淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
妻を汚されるということ。
2022年08月18日(Thu) 01:48:48
役所の車は、私用に使われることがある。
もちろん所属長が認める限りのことなのだが。
多くの職員たちはひっそりと、私用届を上司のもとに持ち届け、
上司たちは感情を消した顔つきで、しゃくし定規に判を捺す。
許可をもらった職員は、職員専用の駐車場から車を出して、自宅へと差し向ける。
そこにはよそ行きのスーツやフェミニンなワンピースに着飾った妻が待ち受けていて、
夫は華やかな装いの女を、助手席に乗せる。
行先は、街はずれのラブホテル。
あるいは、さらに鬱蒼と静まり返った古屋敷や、荒れ寺。
そこには若い女の生き血に渇くものたちが、自らの慰めを携えてくるものたちを、今や遅しと待ち受ける。
ホテルのフロントに二言三言囁くと、指定された部屋番号を告げられて。
職員は自身の妻を伴って、ドアをノックする。
そこに待ち受ける黒い影は、まず夫に襲い掛かると、首すじにかぶりついて、
息をのんで立ちすくむその妻の目の前で、夫の生き血を吸い取ってしまう。
生気を抜かれた夫が、からになったビール瓶のように客室のじゅうたんんじ転がされると、
こんどはその妻が、ベッドのうえに放り込まれて、
着飾ったブラウスを引き裂かれ、スカートをむしり取られ、ストッキングをいたぶり尽くされながら、
うつらうつらしている夫の目の前で身ぐるみ剥がれ、
引き裂かれたブラウスの襟首を持ち主の血で散らしながら首すじを咬まれ、
脚にまとうストッキングをブチブチと剝ぎ堕とされながらふくらはぎを咬まれ、
しまいには白肌をさらけ出して、犯されてゆく。
さいしょはまぐろのように横たわったまま、吸血鬼の凌辱を受け容れるがままだった妻たちも、
やがて夫の咎めるような目線に慣れ始めると、
しだいしだいに打ち解けていって、
着衣もろとも辱めようとする自身の愛人たちのけしからぬ趣向に、
わざと拒んだり嫌がったりしながらも応接するようになっていって、
しまいには夫の名前を叫びながら、よがり狂ってしまうのだった。
自分の妻が、ベッドのうえで、ほかの男を相手に娼婦のように振舞って、
結婚記念日にプレゼントしたスカートのすそを精液に浸し抜かれたり、
家の名誉を汚す淫らな粘液を、喉いっぱいに含まされたり、
主人のよりいいわぁ・・・などと、はしたない言葉を強制されるのを、
そのうち自分から口走るようになってゆくのを、見せつけられる。
妻たちが装い、唾液で汚され掌で引き裂かれ、辱められてゆくスーツやワンピースは。
かつて、結婚記念日や誕生日に、夫が自分で稼いだ金でプレゼントしたものだということを、
妻もそして吸血鬼どもも、よく心得ている。
夫たちは――自分の稼ぎで装わせた妻たちの貞操を、彼らにプレゼントすることを強いられているのだと。
いやでも自覚する羽目となる。
もはや理性を奪われた妻たちが、
四つん這いになった背後から、なん度もなん度も熱く逆立つ逸物をぶち込まれたり、
あお向けになった情夫の上にまたがって、自分から腰を使ってひーひー悶えながら髪をユサユサ揺らしたり、
間断ないまぐわいも、お互い息がぴったり合って呼吸を弾ませ合ってゆくのを見せつけられるなど――
結婚した当初には、予想もつかない仕儀であった。
夫たちは知っている。
これは妻たちから、罪悪感を取り除くための儀式なのだということを。
そしてじっさいには、
妻たちは自分たちの勤務中、家族の目を盗んで、夫の知らない密会を始終愉しんでしまっていることを。
ご念の入ったことに。
そうした事実を教えるために、妻の情夫たちはわざわざ夫に内密の連絡をとって、
留守宅に忍び込んだ夫婦のベッドの上や、
つい昨日夫のまえで見せつけたばかりのホテルの一室や、
時には街の人々が行き交う通りに面した草むらで、
彼らの妻の脚を、ストッキングの舌触りを愉しむように意地汚く舐めまわしたり、
しっかりとした肉づきをしたうなじに、舌をからませてみたり、
血を吸われることにも犯されることにも慣れ切った身体を、思い存分に弄ぶのだった。
夫たちもまた。
彼らの招待をこころよく受け入れて。
いつの間にか、最愛の妻が娼婦のようにあしらわれ、愛し抜かれてゆく有様を視る歓びに、目を眩ませていくのだった。
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