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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

人妻さん

2005年11月04日(Fri) 10:33:50

現われた彼女はごく地味な服装だったけれど。
それがしっくりととても板についていて。
似合いすぎるほど、似合っていた。
あまりの風情になぜかしんみりとした気分になって、
私は思わず、呟いていた。
すまないね・・・
いまから自分を襲おうとしている男が口にする意外な科白に、
女はちょっと、戸惑っていた。

親友の妻だった女。
それがいつかぎくしゃくとした関係になって、とうとう別居。
そんななか、行き合わせて。
ふとしたはずみに、こういう関係になった。
女は乱された衣裳を抱きかかえるようにして、
そそくさと立ち去っていった、つかの間の逢瀬。

抱き締めるたびに女のなかの頑ななものが、
すこしずつとろけてほころびてゆくのを覚えはじめたころ。
彼女はもとの夫と和解して、またいっしょに住むようになった。
もう逢うのはやめようと。
私のほうから切り出したのだが。
いいよ、逢ってやってよ。もとにもどれたのはお前のおかげなのだから。
そう言ってくれたのは、親友の方だった。

待ち合わせの夕方の公園。
その日の私はちょっとというか、かなり落ち込んでいた。
そんな私を見透かすように、
やってきた彼女はいつもの挑発的な服ではなくて、
黒っぽい地味なアンサンブル。
もしかして、気を遣ってくれた?
そういう私にはこたえずに、
自分のほうからすいっと近寄ってきて、夫婦のように寄り添いながら。
今夜は何処で、わたしを抱くの?
そういって私を見上げる彼女。

淑やかに映える黒のストッキングの脚を見せびらかすように、
彼女は雑木林の暗がりへとまっすぐに、歩みを進める。
上品な礼装もろとも辱めてやりたい。
親友への思いとはまた別に、ムラムラと沸きあがってくる、こらえきれない劣情。
そんな私をそそのかすように、
ほどよく奥まった木々のなか。
彼女は振り向き、清楚なブラウスの胸元をほんのすこし、くつろげる。

抱きすくめた彼女の肢体は、とても熱っぽくはずんでいた。
さやさやと揺れるしなやかな衣裳は、
貴方ノタメニ装ッテキタノヨ・・・
たしかにそう、告げていた。
薄手のストッキングごし、情愛のこもった唇をたっぷりとあてがって。
ぬるぬるとした熱情を、熟れた素肌に沁み透らせてゆく。
親友の妻はあっさりと、私のあやつる魔術に酔わされて、
幸せそうにウットリと目線を迷わせて、私の胸に身を沈めた。
喉越しに熱い血潮の豊かなうねりを覚えながら、
たっぷりと熟れた肢体の衣裳をまさぐって。
貴女の心遣いをしんから愉しみ抜く夕べ―――。

あとがき
女性が装うということは、心のなかにあるものを逢う人に発信するメッセージなのでは・・・?
なんてことを思い浮かべながら、描いてみました。
女性の背景は、描いているうちになんとなくつくってしまったのですが。
かなり屈折した背景ですね。
もっと大事に使うべきキャラだったのでしょうか・・・
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