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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

三人(みたり)の乙女を嚙む男

2022年07月11日(Mon) 22:13:40

お揃いのセーラー服の肩を並べて、少女が三人こちらへと歩み寄ってくる。
ゆらゆらと揺れる濃紺のプリーツスカートのすそから、白い脛、小麦色の太ももを覗かせて、
彼女たちは道行く人の目を、眩しく射止めていた。
発育の良い三対の脚たちは、すらりとした脚、太っちょな脚――
さまざまな輪郭を、紺のハイソックスに包んでいる。

「小父さん、来たよ♪」
いちばん背の高い子が、公園の隅のベンチにうずくまるように腰かけた、影のような男に声をかけた。
彼女の胸もとには、学級委員の徽章が、誇らしげに輝いている。
影はぬらりと起ちあがると、紺のハイソックスの脚たちを目にして、ほくそ笑んだ。
痩せぎすでみすぼらしく、こけた頬と枯れ木のような肌の色の持ち主は、
ゆらり、ゆらりとよろめきながら、少女たちのほうへと近寄ってゆく。

「もう、やだなぁ。また脚を狙うのね?」
クラス委員の波満子は、三つ編みのおさげを照れくさそうに肩先に揺らしながら、
それでも足許にかがみ込んでくる男の唇を、妨げようとはしなかった。
男は臆面もなく、紺のハイソックスのふくらはぎに、唇を吸いつけた。
クチュッ・・・と、唾液のはぜる音が、ひそかかに洩れた。
「あ・・・あ・・・」
波満子は遠くを見つめながら、みるみるうちに目の焦点を曇らせてゆく。

第一の少女がくたりとくず折れると、男は顔をあげて、残る二人の少女を見た。
二人は「女史」と呼ばれたクラス委員がみるみるうちに目をまわしてしまうのを息をのんで見守るばかり。
男の口許に、波満子の血が滲んでしたたるのを認めると、
ちょっとだけ怯えた顔つきになって、お互いの身を寄り添い合わせた。
「さあ、つぎは早苗かな?それともかの子の番かの?」
男はたっぷりと獲た生娘の血潮を嬉し気に舐め取ると、
舌なめずりをして、二人のほうへと這い寄った。

ちび助の早苗は、おかっぱ頭の下に伸びた秀でた眉をしかめながらも、
「じゃあ次はあたしかな」と、自分から紺のハイソックスの脚を差し伸べた。
「きょうのやつはちょっと寸足らずだね。ゴメンね~」
と笑うのは。
男がひざ下ぴっちりに引き伸ばした長めのハイソックスを露骨に好んでいるのを揶揄したかったから。
男は「どれどれ」と、早苗の足許ににじり寄ると、
脛の半ばまでしか覆っていないハイソックスを、ちょっとだけ引き伸ばすしぐさをした。
男の悪戯心を敏感に察した早苗は、きゃあきゃあはしゃいで飛びのいた。
寸足らずなハイソックスの口ゴムのすこし上のあたりの、いちばん肉づきのよいふくらはぎに唇を這わせると、
吸血鬼はその唇を、強く吸いつけた。
「アッ、もう!」
さいしょに咬まれた波満子が、男の好みに合わせて脚に通した長めのハイソックスを血で濡らしたままうつ伏している傍らで、
早苗は小柄な体躯を仰け反らせながら、むき出しのふくらはぎから血潮を啜り取られてゆく。
男の口許から洩れた血潮が、ハイソックスの口ゴムを濡らすのを感じると、
早苗は「やったわねえ」と呟いて、男を白い目で睨(ね)めおろした。
ハイソックスを血で汚されまいとした彼女の意図は、彼の痴情を妨げることができなかった。

早苗が失血のあまり尻もちをついてしまうと、一人残ったかの子は、
「もぅ、いつもあたしが最後なんだからあ」と、鼻を鳴らした。
それは不平を鳴らすようでもあったが、同時に得意そうでもあった。
太っちょなかの子のふくらはぎは、吸血鬼の大好物だった。
なによりも。
だれよりもふんだんに血液を供給できる大きな身体を気に入っていたのだ。

わざと身を背けて逃げようとしたかの子を、吸血鬼は後ろから羽交い絞めにして、肉づきの豊かなうなじにガブリと食いついた、。
ピチピチとした小麦色の皮膚が鋭い牙に切り裂かれて、
ドクドクとあふれ出る血潮が男の口許からこぼれて、ぼとぼとと地面を打った。
「あ・・・もったいない飲み方しないで!」
少女は声をあげて抗議した。
吸血されることじたいは、拒まないという態度だった。
男は背後から腕をまわして、セーラー不育の胸もとを引き締める紺色のリボンを揉みくちゃにしながら、
かの子の血を飲み耽った。
自分の体内をめぐる血潮がゴクゴクと男の喉を鳴らすのを、かの子はうっとりと聞き惚れていた――

ふたりの少女の後ろ姿が、セーラー服の襟首を並べて、公園の出口を目指している。
きょうの「ご指名」は、さいしょに餌食となった波満子らしい。
「おうちに帰るまえに――悪りぃがもう少し、楽しませてもらうぞ」
男はにんまりと笑った。
波満子もまた、白い歯をイタズラっぽく覗かせて、笑っていた。
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