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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

嫁、妹、そして姑

2022年09月10日(Sat) 01:54:26

若い女の生き血を求めて、吸血鬼が訪ねてきた。
妻の華絵がお目当てだった。
呼び出された華絵は、含羞を帯びた表情で、自分の情夫を迎え入れる。
結婚間近のころに、二人ながら襲われて。
先に血を抜かれたわたしの前で、華絵は全身の血を舐め尽くされた挙句、処女を散らしていった。
初めて識った男には、女は特別な感情を抱くという。
華絵と彼との関係が、まさにそうだった。
婚約者を守り切ることのできなかったわたしは、自分の未来の花嫁が吸血鬼に求愛されるのを受け容れて、
ふたりの関係を認めさせられ、そして悦んで認めてしまっていた。
新居に通ってくるこの不埒な年配男のために、新妻の貞操を汚される日常に、わたしは満足を覚え始めてしまっている――

黒衣の肩をそびやかす彼の背後に隠れるようにしているのは、伴われてきた妹の佳代だった。
華絵は佳代と目線を合わせると、ふたりはちょっとだけ顔つきに妍を浮かべた。
嫁入り前の身体を捧げたという点で、ふたりは同じ体験を共有していたけれど、
そのことはふたりを、意図せず競争相手にしてしまっていた。

きょうは母のことを欲しがっているの。私たちは添え物よ。
佳代の言葉に、華絵はちょっとだけ失望の色を泛べた。
「すまないね。奥さんと妹さんを借りるよ」という吸血鬼に、わたしはどういうことなのですかと訊いた。
「奥さんと妹さんには、女ひでりの男たちを慰めてもらおうと思っているよ」
彼は臆面もなくこたえた。

この街に吸血鬼が侵入してきて、すでに3年が経過していた。
人妻たちのほとんどは血を吸われ、彼らの奴隷にされていた。
そうした人妻の夫たちは、妻の情夫を家庭に受け容れることを条件に、好きな女を抱くことができる――
「奥さんにはそうした旦那衆が、3人。妹さんには5人」
ほくそ笑む吸血鬼に、妻は不満げにいった。
「アラ、わたくしのほうが少ないのですか?」
「その分、ひどくご執心でね――」と、彼が告げたのは、わたしの同僚たちの名前だった。
「彼らだったら仕方がない。満足させてやってくれないか」
同僚との不貞行為をあっさりと許したわたしに、妻もまたサバサバと返してくる。
「今夜は戻りませんからね」

情婦ふたりを「供出」してしまった吸血鬼の今夜の目当ては――母の規美香だった。

華絵が新居で情夫と乱れあっているところを偶然目撃してしまった母は、その場で吸血され、犯された。
30年近く連れ添った父以外の男を識らない身体を、手ごめにされてしまったのだ。
まだ若さを秘めた血液に、牙に含まれた毒液を混入されて、
無防備な股間に淫らな粘液を注ぎ込まれてしまうと、
賢夫人とうたわれた母が娼婦に化してしまうのに、半日とかからなかった。
着乱れた服のすき間から素肌を露わにした華絵は、そのいちぶしじゅうを見届けていた。
代わる代わる犯された嫁と姑は、その日のうちに共犯者同士になっていた。

「父がかわいそうだ」と主張するわたしの言を容れた吸血鬼は、その日のうちに父を訪ねて、母との交際を認めさせてしまっていた。
情夫とともに帰宅した妻を晴れやかな顔つきで迎えた父の首すじには、赤黒い咬み痕がふたつ、綺麗に刻印されていた。
「そういうことを望んだのではない」と主張するわたしのことを、吸血鬼は楽しそうな顔つきで見返してくる。
そう――わたしもまた、首すじに咬み痕をふたつ綺麗につけられて、
婚約者の純潔を嬉々として献上してしまっていたのだから。。

女ふたりが、若い女に飢えた男どもを満たすために立ち去ると、
わたしは吸血鬼を連れて実家に向かう。
出迎えた父は、年来の親友を迎えるように目を細めて吸血鬼に会釈をした。
「華絵さんは良いのかね?」
むしろ嫁の嫉妬を気遣う父に、「華絵はほうぼうでモテモテですから」とこたえていた。
父の引き取った書斎の隣室で。
母は奥ゆかしく着こなした和服の襟首を寛(くつろ)げられて、胸もとを露わに引き剝かれていった。
首のつけ根の一角に、赤黒く欲情した唇を這わされて。
きちんと結い上げられた黒髪の生え際を撫でつけられながら、じょじょに姿勢を崩してゆく――
父が隣室で聞き耳を立てていると知りながら、あなた、あなた許して頂戴――と声をあげて、
母は着物の下前を割られていった。

父は知っている。
乱れ抜いた母はやがて、息子であるわたしのことさえ受け容れて、
輪姦の坩堝(るつぼ)に巻き込まれ、ひときわ声をあげてしまうのを――
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