いつぞやのわしのように物陰に隠れた息子の目線を、ちゃんと意識しておったのじゃろう。
びっくりするほど大胆に身体を開くと、
ピンクのスーツに秘めて隠し抱いていた、ダイナマイトみたいなふたつの乳房を思い切りよくさらけ出して、
白い肌に血の気をありありとよぎらせて、磨き抜かれたようなその肌を、惜しげもなくさらして来おったのじゃ。
娘の気風の良さにほだされて、たんまりと気を入れて、ピンクのタイトスカートが台無しになるほど濡らしてやった。
あのときあの女の脚から抜き取った、ねずみ色のガーターストッキングを、
わしゃ今でもたいせつに隠し持っておるし、
うちに遊びに来るときあの娘は、
スカートのすそから白いシミが消えやらぬ、あのときのピンクのスーツをこれ見よがしに身にまとっては、
わしに思わせぶりな目配せをするのじゃった。

下の息子とその娘との婚礼は、ここ最近にないほどの盛会じゃった。
引出物は、花嫁と、新郎新婦の母親じゃった。
三人の女たちは、大広間のあちこちにばらばらに転がされて、
この佳き日のためにきちんとセットした髪を振り乱し、
あるいは黒留袖のすそを、あるいは黒のスーツのスカートを、あるいは純白のタイトスカートを、
パンストとショーツにくるまれたお尻が見えるほどたくし上げられて、
列席した殿方全員を相手に、けんめいに腰を振りつづけたのだ。
良家のお内儀が娼婦のように殿方をもてなす――
それが当家の縁組でなされる、外には絶対秘密の通過儀礼なのじゃった。

わしの家内は、身持ちのよい女じゃった。
妹婿に迫られて、
実の息子に迫られて、
婚礼の席では娼婦のように悶え抜いて。
それでも身持ちのよい女じゃった。

いまはこうして、わしの棺のまえ、黒一色のスーツに身を固め、しゃちこばったように正座して控えておる。
わしは気が確かで、棺の中とはいえ、周囲の様子もあまさず見通せることを、家内はよく心得とる。
じゃから、しゃちこばっているのじゃ。
この街に流れてきた吸血鬼は、地元の実力者の家を片端から征服していった。
わしの家も、真っ先に狙われた。
まず息子が血を吸い取られ、それからわしが餌食になった。
こんな年配の男の血などが目当てのはずはない。
とうにわしは、気づいておった。
やつらは、女どもが狙いなのじゃ。
わが家に巣食う、淫らな血潮を総身にたっぷりと脈打たせた女どもが。
そのためにまず、女どもを支配している男どもを征服しようとしているのじゃ。

息子は、女のなりをして夜歩きしているところに吸血鬼と出くわして、
女のようにのぼせ上がりながら、血を吸い取られていった。
息子の血を吸ったその男は、わしの前に堂々と姿を現した。

あんたの家を狙っている。
あんたの奥さんも、息子の嫁も、あんたの情婦(いろ)である妹も、狙っている。
都会に出ている長男一家も、里帰りするのが楽しみだ――
もちろん、見返りは用意している。
あんたは人間のままでも、われらと変わらぬ働きをしているようだが・・・

やつらの狙いはすぐに分かった。
わしを仲間に引き入れたいのだ。
わしは気前よく、うんと頷いてやった。
そして気前よく、身体じゅうの血液を、振る舞い尽くしてやった。

今夜家内は、忍んで来る吸血鬼の餌食になる。
それがやつの、狙いだったから。
その身をめぐる熟れた血潮を啜り取られてしまうと知りながら、
黒一色の礼服に、清楚に身を固め、
ふくらはぎを染める薄墨色の靴下に、言いようもないほど不埒なあしらいを受けると知りながら、
わざわざ真新しく、舌触りのよさげな一足を脚に通して、正座をしてしゃちこばっておる。

残念無念だが、すでに多くの男と分かち合った家内の身体――やつらにも家内の女ぶりを、自慢してやろう。
華代よ、華代・・・
お前は亭主の仇敵に組み敷かれて、亭主と同じように、生き血をしたたかに、吸い取られるのじゃ。
淫らに熟れたお前の血潮の味を、今こそ誇るがよい。
そして、いいようにあしらわれ、夫の棺の前で、辱め抜かれてしまうがよい。
わしはそれを、視て愉しんでやる。
お前もわしに視られていると知りながら、悶え抜いて見せるがよい――
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コメント

 今回も早速読ませていただきました。先月から調子良くアップされているので、読み手側としても楽しみしています。

 中身の方も壮絶なお話で、貰い疼きというか興奮させられました。現代のような倫理が無い時代でしたら、性欲の趣くままこういうシチュエーションが繰り広げられてるかもしれませんね。ちょっとややこしいけど、憧れるところも有ります(笑)

by ゆい
URL
2022-02-12 土 10:16:16
編集
ゆい さん
主人公の女遍歴といいますか、
奥さんの男遍歴といいますか、
不思議に破天荒なお話にしあがってしまいました。
^^;

この時期は”魔”がひんぱんに降りてきて、なかなか退屈しない(できない)時期でした。
たまにくるんですよね。こういうビッグ・ウェーブ。。

察するに、この爺様は、奥さんのことを心底愛していたのではないでしょうか。
だから、ふつうの主婦をしのぐ男へんれきをしているのに、
長年連れ添った妻を「身持ちのよい女」と表現しているのではないかと感じます。
by 柏木
URL
2022-03-09 水 18:18:49
編集

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