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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

市長夫人、堕ちる――

2022年07月24日(Sun) 23:32:08

壬生川市長の良き相談相手でもある京子夫人が初めて吸血鬼に襲われたのは、あろうことか市長室でのことだった。
その日不幸にも市長は外出しており、京子夫人はがらんどうの市長室で夫の帰りを待つことにした。
がらんどうの部屋、のはずだった。

しかし、市長室にも吸血鬼の追求の魔手は、すでに伸びていたのだ。
若い女性職員が市長室に呼び出され、吸血鬼の頭に生き血を吸われる。
そんなうわさが事実であることを、ミス倭館【わかん】市役所とうたわれた紫桃いずみも奈々邑リカも知っていた。
「吸血鬼保護条例」を発布すると市長は、市役所の全女性職員と職員の妻とを対象に、血液提供者を募ったのだった。
「おまえにも、いつかは出てもらわなくちゃならない」
市長は京子夫人にそう言ったし、京子夫人もまた、夫の志を実現するために、わが身を犠牲にする気持ちを固めていた。
しかし、その日その時のことだとは、市長夫妻は思ってもいなかった。

その日、喉をカラカラにさせた吸血鬼は、いつも若い女性の血液を提供してくれる親切な市長を頼りに市役所にやって来て、
またいつものように、市役所の職員の妻か女性職員をみつくろってもらおうと思い、市長室のドアをノックもせずに開けたのだった。
だしぬけに姿を現した吸血鬼を前に、ものに動じない京子夫人も思わずうろたえた。
その様子を見て取った吸血鬼も、さらにうろたえた。
奥ゆかしいスーツに身を固めた、しっとりと落ち着いた風情の年配女性のその様子に、嗜虐癖をそそられてしまったのだ。

気がつくともう、京子夫人を抱きすくめてしまっていて、
柔肌から伝わるほのかな体温と、着衣を通して感じる豊かな肢体とに夢中になってしまっていて、
がくがくぶるぶると身を震わせながら、夫人の肉づき豊かなうなじに、牙を突き立てていったのだった。


キャー。
はからずもあがった悲鳴はドアの外にも漏れたけれど、
口の堅い市長の側近たちは、なにごとも起きていないかのように執務に励んでいて、
市長夫人を援護するために席を起つものはいなかった。
それから市長が帰庁するまでのあいだの約30分。
吸血鬼に迫られた市長夫人は、わが身に脈打つ熟れた血潮をたっぷりと、魔性の毒牙に浸す難に見舞われたのだった。

さいしょのうちこそ不覚にもうろたえてしまったものの、
もともと京子夫人は、吸血鬼を街に受け容れようとする夫の施策に理解を示し、良き協力者になろうと望んでいた。
彼女は気を取り直すと、わたくしのような年配女性でもよろしいのですかと尋ねた。
吸血鬼は、血に飢えていた。
「あんたの血が欲しい。気が済むまで愉しませていただきたい」
目の前に現れた年配婦人は、彼にとって血液を提供すべき肉体としか、映らなかったようだ。

そんな忌むべき来意を告げられた夫人はそれでもつとめて平静さを装って自分の齢を告げ、
それでもよろしいのですかと相手の気持ちを確かめた。
それでもありがたい、といわれると、
「わたくしは市長の妻です。よろこんでお相手するべき立場におります。
 でもやっぱり怖いわ。手加減なすってね」
と告げた。
「市長の妻」ときいて、吸血鬼はちょっとのあいだ逡巡した。
けれども理性や良識よりも喉の渇きの切実さがまさって、床に抑えつけた夫人の首すじを、もういちど喫(す)った。
京子夫人は観念したように薄い唇から白い歯をしっとりとのぞかせると、目を瞑り、相手の欲求に応じていった。

ひとしきり夫人の体から血を吸い取ると、吸血鬼はわずかに理性を取り戻した。
親友である市長の愛妻を床に押さえつけ、真っ白なスーツに埃をつけることにためらいを覚えた。
「よろしければあちらで」
と、彼は夫人に来客用のソファをすすめた。
しかし京子夫人は、
「ソファを汚しては主人に叱られます」
と固辞して、ジャケットだけを脱いで夫の安楽椅子の背もたれにかけると、
すでに血に濡れていたブラウスはそのままに、床にあお向けにされたままの姿勢で、男の吸血を受け容れた。

夫である市長が戻ってきたときには、京子夫人は夫の親友を相手に吸血行為を許しつづけて、
自身の体内をめぐる血液を賢明にも過不足なく提供し、来客の凶悪な喉の渇きを落ち着かせることに成功していた――


いきなり視界に飛び込んできた夫人の受難のシーンに、市長は驚愕した。
30年近く連れ添った愛妻だった。
それがよそ行きのスーツ姿をねじ伏せられ、
ブラウスに血潮を散らしながら吸血鬼に虐げられている姿を目の当たりにしたのだから、
おぞましさに慄(ふる)えあがったとしても無理はない。

けれども、夫の入来に気づいた夫人は夫を手で制すると、
「もっと早く、このかたの御意に随うべきでした」
とだけ、告げた。

彼は、きちんとした服装の婦人に目がなかった。
首すじに牙を突き立て、ブラウスを持ち主の血潮で染めて、衣装を辱めながら吸血し、
渇きが収まるとおもむろに犯すのがつねだった。
特に、スカートのすそから覗く脛を彩るパンティ・ストッキングは、彼らの好餌となった。
くまなく舐められ、したたかに唾液に濡らされ、舌触りを愉しまれ抜いた挙句、むざんに咬み破られてしまうのだった。

その日夫人は、ごく地味な肌色のストッキングを脚に通していた。
ふっくらとした柔らかそうな肉づきのふくらはぎを、薄地のナイロン生地が優雅ななまめかしさに彩っているのを見ると、
これが吸血鬼の慰みものにならぬはずはない――と、市長は観念した。
ところが吸血鬼は、「こちらのご婦人に恥を搔かせるわけにはいかない」と、己の気に入りの悪戯を愉しむ権利を放棄すると告げたのだ。
帰り道に夫の部下たちに、破れたストッキングの足許を盗み見られるのは、お恥ずかしいでしょうからな――と。

そのひと言が、夫人の態度を和らげた。

折しも、退庁時間を過ぎたころだった。
皆が退庁してしまうまで、わたくし貴方のお部屋で、このかたのお相手を務めさせていただきますね――と、夫人はいった。
吸血鬼は、度重なる市長の厚意に浴してから、彼に友情を感じるようになっていた。
市長は、長年連れ添った愛妻を、彼の友情にゆだねることにした・・・

「たまたま新しいのをおろしてきたの。恥を掻かずにすみましたわ――」
部屋に二人だけとなった相手が、自分の足許を辱めたいとウズウズしているのを間近に気配で察しながら、
京子夫人はこぎれいに装った足許をちらと見やると、そういった。
「どうぞ存分に愉しんでくださいね。この際お気遣いはご無用ですから――」
夫人の心遣いに吸血鬼は惑乱し、ドアの外で待っている市長に悪いと思いつつも、夫人の首すじをふたたび吸った。
彼女もまた、熟した血潮を舐め取られる歓びに、目ざめはじめていた――。

その日夫の執務室で、京子夫人は吸血鬼の望みを受け容れて、
パンティ・ストッキングを穿いたまま、上品に装った自分の下肢を不埒な愉しみに供してゆき、
片脚だけ穿いたストッキングに裂け目が走るのを見つめながらスカートの奥を手荒にまさぐられ、
夫以外のものを識らなかった無防備な股間に、剛(つよ)くそそり立った魔性の一物を沈み込まされていったのだった――


あとがき
優雅な年配婦人が、奥ゆかしく装った服をしどけなく乱されながら、堕ちてゆく――
たまりませんなあ。 ^^
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